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2010年06月06日

Drama/YES (イエス)

B003A9FMVAドラマ
イエス
ワーナーミュージック・ジャパン 2010-05-26

 新作製作に向けてのセッション中にバンドでの活動に限界を感じたJon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)とRick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン)が脱退。バンド存続の道を模索する残されたメンバーは、ニュー・ウェーブへの対応、マンネリの打破、バンドの創作能力の底上げ、という一石三鳥を狙ったのかどうかは分かりませんが、抜けたヴォーカルとキーボードの穴埋めに、80年代の音楽シーンに多大な影響を与えることになるMTVが生んだポップ・スターThe Buggles(バグルス)を大胆にも吸収合併。
 シングル"Video Killed The Radio Star(ラジオ・スターの悲劇)"を大ヒットさせていたニュー・ウェーブの旗手とオールド・ウェーブの代表格との合体は当時の音楽シーンにおいて衝撃的とも言えるニュースでしたが、出来上がってきた本作『Drama』(1980年発表)はThe BugglesのTrevor Horn(Vo.トレヴァー・ホーン)、Geoffrey Downes(Key.ジェフ・ダウンズ)の二人が元々YESの熱烈なファンであったため、YESらしさを尊重しながら、The Buggles組の新しい音楽性もバランスよく取り入れる事にも成功した完成度の高い充実した内容。Jon Anderson不在という軽視されがちな時期に発表されたアルバムですが、間違いなくYESを代表する傑作アルバムのひとつです。


1. Machine Messiah
2. White Car
3. Does It Really Happen?
4. Into the Lens
5. Run Through the Light
6. Tempus Fugit

Trevor Horn - Vo.トレヴァー・ホーン *The Buggles
Geoffrey Downes - Key.ジェフ・ダウンズ *The Buggles
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ
Alan White - Dr.アラン・ホワイト

 この人のプロデュース、編集作業がなければ名盤『Close to the Edge(危機)』を始めとする名作群は完成し得なかったのではないかと言われたプロデューサーのEddie Offord(エディ・オフォード)、YES(イエス)の音世界を表現する上で欠かせない要素だった印象的なジャケットを手掛けていたRoger Dean(ロジャー・ディーン)というYES黄金期を支えた重要な人材が2作振りに再集結。Chris Squire(B.クリス・スクワイア)がJon Anderson(ジョン・アンダーソン)がいなくてもYESは続けられると意地を見せた力作に仕上がっています。
 懸念されたヴォーカリストの交代も新加入のTrevor Horn(Vo.トレヴァー・ホーン)がYESのイメージを壊さないようにJon Andersonを意識した歌い方をしていることや、Chris Squireのコーラスとベースが入ると不思議とYESサウンドになる事などから意外と違和感なくYESのサウンドに溶け込んでおり、同じく新加入のGeoffrey Downes(Key.ジェフ・ダウンズ)もRick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン)やPatrick Moraz(Key.パトリック・モラーツ)のようなテクニカルで派手なスター・プレイヤーではないものの、YESへのニュー・ウェーブ・サウンドの導入、楽曲を印象付ける効果的なフレーズ、楽曲に合わせた的確なサウンド作りなど、アルバム制作に多大な貢献をしています。80年代のASIAへの布石ともいえるアイディアやサウンドが垣間見えるのも面白いところ。

 収録曲も、(オープニングはBLACK SABBATH/ブラック・サバスを思わせるような重たいギターリフから始まりますが)従来の楽曲からの延長線上にあるサウンドにThe Buggles(バグルス)風味を加えた"Machine Messiah"、反対にThe Bugglesが持ち込んだ楽曲をYESサウンドで料理した"Into the Lens"(後にThe Bugglesが2ndアルバムで"I Am A Camera"としてリメイクしていますが、出来はコチラの方が数段上)、ニュー・ウェーブ的なサウンドをYESがしっかりと昇華し、アグレッシブなサウンドに仕上げた、YESからニュー・ウェーブ勢への回答ともいえる名曲"Tempus Fugit"など、捨て曲無しと言っても良いほどの名曲、佳作揃い。
 The Buggles組が持ち込んだ、もしくは参加してから作られた曲には(その後もバンドが継続していれば)YESの新たな魅力となりえたサウンドが提示され、それまでのYESでは聴けなかった面白さがあり、旧YES組が用意していた曲も残された3人のメンバーによる力作ばかりで、演奏面に関しても、これまでの制約が取り払われたかのような自由奔放なプレイが繰り広げられており、特にChris SquireとAlan White(Dr.アラン・ホワイト)のリズム隊のコンビネーションは過去最強。過去のYESのサウンドへの拘りを捨てられれば、充分高評価に値する作品になっています。前2作で少なからず感じられたマンネリ感も完全に払拭され、個人的には、少なくとも『Going for the One(究極)』(1977年)、『Tormato』(1978年)に引けを取らない作品に仕上がっているのではないかと思います。(必ずアルバムに何曲か収録されていたJon Anderson趣味のファンタジーな楽曲が本作には1曲も入っていないのも新鮮、且つ好印象。)

 しかし、なかなかの好盤に仕上がり、セールス的にもそこそこ成果を残し、その後のYESの活動への大きな可能性を秘めたアルバムでしたが、後のJon Andersonの復帰によって、本作『Drama』発売時のツアー以降、本作収録曲がライブで演奏されることが無くなったことに加え、YES作品の中で唯一Jon Anderson不在のアルバムということから『Tormato』以上に軽視され、各楽曲、アルバム・トータルでの完成度の高さの割りに、その内容にそぐわない評価しか与えられない不遇のアルバムになってしまったのは残念な限り。
 また、重要なメンバーの交代などからYESと呼ぶには抵抗がある人が多かったと思われ、当然ながら旧YESファンからの批判は強く、元々スタジオでの作業をメインと考えてライブを行わないユニットだったThe Bugglesの、特にTrevor Hornのライブ・パフォーマンスの悪さなどからツアーは失敗に終わり、メンバーはバンド継続の意欲を失い、本作で新たな時代へのサウンド作りに成功しながらも、遂にバンドは自然消滅してしまうことになります。

 この後Trevor Horn(Vo.トレヴァー・ホーン)はプロデュース業に専念して80年代に再始動した(Jon Anderson曰く)90125 YESFrankie Goes To Hollywood(フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド)や自身のプロジェクトThe Art of Noise(アート・オブ・ノイズ)などの数多くのヒット曲を手掛けて一時代を築き、Steve Howe(G.スティーブ・ハウ)とGeoffrey Downes(Key.ジェフ・ダウンズ)は80年代を代表するロック・バンドとなったASIA結成へと向かい、Chris Squire(B.クリス・スクワイア)とAlan White(Dr.アラン・ホワイト)はドラマーのJohn Bonham(ジョン・ボーナム)を失ったLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)のJimmy Page(G.ジミー・ペイジ)等とのバンド結成(XYZ/ex YES ZEP)へ向けてのセッションと挫折(マネージメントの問題とRobert Plant/ロバート・プラントがOKを出さなかったことが原因のようです)等の紆余曲折を経て、ギタリストTrevor Rabin(トレヴァー・ラビン)を迎えての新バンドCINEMA結成とアルバム制作、そしてプロデューサーのTrevor Hornからのアドバイス、及びレーベルからの要請によるJon Anderson(ジョン・アンダーソン)の復帰によりYES再始動という道を辿ることとなります。
 こうした流れを考えると、この時期のバンドの路線、メンバーが、「90125 YES」と「ASIA」という80年代に一世を風靡して大ヒットを連発した産業ロック、3分間プログレ・バンドに繋がっていくことを考えれば、重要なアルバムでもあり、発表当時より後年徐々に評価が高まっていったアルバムでもあります。


■Video Killed The Radio Star(ラジオ・スターの悲劇)

B000J2358Sラジオ・スターの悲劇+3
バグルズ
USMジャパン 2006-12-20



B003A9FMVAドラマ
イエス
ワーナーミュージック・ジャパン 2010-05-26


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2010年05月27日

Tormato/YES (イエス)

B003A9FMV0トーマト
イエス
ワーナーミュージック・ジャパン 2010-05-26

 パンク・ロック、ニュー・ウェーブ、ディスコ・ブーム、AOR、テクノ等の新たな音楽の流行、そして既に後の産業ロックの芽すらも芽生え始めていた1970年代後半、3年ぶりの新作『Going for the One(究極)』(1977年)で、トップ・グループとしての貫禄と意地を見せたYES(イエス)が、その翌年に更に時代との融合を目指して制作した通算9作目(スタジオ録音盤)のアルバム『Tormato(トーマト)』(1978年発表)。
 すでにプログレッシブ・ロック・ブームも久しく、YESの様な大作主義は時代遅れとなり、パンク・ロックやコンパクトでキャッチーな楽曲がもてはやされる音楽シーンに合わせて、前作から見られた楽曲のコンパクト化を更に推し進めて、かなり聴きやすい作品として仕上げられたアルバムです。


1. Future Times/Rejoice
2. Don't Kill the Whale
3. Madrigal
4. Release, Release
5. Arriving UFO
6. Circus of Heaven
7. Onward
8. On the Silent Wings of Freedom

Jon Anderson - Vo.ジョン・アンダーソン
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ
Rick Wakeman - Key.リック・ウェイクマン
Alan White - Dr.アラン・ホワイト

 個人的には、この時期のアルバムとしては、名盤といわれる前作『Going for the One(究極)』より、様々なタイプの個性的な楽曲、YESの新たな可能性を模索して制作された楽曲の面白さ(成功しているかどうかは別として"Release, Release"はYESらしさを残しつつも新たな試みであり、"Arriving UFO"などは新型YESサウンドとして大きな可能性を秘めていた)、そして佳作揃いの上、コンパクトにまとめられた楽曲群の聴きやすさなどから、実は今では『Tormato』を聴く機会の方が多いのですが、アルバムの完成度としては作り込みが甘く、大作主義を捨て時代に迎合しようとしての試行錯誤の中で、メンバーの創作能力、及びモチベーションが著しく低下していることが感じられる作品です。
 オールド・ウェーブと言われながらも人気を維持し続けて、当時はセールス的には成果を残したものの、前作では成功していたセルフ・プロデュースも上手く機能せず、良いのだけれど何か足りない、という中途半端な印象を残す楽曲や、前作以上に楽曲アイディアの焼き直し的な印象を感じさせる部分もあり、これまで水準の高い作品を出し続けてきたYESのアルバムとしては、トータル的に少し寂しい内容であることは否めません。

 これぞYESというサウンドと実にYES的な展開を聴くことが出来る"Future Times/Rejoice"。Jon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)の趣味全開、制作段階でもバンドを強引に引っ張ったであろう"Circus of Heaven"。そしてなんと言っても、YESがこれまで大作主義的な楽曲で創り上げてきたスケール感のある音世界を上手く4分間のポップ・ソングに凝縮することに成功したChris Squire(B.クリス・スクワイア)作の名曲"Onward"。このあたりの楽曲はわりと良く出来ているのではないかと思うのですが、全体的には時代に後れてしまった焦燥感からくる混迷、創作能力とモチベーションの低下による散漫な演奏やアレンジ、セルフ・プロデュースによる主導権争いの激化や音作りの不味さ、全体的なバランスや録音の悪さなど、素性の良い楽曲揃いで可能性は秘めながらも未完、中途半端な完成度といった印象。特に"Arriving UFO"などは惜しい楽曲。UFOというYESが創ってきた音楽としては陳腐(このアルバム発表の前年1977年に映画『スターウォーズ』『未知との遭遇』公開)な題材ながら、この楽曲素材としてはYESの新たな可能性さえ感じさせる様な非常に良い物を持っており、きちんと作り込めばYESを代表する名曲のひとつに育つ素質が充分にあったのではないかと思われ、それを出来なかったバンドの状態を補う良いプロデューサーが付いてさえいれば、と返す返すも残念な楽曲です。そういう意味では佳作揃いの本作『Tormato』自体も、自己主張の強いメンバーに的確な意見が言える良いプロデューサーさえ付いていれば、各メンバーの自分勝手な演奏(音色の選び方からアレンジ面、各楽器のバランスやフレーズなど)で散漫になる事無く、内容的にももっと煮詰められて、少なくとも『Going for the One(究極)』を超える名盤に育つ可能性も充分あったのではないかという素材ではあります。
 また、プログレッシブ・ロック・ファンには時代に迎合したプログレ・ポップとでも言うような内容から一般的に評価が低いアルバムですが、大作主義期のYES、この時期のポップ面を前面に出したYES、と言うように分けて聴く事が出来るかどうか、またYESを聴く人のYESに求めている部分の違いによって評価が分かれるアルバムではないかとも思います。

 個人的には、散々否定的な事を書いてはいますが、(YESの名盤を聴き込んできたからこそ感じる)YESの水準としては作り込みが甘い部分や焼き直し感があるというだけで、流石に数々の名盤をモノにしてきたベテラン・バンドだけあって、それなりの作品にはまとめられており、決して嫌いなアルバムではありません。一般的にも評価され難い、と言うか無視されているに等しいアルバムですが、そういった当時の評価を鵜呑みにして未だに『Tormato』を聴いた事の無い人も、実際に聴いてみると意外に良いアルバムだと思える内容にはなっていると思いますので、機会があったら一度聴いてみることをお勧めします。また、70年代ロックではなく、後の世代、特に80年代のロックに馴染んでいる方、まだ70年代のYESのアルバムを聴いた事がない方などにとっては意外な名盤に聴こえるかもしれません。

 本作発表後のツアーを最後に(正確には次作製作中)、バンド(YES)での活動に限界を感じてソロ活動に光明を見出し始めていたバンドの顔(声)であるJon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)と、本来の居場所はここ(YES)なのに、ついついソロ活動への色気やJon Anderson & Steve Howe/G.スティーブ・ハウ)組との楽曲制作の主導権争いに嫌気が差してしまって、その都度出入りを繰り返すRick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン)が再び脱退。YESはバンド存続の危機に陥ってしまいます。(最後のフレーズはこのアルバムの紹介で良く使われるフレーズなので変えようかとも思いましたが、使ってしまいました。笑)



B003A9FMV0トーマト
イエス
ワーナーミュージック・ジャパン 2010-05-26


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2010年05月20日

Yesterdays/YES (イエス)

B000002J22Yesterdays
Yes
Japanese Import 1994-09-19

 『Relayer』(1974年)発表後の長期に亘るツアー、また、その後の各メンバーのソロアルバムを1枚ずつ発表するという企画等の為、YES(イエス)本体の新作発売の空白期間を埋めるべく1975年に発売した、初期YES作品『Yes(イエス・ファースト・アルバム)』(1969年)、『Time and a Word(時間と言葉)』(1970年)から選曲されたベスト・アルバム『Yesterdays』。
 黄金期のSteve Howe(G.スティーブ・ハウ)、Rick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン)在籍時の代表作『Fragile(こわれもの)』(1971年)、『Close to the Edge(危機)』(1972年)等を聴いてきた人が、初期YESに興味を持った際に手を出すには最適のアルバムです。


1. America
2. Looking Around
3. Time and a Word
4. Sweet Dreams
5. Then
6. Survival
7. Astral Traveller
8. Dear Father

Jon Anderson - Vo.ジョン・アンダーソン
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Bill Bruford - Dr.ビル・ブルフォード
Tony Kaye - Key.トニー・ケイ *Track.2-8
Peter Banks - G.ピーター・バンクス *Track.2-8

Steve Howe - G.スティーブ・ハウ *Track.1
Rick Wakeman - Key.リック・ウェイクマン *Track.1

 1曲目の"America"は、Simon and Garfunkel(サイモンとガーファンクル)のカヴァー曲で、1972年にSteve Howe(G.スティーブ・ハウ)、Rick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン)が参加した、所謂黄金期のメンバーで録音されてシングルとして発表されていますが、シングル発売時は半分以下の長さにカットされており、フル・ヴァージョンはYESのアルバムとしては『Yesterdays』で初収録。(元々はアトランティック・レコードの企画物のアルバムに収録するために録音されていたようです。現在では各種ベスト・アルバム、『Fragile(こわれもの)』のボーナス・トラックなどとして収録されているため、『Yesterdys』でしか聴けない稀少曲という訳ではなくなっています。)
 2曲目以降はYES全盛期前夜のTony Kaye(Key.トニー・ケイ)、Peter Banks(G.ピーター・バンクス)在籍時のメンバーによる録音作『Yes(イエス・ファースト・アルバム)』から"Looking Around"、"Survival"の2曲、『Time and a Word(時間と言葉)』から"Time and a Word"、"Sweet Dreams"、"Then"、"Astral Traveller"の4曲、それに加えてシングルB面曲として発表されていたアルバム未収録の"Dear Father"が収録されています。("Dear Father"は要らなかったかな。他にも良い曲があるのだから、もっと他の曲を入れて欲しかった。)

 YESというと代表作『Fragile(こわれもの)』、『Close to the Edge(危機)』から『Going for the One(究極)』(1977年)あたりまでのアルバムが注目されがちですが、初期YESの時点で全盛期の音楽に繋がる、優れたメロディー・センス、楽曲へのアイディア、高度の演奏能力が既に備わっていた事が良く分かるアルバムです。また、よりシンフォニックな方向へ進んでいこうとするバンドと合わなくなって脱退を余儀なくされるTony Kaye(Key.トニー・ケイ)が、この時期のアート・ロック、サイケデリックでポップな音楽性には、これ以上無いほどフィットしていて、尚且つ中心メンバーとしてバンドを牽引しつつ、当時のバンドの楽曲において、印象的で重要なフレーズを幾つも残していたことが分かるのも面白いところ。
 また、はっきり言って、YESがまだ売れていない頃のアルバムからセレクトされたベスト盤ですが、まだ聴いたことの無いYESファンや初期YESに興味がもてない人も"Looking Around"、"Time and a Word"、"Sweet Dreams"あたりは是非聴いておいて欲しい楽曲。個人的な意見としては(大袈裟ですが・笑)、このページを見てくれている人は多分YESが好き、もしくは興味がある人だと思うのですが、この3曲は聴いておかないと貴方の音楽ライフにおいて大きな損失だと思います。

 このベスト盤については、1st、2ndが好きな人にとっては収録曲の選択に不満が残る部分もあるかもしれません。しかし、楽曲を発表年順、アルバム収録順に配置せず、ベスト・アルバムとはいえ流れをきちんと考慮して並べられた各曲の配置は秀逸。また、現在はCD1枚に続けて収録されていますが、A面にはポップな曲調の楽曲、B面には、後のYESサウンドへの習作ともいえる、実験的、且つ緊張感のある意欲作が収められており、気分によってA面のみ、またはB面、という風に聴き分けられる様にもなっていました。
 但、B面に収録されている楽曲に関しては、(1st、2ndを通して言えることですが)まだバンドとしての表現方法が確立しておらず、良いアイディアを持ちながらも試行錯誤期。表現したいことは沢山あるんだけど形に出来ない、というようなもどかしさを感じる部分もあり、YES全盛期のような音を期待して聴くと、トータル的にはちょっと辛いかな、という印象はあります。

 個人的には、このアルバムを購入してブリティッシュ・ロック然とした音を気に入って、結局は1st、2nd共に揃えてしまったものの、『Yesterdays』の楽曲配置に馴染んでしまって(特に購入当初はA面ばかり聴いていました)、今では初期YESを聴きたくなった時に手が伸びるのは殆どこのアルバム、という事になってしまいました。
 初期YESの楽曲で話題に上る事の多い"Every Little Thing"(The Beatles)などのカヴァー曲は収録されていませんし、他にも良い曲がありますので、このベスト・アルバムが気に入ったら次は『Yes(イエス・ファースト・アルバム)』、『Time and a Word(時間と言葉)』を聴いてみるのも良いかも知れません。


B00007KWI9Yes
Yes
Rhino/Elektra 2003-01-27

1. Beyond and Before
2. I See You
3. Yesterday and Today
4. Looking Around
5. Harold Land
6. Every Little Thing
7. Sweetness
8. Survival


B00007KWHOTime and a Word
Yes
Elektra/Rhino 2003-01-20

1. No Opportunity Necessary, No Experience Needed
2. Then
3. Everydays
4. Sweet Dreams
5. Prophet
6. Clear Days
7. Astral Traveller
8. Time and a Word


B000002J22Yesterdays
Yes
Japanese Import 1994-09-19


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2010年05月15日

Going for the One/YES (イエス)

B00007LTICGoing for the One
Yes
Rhino/Elektra 2003-08-25

 プログレッシブ・ロック・ブームの衰退期にYES(イエス)が新境地を開くべくPatrick Moraz(Key.パトリック・モラーツ)を迎えて制作したジャズ・ロック、フュージョン志向の名盤『Relayer(リレイヤー)』(1974年)。それから3年、時代はパンク・ロック、ディスコ・ブームが吹き荒れ、70年代前半に活躍した大物ロック・バンドは既にオールド・ウェーブと呼ばれて人気凋落の一途を辿る中でYESが発表した『Going for the One(究極)』(1977年)。
 Rick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン/当初はゲスト・ミュージシャン扱いでレコーディングに参加)が復帰して制作された本作は、時代の流れに合わせてか、『1st』から『The Yes Album(サード・アルバム)』の頃に原点回帰したかのような比較的コンパクトにまとめられた楽曲で構成されており、それまでの大作主義的作品の魅力を5分前後に凝縮することにもある程度成功している為、1曲ごとの密度は非常に高く、Jon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)が「YESの最高傑作」と豪語する大作主義の名残"Awaken"など良作揃い。『Close to the Edge(危機)』(1972年)、『Relayer』に次いでYESの代表作として挙げる人の多いアルバムです。


1. Going for the One
2. Turn of the Century
3. Parallels
4. Wonderous Stories
5. Awaken

Jon Anderson - Vo.ジョン・アンダーソン
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ
Rick Wakeman - Key.リック・ウェイクマン
Alan White - Dr.アラン・ホワイト

 人気絶頂期のYES(イエス)というテクニカル集団には、どんな難曲だとしてもアイ・コンタクトで全員が一斉に演奏を始めると、ずれる事無くピッタリ合ってる(実際にはそんなことは無いでしょうけど)、と思わせる様な凄みがあったのですが、本作はAlan White(Dr.アラン・ホワイト)によるカウントに導かれて、YESでは珍しいシンプルなロックン・ロール・スタイルのリラックスしたムードで演奏される"Going for the One"でスタート。イントロ部分こそ意表をつくYES版ロックン・ロールですが、Jon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)の歌声が聞こえ始めたあとは、何処を取っても上質なYESサウンド。重厚なコーラスとYES独特のポップ感覚で上手くまとめられています。続く、Steve Howe/G.スティーブ・ハウ)主導で制作された、実にYESらしい作品"Turn of the Century"、Chris Squire(B.クリス・スクワイア)作の80年代に流行した、所謂「3分間プログレ」への下地が充分に出来上がっていたことを窺わせる"Parallels"、シングルヒットしたJon Andersonワールド全開の"Wonderous Stories"、そしてラストを飾るYESならではの大作"Awaken"(10分過ぎ辺りからの展開、演奏はこれまでのイエスの楽曲の中でも上位に入る名演)。全体的に、YESを代表する名曲とまでは言えないものの、演奏はもちろん、メロディー・ラインも良く、YESの美味しい部分のみでまとめたかの様な内容で、かなりの良作に仕上がっています。
 個人的な感想としては、とにかく手堅くまとめたアルバム、といった感じでしょうか。また、前作から3年というアルバム発売間隔はリスナーを以前、以後に分けられる充分なスパンだと思いますが、かつての名盤の数々を聴き込んできたファンにとっては、物足りない、手堅すぎて面白味が無い、といった感があるものの、『Going for the One(究極)』から聴き始めた人にとっては、かなりの傑作であると映る可能性は高く(実際、最高傑作に本作を上げる人も多い)、そういった意味では、YESを聴きたいという人が最初に手にするには最適のアルバムでもあり、個人的にはロック好きへのオススメは『The Yes Aibum(サード・アルバム)』、その他の人には『Going for the One』と決めていました。(まぁ、今では「イエス聴きたいんだけど、何が良い?」なんて聞いてくる人、居なくなりましたけどね。苦笑)

 そういえば、これまでYESの記事を幾つか書いてきたのに、良く考えると1度も触れていなかった、『Fragile(こわれもの)』から続いていたRoger Dean(ロジャー・ディーン)によるジャケット・デザインが本作からイギリスのデザイン集団Hipgnosis(ヒプノシス)に変わり、イエスらしい幻想的なジャケットから、現代的、且つ抽象的なデザインに変わってしまいました。これは個人的には非常に残念。やはりYESのアルバムは独特な世界観のあるRoger Deanじゃないと。YESを聴きながらジャケットを眺めるという楽しみが減ってしまいました。



B00007LTICGoing for the One
Yes
Rhino/Elektra 2003-08-25


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2010年05月09日

Relayer/YES (イエス)

B00007LTIBRelayer
Yes
Warner Bros. 2003-08-25

 「YES(イエス)であって、YESではない。」としか言い様の無い、これまでのYESからは想像の出来ない、プログレッシブ・ロックというよりはジャズ・ロック、フュージョン系の刺激的なサウンドを聴かせる突然変異的な異色作『Relayer(リレイヤー)』(1974年発表)。しかし、その音や完成度は非常に高く、後年徐々に評価を高め『Close to the Edge(危機)』(1972年)と並んで最高傑作に挙げる人も多い名盤です。
 本作では脱退したRick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン)に替わり、本格的な音楽教育を受けて豊富な音楽知識を持ち、尚且つ、その素養を充分に生かすことの出来るテクニックとセンス、オリジナリティーを併せ持ったスイス人のキーボード・プレイヤーPatrick Moraz(Key.パトリック・モラーツ)が加入。前作『Tales from Topographic Oceans(海洋地形学の物語)』(1973年)で、ある意味手馴れた感じ、悪く言えばマンネリ化しつつあったバンドのサウンドに大きな刺激を与えたアルバムです。


1. The Gates of Delirium
2. Sound Chaser
3. To Be Over

Jon Anderson - Vo.ジョン・アンダーソン
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ
Alan White - Dr.アラン・ホワイト
Patrick Moraz - Key.パトリック・モラーツ

 Chick Corea(チック・コリア)のReturn to Forever(リターン・トゥー・フォーエヴァー)かと見紛うようなジャズ・ロック系のサウンドとYES(イエス)ならではのプログレッシブで華やかなサウンドが融合したアルバム。前作での冗長、長くて退屈などという悪評からの反省から、本作では『Close to the Edge』同様、A面1曲、B面2曲という構成になっています。また、前作までの幻想的なテーマから「戦争と平和」という現実的なテーマに変化しているのも大きな特徴です。

 Jon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)は相変わらず、といった感がありますが、このYES(イエス)の新しいサウンドに一番刺激を受けたのは、やはりSteve Howe(G.スティーブ・ハウ)。バンドの救世主、Patrick Moraz(Key.パトリック・モラーツ)にも少なくない活躍の場を与えつつも、全篇弾きまくっており、多彩なプレイ・スタイルを聴かせてくれています。スティール・ギターの使い方も本作で極まった観あり。尚、本作でSteve Howeのギターの音が妙にペキペキ、パキパキしているのは、メインのギターを愛用のGibson ES-175からFenderのTelecaster(テレキャスター)に替えている為。この変更は、Patrick Morazの煌びやかなサウンドへの対抗上、及び本作での音楽性に合わせて、明るくメリハリのある音色を持つFenderシングル・コイル・ピックアップ搭載ギターを選んだとも言われますが、ロック・ギタリストが必ず手にするStratocaster(ストラトキャスター)ではなく、Telecasterを選択するところが、なんとなくSteve Howeらしい感じがします。
 前任者のBill Bruford(Dr.ビル・ブルフォード)と比較され、これまで分の悪かったAlan White(Dr.アラン・ホワイト)もスタジオ盤2作目とあってバンドに良く馴染み、本作ではいよいよ本領発揮。本作での音楽性に合わせて比較的タイトなベースを弾くChris Squire(B.クリス・スクワイア)との素晴らしいコンビネーションを聴かせてくれます。

 YESの大作主義と御馴染みのイエス・サウンドをPatrick Morazがバンドに持ち込んだジャズ、ラテンなどの要素と煌びやかなシンセサイザー、ローズ・ピアノのサウンドでジャズ・ロック風味に仕上げた"The Gates of Delirium"、初めてこのアルバムを聴いた人は、あまりのインパクトに他の2曲の印象が薄くなってしまうであろう、Patrick Morazの影響を受け、正にジャズ・ロック・バンドと化したYESがハイ・テンションでハードに繰り広げる狂熱のナンバー"Sound Chaser"、前曲での熱い演奏をゆったりとクールダウンさせる隠れた名曲"To Be Over"収録。

 残念ながらPatrick Morazは本作のみでバンドを脱退。Rick Wakeman脱退時と同様、YES在籍中に発表したソロ・アルバム『The Story of I
』の好評と、バンド内の確執が原因といわれています。本作では有効に作用したPatrick Morazの音楽的素養が、バンド内で徐々に傲慢化し、特にJon Andersonとの不仲に繋がったといわれています。どちらが悪い、などとは判断の仕様がないのですが、この確執はかなり根深い様で、1990年代に集合、離散、再編成を繰り返してきたYESにあって、唯一呼んで貰えなかった、ということでも分かります。(Patrick Morazが既にYESに対して興味が無かっただけかもしれませんが。)
 面白いのは、脱退後からYESの音楽に酷評を続けていたBill Brufordが本作を絶賛し、後にPatrick Morazとのユニットを結成して『Music for Piano and Drums
』(1983年)を発表していること。流石プログレ界は人事異動が忙しいですね。


B000001F4EPrivate Collection
Jon & Vangelis
Universal International 1990-10-25

 Patrick Moraz加入前、新たなキーボード・プレイヤー候補に挙がっていたVangelis(ヴァンゲリス)とJon Anderson(ジョン・アンダーソン)が組んだユニットJon and Vangelis(ジョン・アンド・ヴァンゲリス)が1983年に発表した代表作。


B0000072BDThe Story of I
Patrick Moraz
Virgin 1998-06-30


B00007LTIBRelayer
Yes
Warner Bros. 2003-08-25


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2010年05月05日

Tales from Topographic Oceans/YES (イエス)

B00007LTIATales from Topographic Oceans
Yes
Rhino/Elektra 2003-08-25

 ロック史上に輝く奇跡のアルバム『Close to the Edge(危機)』(1972年)でバンドとしてひとつの大きな到達点に達したYES(イエス)が、それまでの活動を総括したかのようなライブ・アルバム『Yessongs』(1973年)を経て、新たなYesの音世界の構築を目指して制作した通算7作目のアルバム『Tales from Topographic Oceans(海洋地形学の物語)』(1973年発表)。
 ヒンドゥー教の経典「あるヨギの自叙伝」からインスピレーションを得たJon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)がSteve Howe(G.スティーブ・ハウ)と共にバンドを牽引しながら創り上げた本作は『Close to the Edge』から更に大作主義を推し進めたLP2枚組、各面1曲全4曲という超大作。YESのテクニカルな演奏、重厚なアレンジ、ポップ感溢れるメロディーラインなど、イエスの音楽の美味しい部分が合計約80分間の中に満載された至福のアルバムです。


1. The Revealing Science Of God/Dance Of The Dawn
2. The Remembering/High The Memory
3. The Ancient/Giants Under The Sun
4. Ritual/Nous Sommes Du Soleil

Jon Anderson - Vo.ジョン・アンダーソン
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ
Rick Wakeman - Key.リック・ウェイクマン
Alan White - Dr.アラン・ホワイト

 それまでの経験で得たノウハウとアイディア、そして豊富なメロディのストックでYES(イエス)の集大成的作品と創り上げようとしたJon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)とSteve Howe(G.スティーブ・ハウ)の野心作。
 個人的には(一番では無いにしても)結構気に入っている本作ですが、正直に言うとお勉強が必要なアルバムです。まず、一般的に代表作と言われる『Close to the Edge』を気に入った人がすぐ次に聴くアルバムではありませんし、ましてや初めてYES(イエス)やプログレッシブ・ロックを聴く人が購入すべきアルバムでもありません。『Close to the Edge(危機)』(1972年)や『The Yes Album(サード・アルバム)』(1971年)、『Fragile(こわれもの)』(1972年)を聴きつくした後に購入して、尚且つ、ある程度聴き込んで始めてその魅力が体に染み込んでくるアルバムです。
(ちょっと大袈裟ですね。しかし、『Close to the Edge - 危機/1972年』と『Relayer - リレイヤー/1974年』に挟まれているのはアルバムの印象や評価的にキツイところ。)

 全体的な印象としては、『Close to the Edge』に較べるとその制作のコンセプトの違いから、『Close to the Edge』での緊張感のある演奏とは一転した、ゆったりとしたスケール感のある演奏を繰り広げています。その為『Close to the Edge』に慣れた耳では、悪く言えば冗長、緩い演奏とも言え、この辺が賛否両論、失敗作などといわれる所以でもありますが、その反面、Yesの良い部分も悪い部分も含めた集大成的な内容でもあり、否定的な意見が多い中で好きなアルバムのひとつにあげる人も意外に多いアルバムでもあります。
 各曲の印象としては、1曲目の"The Revealing Science Of God/Dance Of The Dawn"、4曲目の"Ritual/Nous Sommes Du Soleil"は楽曲、構成ともに割と良く出来ているのですが、2曲目"The Remembering/High The Memory"と3曲目の"The Ancient/Giants Under The Sun"に関して言えば、素材も良く、楽曲パーツも優れたものが多く収められているものの、冗長とも感じられる部分も多々あり、10分程度に凝縮して、アルバム全体をトータル60分ぐらいにまとめておけばアルバム全体の印象もかなり違ったものになったと思われ、アルバム2枚組、各面1曲合計4曲ということにバンド(というかJon Anderson/Vo.ジョン・アンダーソンとSteve Howe/G.スティーブ・ハウ)が拘り過ぎた弊害であり、非常に惜しい部分ではあります。まぁ、2曲目"The Remembering/High The Memory"、3曲目"The Ancient/Giants Under The Sun"に関してはYES上級者(?)向け、という事にしておきましょう。

 一般的な評価は低いものの、個人的には冒頭にも書いたように結構好きなアルバム。YESを聴きたくなった時にその時の気分で選ぶ選択肢の中によく入ってくる、(決して一番好きなアルバムにはならないものの)BGMに良し、ヒーリング・ミュージック的な聴き方も良し、聴き込めば充実した高度な演奏で楽しめる、楽曲も悪くない、という便利なアルバムです。例えば(例えは悪いのですが)寝る前に『Close to the Edge』を聴き始めると聴き込んでしまって目が冴えてしまうのですが、『Tales from Topographic Oceans』の方は気持ち良く寝させてくれるという(しかし"Ritual/Nous Sommes Du Soleil"のAlan White/Dr.アラン・ホワイトのドラム・ソロで目が覚めてしまうことも。楽曲のアクセントにはなっているものの、良い出来とも思えず、この曲ではこの部分が余分。)、YESのアルバムの中では特に気軽に聴けるアルバムです。

 Jon AndersonとSteve Howe主導の楽曲制作、難解な世界観と極端な大作主義に嫌気が差したRick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン)が本作を最後に脱退してしまいますが、本作制作中も、(最低限のやるべきことはやっていますが)本来キーボードが埋めるべきパートをギターが代用しているようなところもあり、Rick Wakemanのヤル気の無さが垣間見られ(ソロ・アルバム用に美味しいフレーズを出し惜しみしていた、という説もあり)、『Close to the Edge』に較べると、かなり影の薄い存在になっています。Bill Bruford(Dr.ビル・ブラッフォード)の脱退、Rick Wakemanの消極的なアルバム制作への参加などにより、鬩ぎあう楽器が減ったことにより緊張感がなくなった事が(反面Steve Howeは伸び伸びとギターを弾きまくっていて、なかなか好印象)、聴きやすいアルバムに仕上がった要因のひとつではないかとも思います。(しかし、そこが聴く人の好みによっては本作の評価が低い原因にもなります。)


B00007LTI9Close to the Edge
Yes
WEA Japan 2003-08-25

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2010年05月04日

Close to the Edge/YES (イエス)

B00007LTI9Close to the Edge
Yes
WEA Japan 2003-08-25

 YES(イエス)が創り上げたロック史上に輝く歴史的名盤『Close to the Edge(危機)』。LPでA面1曲、B面2曲という大作志向ながら、圧倒的な完成度と展開で最後まで聴く者を飽きさせず、緊張感を保ちながら一気に聴かせてしまうアルバムです。プログレッシブ・ロックというジャンルを超えた、全てのロック・ファン必聴のYESの最高傑作。(1972年発表)


1. Close To The Edge
  - (i)The Solid Time Of Change(ii)Total Mass Retain
    (iii)I Get Up, I Get Down(iv)Seasons Of A Man
2. And You And I
  - (i)Cord Of Life(ii)Eclipse(iii)The Preacher, The Teacher
    (iv)Apocalypse
3. Siberian Khatru

Jon Anderson - Vo.ジョン・アンダーソン
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Bill Bruford - Dr.ビル・ブルフォード
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ
Rick Wakeman - Key.リック・ウェイクマン

 捨て曲なし。と言っても全3曲ですが(笑)、楽曲の出来、演奏、構成など、どこを取っても素晴らしい。同じメンバーでどれだけ頑張っても、2度と同じレベルのものを作ることは不可能であろう奇跡の1枚です。(実際、これを超えるアルバムは作れなかったわけですが。しかもBill Bruford/Dr.ビル・ブルフォードは本作を最後に脱退。)
 個人的にこのアルバムの凄さを語るとすれば、なんと言っても各曲の長さが納得できるというところ(特にタイトル曲の"Close to the Edge"は19分弱。)。無駄な部分が一切無く、この楽曲を表現するにはこれ以上長くても短くてもいけない、という完璧な収録時間。長い演奏時間を決して冗長になる事無く、アルバムの最後まで高いクオリティと緊張感を持続させて聴く者を全く退屈させない、ということを見事にやり遂げてしまった驚異のアルバムです。

 目眩く展開する楽曲構成とメリハリのある高度な演奏、そして美しいメロディ・ラインと華麗なコーラス・ワークで聴く者を圧倒するタイトル曲"Close To The Edge"、ドラマティックな演奏で聴かせる"And You And I"、YESならではのダイナミックさと緻密な構成をもった躍動感溢れるロック・ナンバー"Siberian Khatru"収録。最初は曲の長さや凝った曲構成に馴染めなくとも、アルバムの全貌が掴めた途端に一生もののアルバムになる筈です。



B00007KWHNThe Yes Album
Yes
Rhino/Elektra 2003-01-27

B00007KWHPFragile
Yes
Rhino 2003-02-03

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2010年04月27日

Fragile/YES (イエス)

B00007KWHPFragile
Yes
Rhino 2003-02-03

 新たなメンバーにキーボードのRick Wakeman(リック・ウェイクマン)を加えてテクニック、表現力を大幅に強化したYES(イエス)が1971年に発表した4th Album『Fragile(こわれもの)』。次作『Close to the Edge(危機)』(1972年)と並ぶYESの代表作。
 前作の『The Yes Album(サード・アルバム)』(1971年)では、キーボードのTony Kaye(トニー・ケイ)がバンドの目指す音楽と自らの音楽の資質があまりにも違うため、楽曲を完成させるためにキーボード・パートを埋めていっただけ、というような殆ど見せ場の無い地味なプレイに終始していましたが、本作ではテクニック、アイディア、シンセサイザーや新たなテクノロジーへの適応能力など、大きな可能性を持ったRick Wakemanという、当時のYESにとってまたとない人材を得ることによってバンドの音楽の水準を一気に高めることに成功した完成度の高いアルバムです。


1. Roundabout
2. Cans and Brahms
3. We Have Heaven
4. South Side of the Sky
5. Five Per Cent of Nothing
6. Long Distance Runaround
7. Fish (Schindleria Praematurus)
8. Mood for a Day
9. Heart of the Sunrise

Jon Anderson - Vo.ジョン・アンダーソン
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Bill Bruford - Dr.ビル・ブルフォード
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ
Rick Wakeman - Key.リック・ウェイクマン

 収録曲はシングル・ヒットにもなった"Roundabout"と"South Side of the Sky"、"Long Distance Runaround"、"Heart of the Sunrise"の4曲に、Rick Wakemanのソロ、前作に続いて本作でも披露されたSteve Howe(G.スティーブ・ハウ)のアコースティック・ギターによるスパニッシュ風ソロ・ギター、Jon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)、Chris Squire(B.クリス・スクワイア)、Bill Bruford(Dr.ビル・ブラッフォード)の前衛的なソロ作品がそれぞれ各1曲ずつという全9曲。各メンバーのソロ作品5曲がメインの4曲の間に程よいアクセントとしてバランスよく収録されています。(小品ながらソロ作品5曲も聴き応えあり。)

 この時期のYES(イエス)の凄いところは、ギター、ベース、ドラム、キーボードと楽器演奏者4人が自らのプレイを派手に主張したいメンバーばかりになったのにも拘らず(Jon Anderson/Vo.ジョン・アンダーソンは壮大な音の流れの中で美しくポップなメロディーを気持ちよく歌えれば満足だったのではないか)、それ故の緊張感の上で崩壊することなく絶妙なバランスを保ち、全体的に見るとまとまっているという奇跡的な演奏を行っているところ。実際、各楽器別に聴いてみるとどの楽器も壮絶なプレイを繰り広げていることが分かります。
 余談ですが、Rick Wakemanの加入によりSteve Howeが突出して前に出ることが減り、Steve Howeのリズム感の悪さが若干でも緩和されて聴こえるところも、同じメロディー&コード楽器のキーボードにSteve Howeと張り合えるRick Wakemanが加入した効能。個人的にはSteve Howeのずれ方は味というところまで昇華されていると思うのですが、聴く人によっては高度なテクニックを持ちながらも「ヘタウマ」と表現されてしまう原因のひとつでもあります。
(実はRick Wakeman自体もあまりリズム感は良くない。ライブなどではドラマーのBill Brufordは制約が多くてかなり苦労したのではないか?Chris Squirも色々煩そうだし。後に、プレイする上でより自由度が高く、プログレ界ではイエスより格上と評されるKING CRIMSON/キング・クリムゾンに行ったのはそのせいだったりして。)



B00007KWHNThe Yes Album
Yes
Rhino/Elektra 2003-01-27

B00007LTI9Close to the Edge
Yes
WEA Japan 2003-08-25

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2010年04月25日

The Yes Album/YES (イエス)

B00007KWHNThe Yes Album
Yes
Rhino/Elektra 2003-01-27

 デビューから2作目まで、後の大型バンドへの要素は垣間見せつつも、アート・ロック、サイケデリックな作品で、どちらかと言えばポップ・グループといった感の強かったYES(イエス)から、バンドの方向性に合わなくなってきたギタリストのPeter Banks(ピーター・バンクス)が脱退し、よりシンフォニックなサウンドを目指すようになっていくバンドの要求に応えるだけでなく、その後のバンドの楽曲制作においても大きな存在となるSteve Howe(スティーヴ・ハウ)が新たに加入。哲学的、あるいは独特な世界観を持った楽曲をテクニカルで壮大な演奏で構成し、Jon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)のハイトーンヴォーカルが奏でるポップ且つ美しいメロディー・ラインを乗せるというバンドの狙いが見事に昇華された、後の代表作『Fragile(こわれもの)』(1971年)、『Close to the Edge(危機)』(1972年)への序章、『The Yes Album(サード・アルバム)』(1971年発表)。


1. Yours Is No Disgrace
2. Clap
3. Starship Trooper
4. I've Seen All Good People
5. Venture
6. Perpetual Change

Jon Anderson - Vo.ジョン・アンダーソン
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Bill Bruford - Dr.ビル・ブルフォード
Tony Kaye - Key.トニー・ケイ
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ

 ロックギターの範疇に収まらない様々なジャンルの音楽、奏法を駆使しバンドにカラフルな彩を与える事に成功したSteve Howe(スティーヴ・ハウ)のギターを加えることによってバンドの表現力は大幅に広がり、本作から導入された組曲形式の大作(とは言っても後の『Close to the Edge』、『Tales from Topographic Oceans/海洋地形学の物語』に収録された楽曲のように20分近いものはない)もリスナーを飽きさせずに最後までしっかり聞かせる密度の高い内容に仕上げられており、アルバム・タイトルからも感じられるように新生YESのデビューアルバムともいえるアルバムです。
 Jon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)がハイトーンで奏でるポップなメロディーライン。ルート音に拘らないコード感を重視したベースラインでバンドを牽引するChris Squire(B.クリス・スクワイア)。或る時は重厚かつダイナミックに、或る時は疾走感溢れるプレイでバンドに彩を加えるキーボード(本作ではTony Kaye -トニー・ケイ、次作からはRick Wakeman - リック・ウェイクマンに交代)。チューニングのピッチが高いスネアの独特のサウンドで緻密でテクニカルなリズムを刻むBill Bruford(Dr.ビル・ブラッフォード)。多彩なギタープレイを聴かせる
Steve Howe(G.スティーブ・ハウ)。YESならではの世界観のある楽曲群とその後のバンドのスタイルが荒削りながらもほぼ完成しており、一般的には代表作といわれる『Fragile』、『Close to the Edge』に較べると知名度的には低いアルバムですが、収録曲の半分以上がYESのライブの定番曲となっているだけあって楽曲の出来も良く、演奏面でもYESの美味しい部分の要素が凝縮されている事などから代表作2作と並ぶ名盤ではないかと思います。また、適度にポップ、ロック寄りな楽曲群は、後のYESの難解な部分は殆ど無く(聴き込むと色々詰め込んではありますが)、プログレ・ファン以外のリスナーにも聞きやすく、YES及びプログレ初心者には代表作2作ではなく、この『The Yes Album』から聴いた方が良いかもしれない、と思ったりもします。(好みによっては『Going to the One(究極)』も良いかも。)

 ライブでの定番曲"Yours Is No Disgrace"、"Starship Trooper"、"I've Seen All Good People"、"Perpetual Change"、新加入ギタリストSteve Howeが挨拶代わりにアコースティック・ギターでの超絶テクニックを披露する"Clap"、このアルバムを最後にバンドを脱退するTony Kaye(Key.トニー・ケイ)のピアノをフューチャーした"Venture"収録。



B00007KWHPFragile
Yes
Rhino 2003-02-03

B00007LTI9Close to the Edge
Yes
WEA Japan 2003-08-25

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2005年03月24日

Yessongs/YES (イエス)


Yes Songs
Yes
Yesshows The Yes Album [Bonus Tracks]

 名作『Close to the Edge(1972)』発表後行われた1972年のコンサート・ツアーを収録したYES(イエス)にとっての初のライヴ・アルバム(1973年発表)。当時のYESの代表曲が数多く収録されています。

DISC 1
1.Opening (Excerpt From 'Firebird Suite')
2.Siberian Khatru
3.Heart Of The Sunrise
4.Perpetual Change
5.And You And I: A. Cord Of Life/B. Eclipse/C. The Preacher The Teacher/D. The Apocalypse
6.Mood For A Day
7.Excerpts From 'The Six Wives Of Henry VIII'
8.Roundabout

DISC 2
1.I've Seen All Good People: A. Your Move/B. All Good People
2.Long Distance Runaround-The Fish (Schindleria Praematurus)
3.Close To The Edge: A. The Solid Time Of Change/B. Total Mass Retain/C. I Get Up I Get Down/D. Seasons Of Man
4.Yours Is No Disgrace
5.Starship Trooper: A. Life Seeker/B. Dilillusion/C. Wurm

Jon Anderson- vocals (ジョン・アンダーソン)
Bill Bruford- drums & percussion on "Long Distance Runaround", "The Fish", and "Perpetual Change" (ビル・ブラッフォード)
Steve Howe- guitars, vocals (スティーブ・ハウ)
Chris Squire- bass & vocals (クリス・スクワイア)
Rick Wakeman- keyboards (リック・ウエイクマン)
Alan White- drums and percussion except for tracks listed above (アラン・ホワイト)

Yes.jpg YES(イエス)のトレードマークでもあるJon Anderson(Vo.ジョン・アンダースン)の澄んだハイトーン・ヴォ−カル、Steve Howe(G.スティーブ・ハウ)の華麗なギターワーク、Rick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン)の壮大なシンセサイザー・サウンド、重低音のリフと最高音の声でバンドを引っ張るChris Squire(B.クリス・スクワイア)、Alan White(Dr.アラン・ホワイト)のハードなドラミング。そして変拍子でスリリングなBill Bruford(Dr.ビル・ブラッフォード、Disc1-4,Disc2-2収録)。楽曲のよさはもちろん、各メンバーの驚異的なテクニック、曲の構成の巧みさ、そして演奏のテンションの高さなど、当時のロック・シーンにおいて最高峰のライブです。

 本来ならBill Brufordのドラムで聴きたいところですが、脱退後のツアーからの収録がメインになっているため、Bill Brufordのドラムは2曲のみ。他の曲はメンバーから強引に加入を迫られ、3日だか1週間だかでバンドの曲を覚えてツアーに出たという新加入のAlan Whiteによるもの。
 いろいろと賛否両論のAlan Whiteですが、流石に大曲の"Close to the Edge"などではドタバタと曲をぶち壊してくれてはいますが、『The Yes Album(サード・アルバム)』等の収録曲などではハード・ロック化したYESを聴くことが出来たりと、なかなか面白い部分も多々あり、個人的には賛の方です。

 YES(イエス)というバンドはプログレッシブ・ロックのバンドの中でもかなりポップな音楽性を持ったバンドですが、その割には作る曲は大作志向で(上手く噛みあえば名曲、名演が生まれますが、一旦外してしまうとパート単位では良いのにズルズルと長い曲を聴かされてしまうこともあり)、テクニック的にも歴代の各メンバーが高度な技術を持っており、スタジオ盤で作りこまれた複雑な構成の曲をライブでも余裕で再現してしまう凄さをもつ、ポップ感と高度な演奏テクニックが上手く融合されたスケール感のある独特の音世界を創り上げたバンドです。
 但し、元々YESをジャズ・バンドにしたかったというBill Brufordにとっては、自由度が低く、ほとんどインプロヴィゼーションを入れない(各メンバーのソロ・パートは追加されているが、スタジオ・ヴァージョンを元にしてバンド一丸となったインプロヴィゼーション合戦を繰り広げるというような部分は殆ど無い)ライブ構成が好みで無いのか、それとも物足りないのか.....。この辺が常にBill BrufordがKING CRIMSONキング・クリムゾン)を優先してしまう原因のひとつかもしれません。)


Close to the Edge [Bonus Tracks]
Yes
Fragile [Bonus Tracks] Going for the One [Bonus Tracks] Relayer [Bonus Tracks] Tales from Topographic Oceans [Bonus Tracks] The Yes Album [Bonus Tracks]


イエス/ライブ・イン・フィラデルフィア 1979
イエス
Yes / Yessongs / (Ac3) キーズ・トゥ・アセンション イエススピーク ハウス・オブ・イエス Yes Acoustic

[YES DISCOGRAPHY]
Yes, 1969
Time and a Word, 1970
The Yes Album, 1971
Fragile, 1972
Close to the Edge, 1972
Yessongs, 1973
Tales from Topographic Oceans, 1973
Relayer, 1974
Yesterdays, 1974
Going for the One, 1977
Tormato, 1978
Drama, 1980
Yesshows, 1980
Classic Yes, 1981
90125, 1983
9012Live: The Solos, 1985
Big Generator, 1987
(ABWH) Anderson Bruford Wakeman Howe, 1989
Union, 1991
YesYears, 1991
Yesstory, 1992
Highlights—The Very Best of Yes, 1993
(ABWH) An Evening of Yes Music Plus, 1993
Talk, 1994
Keys to Ascension, 1996
Keys to Ascension 2, 1997
Keys to Ascension Volume 1 & 2, 1997
Open Your Eyes, 1997
Something's Coming/Beyond and Before, 1997 (a.k.a. Radio Album)
The Ladder, 1999
The Masterworks—Mix Your Own CD, 2000
House of Yes—Live From The House of Blues, 2000
The Best of, 2000
Keystudio, 2001
Magnification, 2001
In a Word: Yes (1969- ), 2002
Yes Remixes, 2003
The Ultimate Yes—35th Anniversary Collection, 2003/2004

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