May 23, 2007
Get Yer Ya Ya's Out/THE ROLLING STONES (ザ・ローリング・ストーンズ)
![]() | Get Yer Ya-Ya's Out! The Rolling Stones Decca 2006-08-14 |
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1969年11月27日、28日にニューヨーク、マジソン・スクウェア・ガーデンで行った公演の模様を収録したTHE ROLLING STONES(ザ・ローリング・ストーンズ)のロック史上に残る名作ライブ・アルバム。(1970年発表)
Keith Richards(G.キース・リチャーズ)のラフでルーズなギター、6弦を外したオープンGチューニングでの奏法も熟練の域に達し、Brian Jones(G.ブライアン・ジョーンズ)の後任として加入したMick Taylor(G.ミック・テイラー)により音楽的な幅も広がりバンドの演奏技術にも更に磨きがかけられたTHE ROLLING STONES。本作『Get Yer Ya-Ya's Out!(ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト)』はKeith RichardsとMick Taylorの対照的なギターが上手く絡み合うギター・バンドとしてのアンサンブルの素晴らしさとともに、本当の意味での"最強のライブ・バンド"だった頃のTHE ROLLING STONESの魅力を余す事無く詰め込んだ傑作です。
1. Jumpin' Jack Flash
2. Carol
3. Stray Cat Blues
4. Love in Vain
5. Midnight Rambler
6. Sympathy for the Devil
7. Live With Me
8. Little Queenie
9. Honky Tonk Women
10. Street Fighting Man
Mick Jagger :Vo (ミック・ジャガー)
Keith Richards :G (キース・リチャーズ)
Mick Taylor :G (ミック・テイラー)
Bill Wyman :B (ビル・ワイマン)
Charlie Watts :Dr (チャーリー・ワッツ)
1967年4月以降ライブ・ツアーを行っていなかったTHE ROLLING STONES(ザ・ローリング・ストーンズ)が2年半振りに1969年11月からスタートさせた、アルバム『Let It Bleed(レット・イット・ブリード)』発表(1969年12月5日)に伴うプロモーションとして、またJohn Mayall & The Bluesbreakers(ジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズ)で前任者のEric Clapton(エリック・クラプトン)に(知名度的には劣るものの)一歩もひけを取らない驚異的なギターを聴かせていたMick Taylor(G.ミック・テイラー)参加後のお披露目ツアーという意味合いを持った北米ツアー。1968年の"Jumpin' Jack Flash"のシングルヒット、同年12月には名盤『Beggars Banquet(ベガーズ・バンケット)』を発表していながら、TVプログラム『Rock & Roll Circus(ロックン・ロール・サーカス)』(収録したものの演奏の出来、不満の残る内容等の理由から放映はされなかった)を行ったのみでBrian Jones(G.ブライアン・ジョーンズ)の状態の悪さなどからツアーを行うことが出来なかったTHE ROLLING STONESが名手Mick Taylorを得たことにより、それまでの鬱憤を晴らすが如く、かつて無いほどレベルアップした充実した演奏をTHE ROLLING STONESのライヴを待望していたアメリカのファンの前で披露したツアーです。
1969年7月にハイドパークで行われたイギリスでのMick Taylorお披露目コンサートとなったフリーコンサート(Brian Jonesのバンド脱退直後の死により追悼コンサートとなった)では、まだ参加直後でバンドに馴染みきらないMick Taylorの手探り状態の演奏と、殆どライブを行っていなかったTHE ROLLING STONESもライブ勘が戻らない状態のまま行われたためか、メリハリの無いレベルの低い演奏になってしまっていますが、その後Mick Taylorがアルバム制作への参加(『Let It Bleed』制作中にバンドに加入)によりバンドに徐々に馴染んでいったことや北米ツアーに向けたリハーサルにより、楽曲のアレンジも煮詰められ、演奏技術、そしてバンドの演奏スタイルの方向性も定まり、まるで同じバンドとは思えないほどスケール・アップした70年代型新生THE ROLLING STONESといえる優れた演奏になっています。
但し、演奏の出来やKeith RichardsとMick Taylorのコンビネーションなど、この北米ツアーで更に一層練り上げられたことにより、残念ながら海賊盤でしか聴く事が出来ませんが、以降の1970年のEuropean Tour、1971年のUK Tourなどでは本作『Get Yer Ya-Ya's Out!(ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト)』以上に優れた演奏が聴けるものが多くあります。
*ちなみに本作収録の公演から約1週間後、12月6日のAltamont Speedway(オルタモント・スピードウェイ)でのフリー・コンサート中に警備を担当したヘルズ・エンジェルスが黒人青年を刺殺するという、フラワー・ムーブメントの終焉を告げたとも言われる所謂"オルタモントの悲劇"が起こっています。
Mick Taylor(G.ミック・テイラー)期のTHE ROLLING STONES(ザ・ローリング・ストーンズ)というと、現在では初期リーダーBrian Jones(G.ブライアン・ジョーンズ)、Mick Taylorの後任として参加して現在もメンバーであるRon Wood(G.ロン・ウッド)に較べると、熱心なファンを除いてはMick Taylorについては語られることは少なく、知名度的にもTHE ROLLING STONESに対する貢献度的にも過小評価されていると言わざるを得ません。しかし実際には、もちろんKeith Richards(G.キース・リチャーズ)を始めとするメンバーの創作能力が最も開花した時期と重なったこともありますが、THE ROLLING STONESの名盤といわれるアルバムの多くがMick Taylor在籍時のものであり(『Sticky Fingers/スティッキー・フィンガーズ』、『Exile on Main Street/メインストリートのならず者』他)、その中で数々の名演奏を残すだけでなく、1968年に名盤『Beggars Banquet/ベガーズ・バンケット』を発表していたとは言え、ツアーから遠ざかっていたことにより過去のバンドへと葬りかけられていたTHE ROLLING STONESを再び表舞台に引き戻し、ライヴ・バンドとして高い評価を得ることにも多大な貢献をしています。
1973年の来日公演がメンバーの逮捕歴の為に入国許可が下りなかったことによって中止にならなければ、日本でもMick Taylorの評価、知名度も全く違ったものとなり、またライブ・バンドとして全盛期のTHE ROLLING STONESの演奏スタイル、パフォーマンスにより日本のロック・ミュージックの熟成も早まっていたのではないかと思われるほど、当時のTHE ROLLING STONESのライブ・パフォーマンスは優れています。
「世界最高のロックン・ロール・バンド、ザ・ローリング・ストーンズ!」というMCに導かれて貫禄たっぷりに演奏される代表曲"Jumpin' Jack Flash"。Mick Taylor(G.ミック・テイラー)のブルースギターとKeith Richards(G.キース・リチャーズ)のルーズなカッティングが絶妙のコンビネーションを聴かせる"Stray Cat Blues"。Mick Taylorのボトルネックがむせび泣く、スタジオ版の出来を遥かに超えた"Love In Vain"。Mick Jagger(Vo.ミック・ジャガー)のブルースハープとKeith Richardsの格好良すぎるギター・リフ、そして目まぐるしく展開する楽曲構成で当時のライブでのハイライト・ナンバーであった"Midnight Rambler"。Keith Richardsの研ぎ澄まされた切り裂くようなギター・ソロとMick Taylorの流暢なブルーズ・ギターの対照的な二人のギターの絡みが見事にマッチしたスリリングな演奏を聴かせる"Sympathy For The Devil"。当時の最新ヒット・ナンバーであり、その後The Rolling stonesの定番ナンバーとなる"Honky Tonk Women"。Mick Taylor在籍中のコンサートでラスト、もしくはアンコール曲として頻繁に演奏された"Street Fighting Man"他、全10曲の名演奏を収録。
![]() | ギミー・シェルター ザ・ローリング・ストーンズ ユニバーサルインターナショナル 1998-05-02 |
THE ROLLING STONES(ザ・ローリング・ストーンズ)が1969年11月から行った北米ツアーのドキュメンタリー映画。ライブ・バンドとして最も優れていたミック・テイラー在籍時の貴重な映像であると共に、同年8月に行われた愛と平和の『Woodstock Music and Art Festival(ウッドストック・フェスティヴァル)』と明暗を分け、フラワー・ムーブメントの終焉を告げることとなったAltamont Speedway(オルタモント・スピードウェイ)でのフリー・コンサートの模様も収録しています。
![]() | ハイド・パーク・コンサート リマスター版 ザ・ローリング・ストーンズ エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2006-07-05 |
![]() | ロックン・ロール・サーカス ローリング・ストーンズ ユニバーサルインターナショナル 2007-06-13 |
1968年、アルバム『Beggars Banquet(ベガーズ・バンケット)』のプロモーションを兼ねてBBCのクリスマス・スペシャル番組として収録されたが、Mick Jagger(Vo.ミック・ジャガー)反対により放映中止となっていた幻のTVプログラムのDVD化。
The Who(ザ・フー)、John Lennon(ジョン・レノン)、Jethro Tull(ジェスロ・タル)他が参加。
![]() | Crusade John Mayall & the Bluesbreakers London 1990-10-25 |
[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
John Mayall & The Bluesbreakers(ジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズ)が1967年に発表したMick Taylor(G.ミック・テイラー)在籍中のアルバム。
The Bluesbreakersの1960年代の作品というとEric Clapton(G.エリック・クラプトン)参加の『Bluesbreakers with Eric Clapton』(1966)やPeter Green(G.ピーター・グリーン)が参加した『A Hard Road
』(1967)の方が話題になることが多いのですが、Peter Greenの後任としてMick Taylorが参加した本作『Crusade』(1967)も名盤。個人的には当時若干18歳のMick Taylorが弾く粘りのあるブルーズ・フィーリング溢れるギターとJohn McVie(B.ジョン・マクヴィー)、Keef Hartley(Ds.キーフ・ハートレィ)等の好プレイ、そして新たに加えられたホーン・セクション、Chris Mercer(b.sax)、Rip Kant(t.sax)によって重厚なサウンドとなった本作のサウンドが好みで、John Mayall & The Bluesbreakersの最高傑作ではないかと思っています。(ジャズの要素を取り入れ、後のジャズ・ロックへの橋渡し的なサウンドを持った次作『Bare Wires
』(1968)も、一般的には中途半端という評価はあるものの、個人的には好きなアルバムです。)
しかし現在日本ではEric Clapton、Peter Green在籍中のアルバムに比べるとMick Taylor在籍中のアルバムは手に入り難い状態になっており、欧米と日本でのMick Taylor期のTHE ROLLING STONES(ザ・ローリング・ストーンズ)評価のギャップ、及びMick Taylorの知名度の低さ、過小評価がこういったところでも反映されているのが残念。
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- by axis_009
- at 22:10
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comments
僕がストーンズを聴き始めた頃は既にロン・ウッド加入後で、アルバムで言うと『ブラック&ブルー』辺りからでした。なのでストーンズのライブ盤と言うと、まず『Love You Live』。こればっかり聴いていました。『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』も遅れて購入しましたが、どうも演奏が地味に感じられて当時は偶にしかターン・テーブルに乗ることはありませんでした。でも、その後ストーンズの古いアルバムが廉価版(LP1枚が2500円ぐらいだった頃に1枚1500円、2枚組みが2500円)として発売され、何枚か集めて行くうちに、特に『レット・イット・ブリード』に嵌り、聞き込んで行くうちに『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』の良さがじわじわと染み込んでくるようになり、いつの間にか『ラブ・ユー・ライヴ』以上の愛聴盤になってしまいました。
>>以降の1970年のEuropean Tour、1971年のUK Tour
この頃の物が良いという噂を聞いて、僕も海賊盤に手を出して何枚か聴きましたが、確かに演奏は段々とグレード・アップしてますね。ただ、やっぱり海賊盤。僕が持っていた物が悪かったのかも知れませんが、音質的に聴き辛い。この時期のものも、ツェッペリンみたいに発掘して、公式盤としてリリースしてくれると嬉しいのですが。
とはいえ『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』での演奏も素晴らしいので、これだけでも充分満足はしています。
こんばんは。
これがストーンズのライブ盤のベスト!同感です。
(曲単位でいくつか見たことはあるんですが)この時期のライブの映像があったらフルで観てみたいです。もちろんハイドパークは見ましたが、書かれているように出来が悪いですし、ミック・テイラーもまだまだ本領発揮とはいかない状態ですし。
>hajimeさん
いつもコメントありがとうございます。^^
>>ストーンズのライブ盤と言うと、まず『Love You Live』。
時代の流れに合わせてか、ロン・ウッドの持ち込んだフィーリングからか『Get Yar Ya-Ya's Out』とはまた違った演奏スタイル(ブルーズ色も希薄になってますし)になってますが『Love You Live』も『Get Yar Ya-Ya's Out』と同じぐらい聴きこんだ愛聴盤です。
>>特に『レット・イット・ブリード』に嵌り
私もあのアルバムがストーンズの中では一番好きなアルバムです。^^♪
>bertさん
>>この時期のライブの映像
せめて『ギミー・シェルター』が手に入りやすい状況だといいんですが、現在は日本盤は廃盤で中古でしか手に入らないようですね。まぁ、あれはミック・ジャガーばかり撮っていて不満が残る内容だし、ストーンズのライブを堪能するというよりはオルタモントの歴史的記録と言った方が良いかもしれませんけど。
こんにちは。ストーンズは70年代はほぼリアルタイムで聴いていました。
このアルバム、ストーンズの60年代の総決算のような感じで大好きです。やっぱり、ミック・テイラーが一番ストーンズにあっているような気がするのですが、ストーンズファンは「玄人さん」が多いので、自分のブログではそんな発言できません。(爆)
>ぷくちゃん
>>ミック・テイラーが一番ストーンズにあっているような気がするのですが
個人的にはストーンズのライブ盤の中では一番好きなアルバムです。
でも、『Love You Live!』も捨てがたいところ。70年代末からスタジアム、アリーナ・クラスの会場でのロック・ショウ的なコンサートが一般的になってきますが、アリーナでのロック・コンサートでの演奏スタイルを考えた場合、ミック・テイラーの後任がロン・ウッドというのはベストな選択だったと思いますし、(ミック・テイラー後期からの試行錯誤期を経て)ロン・ウッドの加入により音楽スタイルも80年代に向けて上手く転身していってます。このアルバムについては移行期のライブとしても面白いですし、ロン・ウッドもまだまだサポート的な域を出ていませんが、テンポアップした楽曲の数々は新生ストーンズという勢いと、ストーンズの吹っ切れたかのような威勢の良い演奏が楽しめる『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』と並ぶ愛聴盤です。
*実は次に『ラブ・ユー・ライヴ』の記事を書こうと思っていたので、一部コメントと重複するかもしれません。^^;
私はブライアン在籍のストーンズについこだわりを持ってしまうのですが、ミック・テイラーの素晴らしさとストーンズに与えた影響の大きさは、計り知れないものがありますね!