2008年04月11日
Walkin'/MILES DAVIS ALL STARS (マイルス・デイヴィス)
![]() | Walkin' Miles Davis Universal Japan 2006-06-13 |
[試聴]iTunes Music Store - Walkin'
Miles Davis(tp.マイルス・デイヴィス)を始めとする黒人ミュージシャンのホットでハードな演奏が、白人ミュージシャン主導のクール・ジャズが主流の当時のジャズ・シーンに受け入られず、数々の名演を残しながらも送った不遇の1950年代初頭。本作『The Miles Davis All Stars: Walkin'』は、その後黒人ミュージシャン達の演奏が徐々にシーンに浸透して人気を確立、本来黒人のものであったジャズの覇権を取り戻し、Miles Davis自らもドラック渦を克服して1954年に発表したジャズ・シーンへの完全復活作。
また、このアルバムが発表された1954年はArt Blakey(ds.アート・ブレイキー)、Clifford Brown(tp.クリフォード・ブラウン
) & Max Roach(ds.マックス・ローチ)の双頭コンボ等の優れた作品が発表され、ハード・バップというジャズの新しい時代が遂に到来した記念すべき年でもあります。
1. Walkin'
2. Blue 'N' Boogie
3. Solar
4. You Don't Know What Love Is
5. Love Me or Leave Me
Miles Davis -trumpet (マイルス・デイヴィス)
J.J.Johnson -Trombone (J.J.ジョンソン) Trk.1,2
Lucky Thompson -tenor sax (ラッキー・トンプソン) Trk.3-5
Dave Sildkraut -alt sax (デイヴ・シルドクラウト) Trk.1,2
Horace Silver -piano (ホレス・シルバー)
Parcy Heath -bass (パーシー・ヒース)
Kenny Clarke -drums (ケニー・クラーク)
*trk.1,2 - 1954年4月29日録音
*trk.3-5 - 1954年4月 3日録音
ハード・バップ・スタイルが確立され、Miles Davis(tp.マイルス・デイヴィス)の確信が自信へと変わった力強い演奏で繰り広げるモダン・ブルーズの名セッションです。
様々なスタイルに形を変えて1960年代まで演奏され続けることになる、タイトル・ナンバーであり、モダン・ジャズを代表する名演のひとつ"Walkin'"。1964年のライブ盤『Four & More(フォー・アンド・モア)』でのTony Williams(ds.トニー・ウイリアムス)の怒涛のドラミングで疾走するヴァージョンも有名ですが、本作ではブルース・フィーリング溢れる"Walkin'"を堪能できます。
その他の収録曲も名曲、名演揃い。今一歩参加メンバーには浸透しきっていない部分も感じられますが、当時Miles Davisが新たに目指したグループの統一感と躍動感、そして間を生かしたクールでソフトなハード・バップ・スタイルの方向性が、しっかりと表現されたアルバムです。
前半2曲のブルーズ・セッション(ブルーズとは言っても2曲目の"Blue 'N' Boogie"のノリと勢いはロックン・ロール並み)の熱演に続き後半はMiles Davisの時に力強く、時に繊細な、叙情性豊かな必殺ミュート・トランペットが炸裂。後年Miles Davisのミュート奏法は更に進化して表現力を増しますが、本作でも充分素晴らしい演奏を聴かせてくれます。ピアノのHorace Silver(p.ホレス・シルヴァー)もスウィング感のある明朗なフレーズを繰り出して全篇に渡って好調。ラストの"Love Me or Leave Me"でのKenny Clarke(ds.ケニー・クラーク)の軽快なブラッシュ・ワークも見事。
■Clifford Brown and Max Roach (クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ)
![]() | Clifford Brown & Max Roach+2 Clifford Brown Max Roach Quintet ユニバーサル ミュージック クラシック 2003-04-23 |
[試聴]iTunes Music Store - Clifford Brown & Max Roach
1. Delilah
2. Parisian Thoroughfare
3. Daahoud
4. Joy Spring
5. Jordu
6. Blues Walk
7. What Am I Here For?
Clifford Brown -trumpet (クリフォード・ブラウン)
Harold Land -tenor sax (ハロルド・ランド)
Richie Powell -piano (リッチー・パウエル)
George Morrow -bass (ジョージ・モロウ)
Max Roach -drums (マックス・ローチ)
Miles Davis(マイルス・デイヴィス)低迷期に突如として登場した天才トランペッター、Clifford Brown(クリフォード・ブラウン)とCharlie Parker(as.チャーリー・パーカー
)の時代から活躍するドラマー、Max Roach(マックス・ローチ)が結成した双頭ハード・バップ・コンボ。Clifford Brownが夭逝して活動期間が短かった為か、一般的な知名度はMiles Davisのクインテット、Art Blakey(ds.アート・ブレイキー
)のThe Jazz Messengers(ジャズ・メッセンジャーズ)、John Lewis(p.ジョン・ルイス)とMilt Jackson(Vib.ミルト・ジャクソン)のThe Modern Jazz Quartet(モダン・ジャズ・カルテット
/MJQ)などに較べると低いものの、ジャズ・ファンには御馴染みの1950年代を代表する名コンボのひとつです。
残念なことに本作『Clifford Brown & Max Roach』(1954-1955)録音後の1956年に25歳の若さで交通事故により亡くなってしまいますが、高度なテクニックと次から次へと溢れ出る魅力的で輝くようなメロディー・ライン、トランペットを吹くことについては間違いなくMiles Davisの上をいったClifford Brownと豊富な経験と正確無比なドラミングで演奏を支えながら、その中に多様なアイディアを詰め込んだMax Roachが残した傑作。テナー・サックスのHarold Land(ハロルド・ランド)の貢献度も高い。
Miles Davisが『Dig』(1951年)で行った様なホットでハードなハード・バップ・スタイルを推し進め、大きく開花させたArt Blakey(ds.アート・ブレイキー)の『A Night at Birdland, Vol.1』(バードランドの夜)と共にハード・バップ時代到来を告げたアルバムと言っても過言では無い、ハード・バップ誕生期の名盤です。
(1954年8月2日、3日、6日・1955年2月24日、25日録音)
![]() | A Night at Birdland, Vol.1 Art Blakey Quintet Toshiba EMI 2001-07-31 |
[試聴]iTunes Music Store - A Night At Birdland, Vol.1
天才トランペッター、Clifford Brown(tp.クリフォード・ブラウン)も参加した、1954年に発表されたArt Blakey(ds.アート・ブレイキー)のハード・バップ誕生を高らかに告げた躍動感溢れる名盤。(1954年2月21日収録)
関連記事 - Miles Davis 記事一覧
- by axis_009
- at 20:03
- Comments (3)
- Trackbacks (0)




comments
ホレス・シルバーのピアノ好きなんです。ジャズ・メッセンジャーズなど、アート・ブレイキーと組んだ物が特に良いです。アートとは喧嘩別れしちゃいますが、自分のグループを持ってファンキー・ジャズを推し進めてヒットした頃もいいアルバムがいっぱいあるし。
>スウィング感のある明朗なフレーズを
正にそこが魅力です。
彼の演奏が無かったらアート・ブレイキーの「バードランドの夜」もあれほどの名盤になったかどうか?ま、収録曲自体ホレスのものばっかりですが。
こんにちは。
このアルバムはA面の2曲につきます。どうも後半3曲は印象が薄くて・・・。
>後年Miles Davisのミュート奏法は更に進化して表現力を増しますが
1956年頃からのマイルスのミュート・トランペットを聴いてしまうと、それ以前のものは物足りないです。
>"Blue 'N' Boogie"のノリと勢いはロックン・ロール並み
そういえばイントロのドラム、ツェッペリンのロックン・ロールのイントロにちょっと似てますね。^^
Bertさん
>>ホレス・シルバーのピアノ
私も好きなピアニストの一人です。演奏だけでなく、いい曲書きますよね。
ホレス・シルバーのアルバムでは『Doin' the Thing 』が私にとってのベストです。
hajimeさん
>>1956年頃からのマイルスのミュート・トランペットを聴いてしまうと
ミュート・トランペットの可能性が広がったというか、奏法的に新たな表現方法のヴァリエーションが増えたのが大きいですね。
>>そういえばイントロのドラム、ツェッペリンのロックン・ロールのイントロ
そういう意味で書いたわけではないんですが、確かに以前からジャズとロックでベースは違うけど、なんとなく似てるかな、とは思ってました。^^♪