September 30, 2006
The Slider/T.REX (T・レックス)
![]() | The Slider T. Rex Rhino/WEA 2005-11-08 |
[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
[試聴]iTunes Music Store - T.REX
1971年に発表した、大ヒット曲"Get It On (Bang A Gong) "を収録する2ndアルバム『Electric Warrior(電気の武者)』でDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)と共に1970年代のイギリスにグラム・ロック・ブームを巻き起こしたMarc Bolan(マーク・ボラン)率いるT.REX(T・レックス)が、1970年のシングル"Hot Love"以降、9曲連続トップ・テン・ヒットを飛ばしてポップ・スターとしての人気を極めた1972年に発表した『The Slider(ザ・スライダー)』。
派手なファッションやメイクなどのきらびやかなイメージとMarc Bolanの持って生まれたスター性、前作で確立したT.REX独特のボラン・ブギーとしか言い様の無いリズム、そしてプロデューサーのTony Visconti(トニー・ヴィスコンティ)によって施された意識的に崩されたアレンジと安っぽい人工的なサウンド。それらの要素が一つになってT.REX独自の音楽世界を作り上げています。また、曲調に合わせて感覚的に付けられた、あまり意味を持たないMarc Bolanによる造語のような楽曲タイトルもユニークです。
1. Metal Guru
2. Mystic Lady
3. Rock On
4. Slider
5. Baby Boomerang
6. Spaceball Ricohet
7. Buick Mackane
8. Telegram Sam
9. Rabbit Fighter
10. Baby Strange
11. Ballrooms of Mars
12. Chariot Choogle
13. Main Man
14. Cadilac
15. Thunderwig
Marc Bolan :vo,g (マーク・ボラン)
Mickey Finn :per (ミッキー・フィン)
Steve Currie :b (スティーブ・カーリー)
Bill Legend :dr (ビル・レジェンド)
T.REX(T・レックス)は1967年にMarc Bolan(vo,g.マーク・ボラン)がSteve Peregrine Took(per.スティーヴ・トゥック)と組んだ風変わりなフォーク・ソングでイギリスのアンダーグラウンドの音楽シーンで人気を集めたTyrannosaurus Rex(ティラノザウルス・レックス)が前身。1970年にエレクトリック・サウンドを導入して、相棒をMickey Finn(per,b.ミッキー・フィン)に代えると共にバンド名も省略してT.REXに改名。きらびやかでグラマラスなイメージで一躍トップ・スターの仲間入りを果たします。しかし、1972年をピークにグラム・ロック・ブームは徐々に衰退、T.REXの人気も1974年を境に凋落。元々David Bowie(デヴィッド・ボウイ)程の音楽的素養も持たず、初期のヒット・シングル以降も音楽的発展を見る事無く、人気絶頂期のみに許されたワン・パターンから脱却することも出来ず、試行錯誤しながらも戦略的に上手く方向転換してスターとして存在し続けることに成功したDavid Bowieとは明暗を分けることとなります。
その後、1977年にマンチェスターのグラナダTVの音楽番組「MARC」で司会を担当することにより再び注目を集めますが、全6回の放送が終了する前の9月16日に愛人Gloria Jones(グロリア・ジョーンズ)が運転する愛車ミニ・クーパーでの事故により還らぬ人となってしまいます。生前に「30歳の誕生日を迎える前に魔女に導かれ体が粉々になって死ぬ」と語っていた通り、30歳の誕生日を2週間後に控えた死でした。既に収録済みだった「MARC」の最終回はMarc Bolanの没後9月28日放送され、そこにはDavid Bowieとの共演ステージが収録されています。(David Bowieとの演奏終了後、Marc Bolanがステージの縁に躓いて転びそうになってしまうアクシデントもあったようです。)
スターとしての絶大なる人気、そしてその人生ともに比類なき華やかさを持ちながらも正に太く短く。グラム・ロックのスターを演じていたDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)に対して、Marc Bolan(マーク・ボラン)はその存在自体がグラム・ロックそのものであり、その音楽はMarc Bolanの死後も数年おきに再評価されてT.REX(T・レックス)の名前が表舞台に現れることから分かるように未だに新しさを感じさせ、音楽的な面だけでなくロック・バンドの見せ方などのイメージ戦略的な部分でも後世のロック・ミュージシャンに与えた影響は計り知れません。
■Electric Warrior/T.REX 1971
![]() | Electric Warrior T. Rex Rhino 2003-02-25 |
[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
唯一アメリカでヒットを記録したシングル"Bang a Gong (Get It On) "を収録したの2ndアルバム。『The Slider(スライダー)』と並ぶT.REX(T・レックス)の代表作です。Marc Bolan(vo,g.マーク・ボラン)が自らの音楽性を確立してトップ・バンドへと駆け上がって行く時期の勢いのある演奏が収められています。
実は記事のトップに掲載するアルバムを『Electric Warrior(電気の武者)』と『The Slider』の何れにするか迷ったのですが、Rigo Starr(リンゴ・スター)によって撮影された写真を使用した『The Slider』のジャケットの方が格好良かったので。。。。(Tony Visconti(トニー・ヴィスコンティ)の撮影によるものという説もあり。)
一般的には『Electric Warrior』がT.REXの代表作としてあげられることが多いかもしれません。^^♪
1. Mambo Sun
2. Cosmic Dancer
3. Jeepster
4. Monolith
5. Lean Woman Blues
6. Bang a Gong (Get It On)
7. Planet Queen
8. Girl
9. Motivator
10. Life's a Gas
11. Rip Off
![]() | 20th Century Boy: Ultimate Coll (Dig) Marc Bolan T Rex Hip-O Records 2002-08-20 |
T.REX(T・レックス)のポップ・スターとしての本質的な部分を考えると、代表作として挙げるべきは『Electric Warrior(電気の武者)』と『The Slider(スライダー)』ではなく、一連のシングル・ヒット曲をまとめて聴くことが可能である上記のようなベスト盤ではないかと思います。
■ボーン・トゥ・ブギー/T.レックス [DVD]
![]() | ボーン・トゥ・ブギー T.レックス テイチクエンタテインメント 2005-06-01 |
上記DVDには1972年にウェンブリーで行ったT.REXのライブ映像などが収録されており、「The Beatles(ザ・ビートルズ)の次はT.REXだ」とばかりにMarc Bolan(マーク・ボラン)と蜜月関係にあった元The BeatlesのRingo Starr(リンゴ・スター)のT.REXへのバック・アップが良く分かる作品にもなっています。
- by axis_009
- at 18:48
- Comments (12)
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comments
TBどうもです。個人的にT-REXと言えば、グラム全盛期の頃よりも後期の方が好きなんですけど、やっぱりこの一枚は絶対に外せませんよね。
グラム特有の妖しさとポピュラリティが絶妙なバランスで整合されていて素晴らしいです。
T.REX、大好きです。
意外とアメリカでは売れてなかったみたいですね。そうだったのか。
ゲット・イット・オンはパワー・ステーションのカヴァーを先に聞いて、それから元歌をということでT.REXを聞きました。ベスト盤が代表作、というのは賛成です。僕も何枚か持ってますが、一番よく聞くのはベスト盤です。(僕が持ってるのは記事で紹介されているのとは違うやつですが。色々なベスト版が出てますね。)
スライダーは僕が初めて買ったLPです。カット盤でしたが。
リンゴが写した写真、何か凄く良いですよね。最近やったNHK-BSの番組で紹介されていたボランの生前の写真はリンゴとの2ショットが多かったです。よほど仲が良かったのですね。
ボランが亡くなった時に乗っていた車が「ミニクーパー」と言われ、それをキッカケにミニクーパーに乗る人もいるようですが、ボランが乗っていたのは「BL mini 1275GT」というミニでも結構ゴツイタイプのものです。しかもクーパーのアレンジはされていません。雑学ですが・・・。
>リンゴが写した写真
実は記事をアップした後、色々HPなどを読んで回ってたんですが、実際にはリンゴではなくトニー・ヴィスコンティが撮った、という話もあるようです。なんか色々と作られた逸話の多そうなマーク・ボランですから、充分ありえる話ですね。
またまたこんばんは(^^)。
リンク貼らせていただきました。
これからも、どうぞよろしくお願いします。
それで、ヴァン・ヘイレンの記事を書いたのですが、やはりTBできませんでした(^^;)。事後報告で申し訳ないのですが、axis_009 さんのブログを勝手に紹介させてもらいました。すみません(^^;)。もし、よかったらまた遊びに来てください。では、また(^^)。
>波野井露楠さん
ブログでのご紹介、ありがとうございます。早速読ませていただきました。^^♪
今後ともよろしくお願いします。
*どうもブログ間の相性が悪いようですね。^^;
これに懲りずに今後ともよろしくお願いします。^^♪
TBありがとうございます。ブログっていろんなところに開いた扉なんだなとびっくりしてます。私の記憶もまんざらじゃなかったなと、記事を楽しく読ませていただきました。Lちゃんにも読ませて差し上げます(笑)
T-Rex、懐かしいです。今でも無性に聞きたくなるときがあります。デヴィッド・ボウイほど計算が出来ないところが儚いアイドルらしいアイドルではないかと思っています。
本当に「太く短く」という言葉が似合うスターでしたね。
>>アイドルらしいアイドル
同感です。個人的にはT-REXはロック・ミュージシャンというより、ベイ・シティ・ローラーズの一つ前のイギリスのアイドル・グループという感覚があります。
正確なよいレビューですね。それも、マークの誕生日に書いてらっしゃる。
リンク貼らせていただきました。どうもありがとうございます。
>>マークの誕生日
そうでしたか。いや、全くの偶然なんですよ。9月30日だったんですね、マーク・ボランの誕生日。生きてたら今何歳ぐらいになるのかなぁ。そろそろ還暦かな?
マーク・ボランは1947年生まれで、生きていれば今年60才になるはずでした。亡くなったのが30才を迎える直前の1977年だったので、今年は生誕60年、没後30年の記念の年。9月には記念行事があちこちで予定されてます。行きたーい。