December 11, 2006
John Lennon/Plastic Ono Band (ジョン・レノン&プラスティック・オノ・バンド)
![]() | John Lennon/Plastic Ono Band John Lennon Parlophone 2000-10-10 |
[試聴] John Lennon "The Very Best Of" - amazon.co.jp
The Beatles(ビートルズ)在籍中に小野洋子(Yoko Ono)と発表した幾つかの実験的な作品を経て、John Lennon(ジョン・レノン)がThe Beatles解散後に初めて発表したソロ・アルバム『John Lennon/Plastic Ono Band(ジョンの魂)』(1970年)。
The Beatlesのヘヴィな部分、メッセージ性、そして精神的な部分を更に突き詰めて切実で重いメッセージを詩に込め、The Beatlesが持っていたポップ感を意識的に排除した、正にThe Beatlesとの決別とも言える本作はThe Beatlesファンだけでなく全世界のロック・ファンに衝撃を与えました。
1. Mother
2. Hold On
3. I Found Out
4. Working Class Hero
5. Isolation
6. Remember
7. Love
8. Well Well Well
9. Look at Me
10. God
11. My Mummy's Dead
[Bonus Track]
12. Power to the People
13. Do the Oz
John Lennon (vo,g,p.ジョン・レノン)
Yoko Ono (オノ・ヨーコ)
Ringo Starr (dr.リンゴ・スター)
Klaus Voorman (b.クラウス・フォアマン)
Billy Preston (key,p.ビリー・プレストン)
Phil Spector (p.フィル・スペクター) *"Love"
The Beatles(ビートルズ)解散後、George Harrison(ジョージ・ハリスン)がアルバム『All Things Must Pass』(1970年)、『Living in the Material World』(1973年)、シングル"My Sweet Lord"の大ヒット、チャリティー・イベント"コンサート・フォー・バングラデシュ
"の開催、そしてRingo Starr(リンゴ・スター)はアルバム『Sentimental Journey』(1970年)、『Ringo』 (1973年)、 シングル"Photograph(思い出のフォトグラフ)"、"You're Sixteen"等のヒットを飛ばすなど、二人の天才Paul McCartney(ポール・マッカートニー)、John Lennon(ジョン・レノン)の存在によりThe Beatles時代は影に隠れざるを得なかった二人は次々と名盤、ビッグ・ヒットを連発して活発な活動を行っていました。
しかし、主要メンバーの一人、稀代のメロディー・メーカーPaul McCartneyはThe Beatles解散騒動の最中から早くもソロ・アルバムを発表して意欲的にソロ活動をスタートしていましたが、Beatles時代の甘い部分だけを抽出したかのようなポップ・アルバム『McCartney』(1970年)、『RAM
』(1971年・Paul & Linda McCartney名義)は素朴で穏やかな曲調の佳曲が詰まった名盤ながら、その学芸会的な作りから評論家、The Beatlesの元メンバー(特にJohn Lennon)から酷評を受け、Paul McCartneyへのメディアからの攻撃、不当な評価は"Wings"(ウイングス)名義の名盤『Band on the Run
』(1973年)を発表して全米ツアーを大成功に収め、1つのロック・バンドWingsとして、Paul McCartneyとしての音楽を確立してThe Beatlesの呪縛から逃れるまで続くことになります。本人の意思とは裏腹に、解散後もThe Beatlesを求めるファンに最もThe Beatlesであることを期待され、早い段階でThe Beatlesを否定したJohn Lennonや元メンバーの中で一番The Beatlesという名前から逃れられない運命にあったのがPaul McCartneyでした。そして、対照的に自らThe Beatlesであることを拒否し、そのことをアピールするかのようにThe Beatlesを葬り去るがごとく重たい鐘の音で始まるソロ・アルバム『John Lennon/Plastic Ono Band』を発表して、あっさりとThe Beatlesという呪縛を解いて新たなスタートを切ったのがもう一人の主要メンバーJohn Lennonでした。
The Beatles(ビートルズ)解散後のソロ活動におけるPaul McCartney(ポール・マッカートニー)、John Lennon(ジョン・レノン)の二人の作風は、互いの不在によってそれぞれの個性がThe Beatles時代の中和された状態ではなく、両極端な形でその音楽に表れており、The Beatles時代の二人の役割が良く分かるとともに、如何にThe Beatlesの作品が二人の絶妙なバランスの上に成り立っていたかが分かる内容になっています。
しかし、前述したようにPaul McCartneyの作風は、後年再評価されるものの、当時は多大なるバッシングを受け、内省的で大スターJohn Lennonの素の部分を曝け出した私小説ともいえるJohn Lennon周辺の狭い範囲を歌った内容ながらも衝撃的なメッセージ性を持ったJohn Lennonのアルバムは高い評価を受け、その評価においても両極端に明暗を分けることになりました。
尚、The Beatles解散後、John LennonとPaul McCartneyの確執が各種メディアで取り上げられて煽られましたが、John Lennon自身は「『兄弟ゲンカ』みたいなもので他人が干渉してくる筋合いはない。」と発言しています。
美しいメロディーに乗せて愛の概念を淡々と歌う"Love"。「僕は貴方を必要としたけれど、貴方は僕を必要としなかった。だから、さようなら。」と歌う"Mother"、多大な影響力を持つ多くのものを否定し(イエス・キリスト、エルヴィス・プレスリー、ボブ・ディラン他)、最後にThe Beatlesまでも否定して「信じるものは今あるものとYoko。」と当時のJohn Lennon(ジョン・レノン)の心境を偽る事無く表現した"God"などのパーソナルな作品と"Working Class Hero"(労働者階級の英雄になるのは大変だ。革命を待っていても仕方が無い。)などの社会的なメッセージを含んだ楽曲を収録。こうした作風は更に政治的、及び社会的なメッセージが強調されてJohn Lennonにとって最大のヒット作となる次作『Imagine』(1971年)にも受け継がれ、差別を否定し世界平和を訴える反戦、そして平和の象徴として歌い継がれることになる、John Lennonのパーソナルな部分と社会へのメッセージが融合した名曲"Imagine"(イマジン)を生むことになります。
![]() | Imagine John Lennon CAPITOL 2000-04-11 |
![]() | Lennon Legend: The Very Best Of John Lennon John Lennon Import 1998-02-24 |
![]() | All the Best Paul McCartney Capitol 1990-10-25 |
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- by axis_009
- at 22:22
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comments
ジョン・レノンの命日もいつの間にか過ぎてしまいました。未だにこれほどの存在感を持っているなんて凄い人です。
axisさんも書かれていますが、本当に自分の身近な範囲のことに対する歌が多く、そこがまた良いんです。よく「ジョン・レノンは活動家」的な見方をされていますが、実際には、多くの人を引っ張っていこう、とか、そのうち政治的な活動を、なんてところから一番遠い人だと思っています。
>taroさん
命日は過ぎましたが、今度は"Happy X'mas"があちらこちらから聴こえる時期になりましたね。^^♪
長い間多くの媒体や場所で、しかも頻繁に流されて、今ではかなりポピュラーな曲になってしまいましたが、あれも良い曲ですよね。
このアルバム、凄く嫌いでした。ポールの甘いメロディに魅せられていまして、ジョンの厳しいまでの詩の内容が息苦しくなって。
でも、年をとるにつれああ書くしかなかったんだ、と理解できるようになりました。ビートルズの呪縛から放たれて自分の思う音楽、それが素直に「あれ」だったのでしょう。
少なくとも「イマジン」よりずっと好きです。
>ぷくちゃん
なんとなくポールよりジョンの方が偉い(?)と言わなくてはいけない様な風潮があったんじゃないかというような気がします。70年代もまだ初期の頃ですからねー。ロックにおけるメッセージ性とか何とか云々といった頃ですもんね。
>少なくとも「イマジン」よりずっと好きです。
好きなアルバムだし、表題曲も名曲だと思いますが、素のジョンをそのまま出してしまった『ジョンの魂』に較べると狙ってる感じはありますね。