September 23, 2006
Master of Reality/BLACK SABBATH (ブラック・サバス)
![]() | Master of Reality Black Sabbath Sanctuary Midline 2004-05-24 |
1970年2月13日の金曜日にデビュー以来、黒魔術をイメージしたダークでヘヴィなサウンドで一躍LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)、DEEP PURPLE(ディープ・パープル)と並ぶブリティッシュ・ハード・ロックを代表するバンドとなったBLACK SABBATH(ブラック・サバス)が1971年に発表した3rdアルバム『Master of Reality(マスター・オブ・リアリティ)』。
デビューした時点で既にブラック・サバス・サウンドとしか良い様の無いオリジナルなサウンドを持っていたBLACK SABBATHが、まだブルース・ロック、ジャズ・ロックからの影響を残していた1st『Black Sabbath(黒い安息日)』、傑作ヘヴィ・リフの宝庫でサバス・サウンドを確立した代表曲"Paranoid"、"Iron Man"、"War Pigs "を含む2nd『Paranoid
(パラノイド)』を発表した後、BLACK SABBATH史上最重量のヘヴィ・サウンドと前2作に比べ更に音楽的幅を拡げたことが分かる楽曲構成、展開で初期BLACK SABBATHの集大成的な作品となった傑作アルバムです。
1. Sweet Leaf
2. After Forever
3. Embryo [Instrumental]
4. Children of the Grave
5. Orchid [Instrumental]
6. Lord of This World
7. Solitude
8. Into the Void
Tony Iommi g.トニー・アイオミ
Ozzy Osbourne vo.オジー・オズボーン
Geezer Butler b.ギーザー・バトラー
Bill Ward d.ビル・ワード
BLACK SABBATH(ブラック・サバス)というと、Geezer Butler(b.ギーザー・バトラー)のベースも重要な要ではありますが、なんといってもTony Iommi(g.トニー・アイオミ)のヘヴィなリフとデビュー前の一時的なJETHRO TULL(ジェスロ・タル)への参加(The Rolling Stones/ザ・ローリング・ストーンズの主催した『Rock & Roll Circus(ロックン・ロール・サーカス)』(DVD)でその頃の映像を見ることが出来ます。)からも分かるように確かなテクニックに裏打ちされたギター・ワーク、そしてTony Iommiのヘヴィー・リフに乗せて発せられる微妙な音程感で不気味な浮遊感溢れるOzzy Osbourne(vo.オジー・オズボーン)のヴォーカル。この二つの要素が合わさってブラック・サバス・サウンドを作り上げています。このアルバムが後のHR/HMシーンに与えた影響は大きく、METALLICA(メタリカ)のサウンドですらポップに思えてしまう程のヘヴィー・サウンドをこの時代に出していたというのは今聴いても衝撃的ですらあります。
*今ではヘヴィ・ロック・サウンドには当たり前になってしまったダウン・チューニングですが、Tony Iommiの欠落した指の負担の軽減のためにチューニングを下げたらこういう音になって活用し始めたのか、それとも最初からこういう音を狙って始めたのか分かりませんが、いずれにせよ強烈、且つ凶悪なサウンドです。
パンク&ニューウェイヴの台頭などの音楽シーンの変化による人気の低下やOzzy Osbourne自身のドラッグ癖などの様々な問題からアルバム『NEVER SAY DIE(ネヴァー セイ ダイ)』(1978)を発表後、1979年にOzzy Osbourneはバンドを脱退(解雇?)。
BLACK SABBATH(ブラック・サバス)は新たにRonnie James Dio(ロニー・ジェイムス・ディオ)とともに様式美とサバス・サウンドを融合させた名盤『Heaven & Hell(ヘブン・アンド・ヘル)』(1980)を発表し、その後のBLACK SABBATHの方向性を決定付けるニュー・サバス・サウンドを確立しますが、Ronnie James Dioとの組み合わせもロニー側とサバス側との音楽的な意見の相違などから2作目『Mob Rules(悪魔の掟)』(1981)で早くも失速し、スタジオ盤2作、ライブ盤『Live Evil』を残したのみでRonnie James Dioは脱退してしまいます。
その後は、かつてのライバルだったDEEP PURPLE人脈のIan Gillan(イアン・ギラン)、Glenn Hughes(グレン・ヒューズ、元々はTony Iommi/トニー・アイオミのソロ・アルバムになる予定だった。)、無名ながらも素晴らしい歌唱力を誇るTony Martin(vo.トニー・マーティン)等とヴォーカリストを代えながら幾つかの名曲、名盤は発表するものの人気面ではかつての輝きは取り戻せす、BLACK SABBATH脱退後もサバス時代のダークで不気味なイメージを増幅させつつサウンド自体はシンプルでキャッチーなヘヴィー・メタル・サウンドを展開、才能ある若手ギタリスト(Randy Rhoads/ランディー・ローズ、Jake E. Lee/ジェイク・E・リー etc.)を次々と発掘して1980年代のLAメタルブーム等に乗ることにも成功して永らくヘヴィメタル界の帝王として君臨することになるOzzy Osbourne(vo.オジー・オズボーン)と明暗を分ける結果となっています。
*BLACK SABBATH(ブラック・サバス)は1997年にオリジナル・メンバーで再結成を果たしていますが、新作アルバムを聴くことが出来ないのは残念なところです。
![]() | Black Box: The Complete Original Black Sabbath 1970-1978 Black Sabbath Rhino 2004-04-27 |
初期BLACK SABBATHのリマスター盤8枚組BOXセット。(紙ジャケ仕様)
![]() | Heaven & Hell Black Sabbath Sanctuary Midline 2004-10-25 |
Ozzy Osbourne(Vo.オジー・オズボーン)脱退後、元RAINBOW(レインボウ)のRonnie James Dio(ロニー・ジェイムス・ディオ)をヴォーカルに迎え、Ronnie James Dioがバンドに持ち込んだメロディアスな様式美とBLACK SABBATH(ブラック・サバス)独特のドゥームな世界を融合させて新生BLACK SABBATHサウンドを作り上げたHMの名盤。(1980年発表)
■関連記事→ Live Evil/BLACK SABBATH (ブラック・サバス)
![]() | TYR Black Sabbath Emi 2002-08-26 |
BLACK SABBATH(ブラック・サバス)に参加した期間は、(新作発表の無い)オリジナル・メンバーでの1997年の再結成後を除くと歴代ヴォーカリストの中では最長。それまでに参加した大物ヴォーカリスト達の存在で影の薄い印象があるTony Martinですが、Ronnie James Dio(ロニー・ジェイムス・ディオ)にも劣らないほどの実力を持つ正統派ハード・ロック・シンガーであり、優れたソング・ライターであるのは間違いの無い事実。もう少し評価されても良いのではないかと思いますが、Tony Iommi(g.トニー・アイオミ)=BLACK SABBATHであるとはいえ、既にバンド・メンバーにしてもサウンド的にも一般的にBLACK SABBATHとしてイメージされる音とはかけ離れたバンドになっており、セールス的な戦略であるとはいえBLACK SABBATH名義である必要があるのか?といった時期でもあり、そういった部分でもかなり損をしているのではないかと思われます。また、Ozzy Osbourne(オジー・オズボーン)、Ronnie James Dio(ロニー・ジェイムス・ディオ)という二人のヴォーカリストの復帰、再脱退に振り回され、この時も『TYR』という名盤を作り上げて次の作品が期待されながらもRonnie James Dioの復帰によりバンドを離れざるを得なかったのはあまりにも不運な出来事でした。(1990年発表)
■歴代ヴォーカリストの一覧はコチラの記事に掲載しています。
→ Live Evil/BLACK SABBATH (ブラック・サバス)
![]() | Blizzard of Ozz Ozzy Osbourne Sony 2002-04-02 |
1979年にBLACK SABBATH(ブラック・サバス)を脱退したOzzy Osbourne(オジー・オズボーン)が故Randy Rhoads(g.ランディー・ローズ)とともに作り上げた1stソロ・アルバム。(1980年・邦題『ブリザード・オブ・オズ - 血塗られた英雄伝説』)
- by axis_009
- at 08:54
- Comments (7)
- Trackbacks (11)








comments
いいですね〜、3rdアルバム♪
確かに書いてある通り初期BLACK SABBATHの集大成であるし、SABBATHと聞いて思い浮かべる典型(特にM4やM8のリフ)が、このアルバムだと思います。
次のVol.4から少し変わっていきますよね。
もちろん、それ以降も好きですが。
セカンドのパラノイドからvo.4まではどれも名盤。中でもこのマスター・オブ・リアリティは何度聞いても飽きない傑作だと思います。最初はパラノイドとかvo.4を良く聞いていましたが、結局このアルバムが一番。ブラック・サバスと言えばこのアルバムですね。
こんにちは〜。書き込みもらっときながら挨拶が送れてすみません。
2ndは2ndで名曲がいっぱい入ってますがこれも良いアルバムですよね〜。Sweet LeafとかChildren of the Graveは特に好きな曲です。
TBさせてもらいますね♪
セカンドの『パラノイド』、4th『vo.4』もいずれ劣らぬ名盤ですが、yashimaさんも書かれているように私もこのアルバムが一番飽きずに聴けるので『マスター・オブ・リアリティ』を代表作として紹介してみました。
実はトニー・マーティンの『TYR』もかなり好きなアルバムなのですが、やはりブラック・サバスの1枚という事になるとサバスを象徴する(一般的にイメージされる)サウンドとは程遠いので(同系統だと既に当ブログでも記事掲載済みのロニーの名盤『ヘブン&ヘル』もあるし、ギーザー・バトラーの不在も痛い)、今回は下の方にちょこっと書き加えることにしました。(『TYR』は一応記事としてどこかに記録しておきたい、と思うぐらいには気に入ってるんです。) ^^♪
こんにちは。
確かにトニー・マーティンは過小評価ですよね。僕も好きなヴォーカリストです。本当に上手い人だと思うんだけど、運も向いてないですね。ブラック・サバスを離れている時に良いバンドにめぐり合えたり、良いアルバムが一枚でも出せていたら評価も違ったんでしょうね。中途半端にブラック・サバスのイメージが強いのが良く無いのかもしれません。
サバスは過小評価されてないですかねえ?
ZEPやパープルと比べると、『聞かず嫌い』の人が多いと思います。
かくいうオイラもそうでした。
でも改めて聞いてみると、前述2バンドにも決して負けてない、立派な『クラシックロック』だと思います。
多分オジーのキャラクターのせいだと思うんですが・・・。
>freakさん
確かにソロの時期に良いアルバムが出せていたらかなり評価は違ったんでしょうね。「あのトニー・マーティンのサバス時代」みたいな感じになっていたかも。^^
>バリ さん
ゼッペリンは別格としても、欧米ではパープルより圧倒的に人気があったバンドなんですけど、日本ではイマイチですね。初期のサバスしか認めない、という人にはダメなんでしょうけど、オジー時代も最後の頃は"Hard Road"とか結構ハード・ポップな曲もやっていて、このへんの曲はハード・ロック・ファンなら誰でも馴染みやすいのではないかと思うんですけどね。
やっぱり70年代の全盛期に来日公演を行っていない、というのが日本での人気の低さの原因かもしれませんね。