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2007年01月29日

In Through the Out Door/LED ZEPPELIN (レッド・ツェッペリン)

B000002JSPIn Through the Out Door
Led Zeppelin
Warner 1994-08-18

Led Zeppelin[試聴]iTunes Music Store "Led Zeppelin"


 Jimmy Page(g.ジミー・ペイジ)主導で制作されたハード・ロックの決定版的アルバム『Presence(プレゼンス)』(1976年)から3年半、John Paul Jones(b,keyジョン・ポール・ジョーンズ)のアイディアと彼の弾くシンセサイザーYAMAHA GX-1を大幅にフューチャーした、John Bonham(d.ジョン・ボーナム)の死による解散がなければ、バンドの新時代の幕開けとなるはずだったLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)の実質上のラスト・アルバム『In Through the Out Door(イン・スルー・ジ・アウト・ドア)』。(1979年発表)


1. In the evening
2. South bound saurez
3. Fool in the rain
4. Hot dog
5. Carouselambra
6. All my love
7. I'm gonna crawl

Jimmy Page: guitar ジミー・ペイジ
Robert Plant: vocals ロバート・プラント
John Paul Jones: bass ジョン・ポール・ジョーンズ
John 'Bonzo' Bonham: drums ジョン・ボーナム

Led_Zeppelin_Knebworth.jpg LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)の音楽性の進化、John Paul Jones(ジョン・ポール・ジョーンズ)のバンド内での台頭によってキーボードの使用頻度が徐々に高くなっていたとは言え、基本的にはそれまでギター主体のロック・ミュージックを聴かせていたLED ZEPPELINのサウンドが一転、キーボードの音が最も印象に残るアルバムになっています。それまでにも"自分たちの作りたいものを作る"といった姿勢を常に崩さず、自らの作ったバンドへのイメージを自ら覆すアルバムを何度も発表してきたLED ZEPPELINにとってもこれまでに無いほど大きな変化を見せたアルバムで、結果としてLED ZEPPELINのアルバムの中で最も語られることの少ないアルバムになってしまいましたが、音楽としての完成度は高く、"In the Evening"、"Carouselambra"、"All My Love"などの名曲も収録されており、John Bonham(ジョン・ボーナム)の死という悲劇がなければ、この後LED ZEPPELINがどのように進化して行くのかを期待させるに充分な魅力を持った内容になっています。
 アルバムはLED ZEPPELINの新作を待ち望んだファンに支えられ、ビルボード初登場1位を獲得、7週間その座を守ると共に、LED ZEPPELINの過去の作品9作全てがチャート200入りするという快挙を達成しました。

John Paul Jones 前々作『Physical Graffiti(フィジカル・グラフィティ)』(1975年)に到るまでベーシスト、キーボード・プレイヤーとしてだけでなく、ソングライター、アレンジャーとしてもバンドに多大な貢献をしてきたJohn Paul Jones(b,key.ジョン・ポール・ジョーンズ)が前作『Presence(プレゼンス)』(1976年)でJimmy Page(G.ジミー・ペイジ)に強引に押さえ込まれた鬱憤を晴らすかの如く大活躍を見せるアルバムです。Jimmy Pageのギター・リフを主体にして作られた楽曲もあるとは言え、全体的にサウンド面はJohn Paul Jones主導で製作されたためかハード・ロック色が薄れ、シンセサイザーを多用した"シンフォニック・ロック"といった感が強く、それまで使用していた音程が不安手な上にメンテナンスにも非常に気を使う必要のあったメロトロン、ハモンド・オルガンに加えてYAMAHAのシンセサイザー"GX-1"を手に入れることによって、ライブ演奏を前提とした楽曲のスタジオ録音作業の中でキーボード活用の幅が大きく広がったことも大きいのではないかと思われ、ある意味、日本のヤマハがLED ZEPPELINに作らせた作品と言っても良いかもしれません。
 また、Robert Plant(ロバート・プラント)の好みが反映された楽曲も数多く収録されており、"All My Love"を始めとしてLED ZEPPELIN解散後のソロ活動へ繋がるような楽曲が既にいくつか登場しています。また、初期の派手なヴォーカル・ラインは聴けないものの円熟味を増して上手さを感じさせるソウルフルな歌唱を聴かせてくれます。John Paul JonesとRobert PlantがJimmy Pageに反旗を翻したアルバム(もしくは、『Presense』製作の過程を踏まえてJimmy Pageが本作では身を引いたのかもしれません)とも言え、そこにZEPPELINをZEPPELINたらしめているJohn Bonham(d.ジョン・ボーナム)のドラムが加わることによって完成した作品です。

 こうした内容を考えるとRobert Plantが1990年代にJimmy pageとは再合体を果たしたのにも拘らず、各メンバーの思惑は色々とあるのでしょうが、John Paul Jones(ジョン・ポール・ジョーンズ)と距離を置いているかのように見えるのは不思議でなりません。Jimmy PageにしろRobert Plantにしろ、バンド解散後のソロ活動でのサウンドを聴くと、John Bonham不在によるフロントマン二人の魅力減はもちろんですが、John Paul JonesがLED ZEPPELINで果たした功績が余りにも大きかったことが良く分かります。個人的には、別ページの"Jimmy Page & Robert Plant (ジミー・ペイジ&ロバート・プラント)"にも書いたのですが、未だに"Jimmy Page & Robert Plant"よりも"Robert Plant & John Paul Jones"での作品が聴きたかった、という思いがあります。

 LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)というバンドの遊び心が感じられるサンバ風"Fool in the Rain"やロカビリー風"Hot Dog"。John Paul Jones(ジョン・ポール・ジョーンズ)のシンセサイザーがフューチャーされた"In the Evening"、"Carouselambra"。Robert Plantのヴォーカルが光る"All My Love"、"I'm Gonna Crawl"他。


*LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)は前作『Presence(プレゼンス)』発表後、同年に映画『The Song Remains the Same(レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ)』を公開、同時に初のライブ盤であり、その後長らくLED ZEPPELINのライブ演奏を聴くことの出来る唯一の公式ライヴ・アルバムとなる映画のサントラ盤『Soundtrack From The Film : The Song Remains The Same - 永遠の詩(狂熱のライヴ)』を発表。バンドは衰えることの無いバイタリティで快進撃を続けていました。
 しかし、1977年のアメリカツアー中にRobert Plant(ロバート・プラント)の息子カラックが急逝。スタジオ録音の新作『In Through the Out Door(イン・スルー・ジ・アウト・ドア)』発表までに3年以上活動休止せざるを得なかった原因になっています。


B00005J8J5In Through the Out Door
Led Zeppelin
Atlantic 2003-06-02

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LED ZEPPELIN『IN THROUGH THE OUT DOOR』 from MEICHIKUえんため・ぶろぐ

表題のアルバムは1979年に発表された9th.アルバムであり、実質的に彼らのラスト・アルバムである。しかも、前作から3年半ぶりのニュー・アルバムということ...

comments

 このアルバムは何度か発売が延期されて、発売を待ちに待ったアルバムでした。でも、ツェッペリンの余りの変わりっぷりに最初はかなりガッカリした方で、気に入って聴けるように何年かを要しましたね。ツェッペリンに対する先入観が強すぎてちゃんと聞くことが出来てなかったんでしょうねぇ。

>この後LED ZEPPELINがどのように進化して行くのか
僕も同感です。聞いてみたかった。でも、ジョン・ボーナムが亡くなった時点で、誰が後任で参加したとしてもツェッペリン・サウンドの再現は無理なので、叶わぬ夢ですね。

  • cosmo
  • 2007年01月29日 20:26

>cosmoさん
 メンバーも気に入っている曲みたいで、ペイジ&プラントでもこのアルバムの中から「イン・ジ・イブニング」をやってましたが、ペイジ&プラントの頃には既に違う方向を向いていたから新曲なども『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』後のツェッペリンという感じではなかったですしね。まぁ、解散から年月も経ってますし、ジョン・ポール・ジョーンズも仲間外れにされてたから仕方ありませんけど、ペイジ&プラントには『イン・スルー~』の延長のサウンドをちょっとだけ期待してました。

 話は変わりますが、ツェッペリン解散後にジミー・ペイジとジョン・アンダーソンが抜けたイエスのメンバーでバンドを結成する為にセッションを行っているというニュースを聞いた時はかなり楽しみにしてました。結局バンド結成は頓挫したわけですが、これも聴いてみたかったですねー。実際のところは分かりませんが、ロバート・プラントが断ったから、というような話も聞きました。でも、もしロバートが断らなかったら、その後どんな音楽を作っていたのかと色々想像が膨らみます。^^

  • axis_009@管理人
  • 2007年01月30日 00:22

1曲目の"In the evening"はまだ良かったんですが、このアルバムを初めて聴いた時は面食らいました。聴く側に聴く耳を持つことを要求するアルバムだと思います。ハードロックの枠では語れない、ツェッペリンのメンバーが「自分たちの作りたいものを作った」アルバムじゃないでしょうか。

  • Firebird
  • 2007年01月30日 20:45

聴きなれるのに時間がかかったけど、聞き込むとだんだん馴染んできて、今では好きなアルバムになりました。
このアルバムの制作はジミーが全然やる気がなかった、なんて話も聞きます。確かに「ホット・ドッグ」のイントロなどを聞くと、いくらジミーの演奏レベルが落ちていたとは言っても「はいはい、こんな感じで入れとけば良いでしょ」みたいな投げやりな態度が感じられます。(その気があれば何回でも録り直しが出来た筈だし)実際のところはどうだったのかな。

  • ふーこ
  • 2007年02月02日 22:48

>Firebirdさん、ふーこさん
 私も最初聴いた時はかなり面食らったアルバムです。聴き込むうちに好きになりましたけど。^^♪
 記事でも書いているんですが、この路線で後1~2枚聴いてみたかった。

>>確かに「ホット・ドッグ」のイントロ
あれはちょっと。。。いくらなんでも、あれだけ弾けていないプレイをそのまま発表しちゃうというのはジミー・ペイジに何かあったんでしょうかね。この頃はスタジオ、ライブともにペイジのプレイもかなり粗くなってはいましたけど、ライブは誤魔化しようがないですが、ともかくふーこさんも書かれているようにスタジオ録音ですもんね。
 個人的には『フィジカル・グラフィティ』辺りから楽曲アイディアの実現とか表現的な部分が重視され、演奏面での出来不出来という部分が軽く扱われ始めているような気はします。

  • axis_009@管理人
  • 2007年02月14日 19:10


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