March 29, 2007
Exit...Stage Left/RUSH (ラッシュ)
![]() | Exit...Stage Left Rush Mercury 1997-07-01 |
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各メンバーの持つ非常に高度な演奏技術と緻密に練り上げられた密度の高いアレンジでトリオ編成とは思えない表現力と重量感のあるサウンドを聴かせるカナダのプログレッシブ・ハード・ロック・バンド"RUSH(ラッシュ)"が、それまでの大作組曲主義的な作風からポップでキャッチーなメロディーを持つコンパクトな作風へと路線変更して製作した『Permanent Waves』(1980年)、名盤『Moving Pictures』(1981年)という2作のヒット・アルバム発表後に行ったRUSHの人気絶頂時のツアーを収録したライブ・アルバムの傑作『Exit...Stage Left(邦題:神話大全)』。(1981年発表)
1974年のデビューから1981年までのRUSHの歴史を統括するかのような内容で、初期の名盤『2112』(1976年)などの流れを汲む大作志向期の名残、『Permanent Waves』以降のポップ路線など、RUSHの魅力を余す事無くパッケージしたベスト・アルバム的選曲になっています。
1. Spirit of Radio
2. Red Barchetta
3. YYZ
4. Passage to Bangkok *
5. Closer to the Heart
6. Beneath, Between & Behind
7. Jacob's Ladder
8. Broon's Bane
9. Trees
10. Xanadu
11. Freewill
12. Tom Sawyer
13. Villa Strangiato
*"Passage to Bangkok" オリジナル盤未収録
Geddy Lee :b,kbd,vo.ゲディー・リー
Alex Lifeson :g.アレックス・ライフソン
Neil Peart :dr,per.ニール・パート
ヴォーカルを担当しながらテクニカルに動き回るベース・ラインを弾き、同時にフット・ペダルによるキーボード演奏すらもこなしてしまうマルチ・プレイヤーGeddy Lee(b,kbd,vo.ゲディー・リー、キーボード・プレイヤーとしても優れた能力を持っています)。デビュー当時のLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)から影響を受けたへビィ・リフ主体の演奏から作を重ねるごとに様々なプレイ・スタイルを吸収・消化してバンドの演奏に彩を与え、Lerxst Soundと呼ばれる重厚なオリジナル・サウンドを創り上げたAlex Lifeson(g.アレックス・ライフソン)。作詞を担当してSF的なものから哲学的な要素などRUSH(ラッシュ)のアルバム・コンセプト作りに重要な役割を担い、プレイヤーとしても所狭しと並べられたドラム・セットを高度なテクニックで縦横無尽に叩きまくるNeil Peart(dr,per.ニール・パート)。
この3人が作り出す音楽は、高度なテクニックを余すところなく楽曲に注ぎ込んだ複雑な楽曲構成を持つとともに、Neil Peartの創造した詩世界をメンバー3人によって音像化して独特のRUSHワールドを展開し、しかも優れたメロディー・センスによってテクニックのひけらかしには決して終わらないという絶妙なバランスを持っています。
また、このバンドの凄いところはライブにおける楽曲の完璧な再現。RUSHファンには有名なエピソードとして、Geddy Lee(ゲディー・リー)が観たLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)のライブで「"Stairway to Heaven(天国への階段)"のギター・ソロをJimmy Page(ジミー・ペイジ)がスタジオ盤通りに弾かなくてガッカリしたので、自分たちは出来るだけスタジオ盤の演奏をライブでも忠実に再現することを目指した。」というのがあります。普通のバンドならライブ演奏を考慮したスタジオ盤の製作という方向に行ってしまうことが多いのですが、RUSHの場合はスタジオ録音では妥協する事無く楽曲を創り上げ、その後ライブで再現できるように練習、及び機材による工夫を徹底して行う、という方法を取っています。80年代後半以降はテクノロジー(シンセサイザー、サンプリング・マシン、シーケンサー等)の進歩などにより少しずつライブでのスタジオ盤の再現は楽になってきているとは思われますが(それでも充分に凄い演奏です)、本作『Exit...Stage Left』を発表した当時はまだそれ程でもなく(例えばシンセサイザーは違った音色を同時に出すためには複数のシンセサイザーが必要。1台のシンセサイザーで同時に出せる音数にも制限があったり、1台のシーケンサーで可能な制御能力も現在とは比べ物にならないほど低く、複数のシーケンサーを同時に使うにしても同期の問題など、様々な制限があった。)、キーボード専任のプレイヤーのいないRUSHは、サポート・メンバーを入れる事無く、各メンバーが複数の楽器を同時に演奏するという驚くべき方法(ライブ・ビデオなどで確認すると、特にGeddy Leeなどは正に曲芸的なライブ・パフォーマンス)でスタジオ盤を再現しています。
欧米でのカリスマ・バンド的な人気に較べると日本では過小評価されて一般的な知名度も低いのですが、決して小難しくマニアックなバンドではなく、簡単に言うと"プログレ風味の格好良いハード・ロックを演奏するバンド"です。本来なら日本でも受け入れられやすい音楽ではないかと思うのですが、最も商業的に成功した『Moving Pictures』(1981年)発表後、一時期日本でもプロモーションに力が入れられたものの、現在では一部のハード・ロック、プログレ・ファン、自ら楽器を演奏するミュージシャン等以外には忘れ去られているようなところもあり、当時は日本に情報の入り難かったカナダのバンドであることと、"ハード・ロックはギター・ヒーローを擁するバンドでないと人気が出ない"というギタリスト至上主義的な日本のミュージック・シーンを象徴するかのような存在になってしまっています。(それに加えて多くのアマチュア・バンドがコピーして演奏するにはバンド編成や機材的な部分での問題、演奏テクニック的にも難しかった、と言うのも大きな原因ではないかと思います。)
![]() | Replay X3 (4pc) (Rmst Ac3 Dol Dts Box) Rush 2006-06-13 |
![]() | Moving Pictures Rush Universal 1997-06-03 |
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LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)フォロワーのハード・ロック・バンドとしてデビューし、その後プログレッシブな大作志向を経て1980年代にポップでキャッチーな楽曲と変拍子などを多用したテクニカルでプログレッシブな演奏を上手く共存させ、RUSH(ラッシュ)ならではのオリジナル・サウンドを確立した1981年発表の代表作。
シンセサイザーをフューチャーしてスリリングな展開を見せる代表曲"Tom Sawyer"、Neil Peart(dr,per.ニール・パート)の凄まじいドラム・プレイが聴けるインスト曲"YYZ"、シングル・ヒットした"Limelight"。かつての大作志向の流れを汲む組曲"The Camera Eye"、他収録。
![]() | 2112 Rush MERCURY 1997-05-06 |
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ハード・ロック&プログレッシブ志向の初期RUSH(ラッシュ)の代表作。『2112(西暦2112年)』への評価により、それまでの"ツェッペリン・フォロワーのひとつ"程度の酷評しかなかったRUSHが一躍一流バンドの仲間入りを果たした記念碑的アルバム。(1976年発表)
ハード・ロック・ファン、プログレ・ファン、共に必聴の20分を超える壮大な大作組曲"2112 Overture/The Temples of Syrinx"を収録。(レコードでは)B面収録の5曲も佳作ぞろい。故にRUSHの最高傑作に上げる人も多い作品です。
![]() | Chronicles Rush Polydor 1990-09-01 |
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1974年のデビュー作『Rush』から1989年『Presto』までの代表曲を満遍なく並べたRUSH(ラッシュ)のベスト・アルバム。
![]() | Images and Words Dream Theater Warner 1992-02-01 |
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RUSH(ラッシュ)から多大なる影響を受けたハード・ロックとプログレッシブ・ロックの融合とサウンド空間を上手く生かしたサウンドでデビューした、並みのへビィーメタル・バンドには太刀打ち出来ない程の高度なテクニックとへビィー・サウンドを聴かせるプログレッシブ・メタル・バンド"DREAM THEATER"(ドリーム・シアター)の最高傑作。(2ndアルバム・1992年発表)
アルバムのオープニングを飾るヘビィーメタル・ナンバー"Pull Me Under"、哀愁漂うヘビィーメタル・バラードの名曲"Another Day"、テクニカルで複雑な構成とメロディアスでキャッチーな部分が同居するDREAM THEATERの象徴的サウンド"Take the Time"、プログレ・メタルの最高峰"Metropolis, Pt. 1: The Miracle and the Sleeper"他収録。
- by axis_009
- at 17:23
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comments
「パーマネント・ウェイヴス」「ムーヴィング・ピクチャーズ」、それとこのライブ盤は当時良く聞いてました。かなり好きなバンドだったんですが、意外と日本では人気が出ませんでしたね。
このあとシンセサイザーの大幅に導入やポリスやU2の影響からか、だんだん作風が変わっていっちゃったので好みに合わなくなって聴かなくなりましたが、「パワー・ウインドウズ」あたりはかなり良かったですね。
カナダのロックバンドと言うとラッシュと同じトリオ編成のトライアンフも好きでした。特にリック・エミットのギターが良かった。曲の出来不出来があったり、レコード会社側からの要望で80年代産業ロックの波に飲まれちゃった感もあって、良いバンドなのにラッシュ以上に日本では過小評価されてますが・・・。
ハード・ロック好きにはラッシュよりトライアンフの方が分かりやすい、というか好みに合うのではないかと思うんだけどね。
カナダのロック・バンドって、現在と違って当時は日本に情報が入り難かったこともあって、なかなか人気が出ないのではないかと思ってます。カナダのレーベルには全世界でのプロモーション展開なんて力は無いだろうし、アメリカのレコード会社もアメリカ国内はまだしも、海外においてはアメリカのバンド優先でカナダのバンドのプロモーションはかなり弱かったのではないでしょうか。
「ムーヴィング・ピクチャーズ」はリアルタイムで買いました。プログレ大手の方たちがアルバム出さなくなったからです。でも一度聴いただけで放置プレイ。
この手の音楽ダメです。つい最近も図書館でドリーム・シアター初聞きしまいした・・・・沈没でした。
>hajimeさん
>>カナダのロック・バンドって、現在と違って当時は日本に情報が入り難かったこともあって
確かにそういう感じはありましたね。あと、日本で人気が出ないのは、記事でも書いてますが、アレックス・ライフソンは上手いんだけどギター・ヒーロー・タイプではない、というのも大きいかもしれません。やっぱりラッシュと言うと、まずニール・パート、もしくはゲディ・リーって感じですしね。
>>同じトリオ編成のトライアンフ
私も良く聴いてました。アルバムに必ず一曲入ってるアコースティック・ナンバーも良かったです。
>ぷくちゃん
この手はダメでしたか。。。。とはいっても実は私も当初はゲディー・リーのヴォーカルがキーキー、キャーキャーと煩く感じて馴染めなかったんですけどね。サウンド的には好みだったし、『パーマネント・ウェイヴス』あたりから抑えた歌い方に変化してきたので少しは聴き易くなって、その後古い作品も聴き込んでいったという感じです。(段々慣らされた?)
>>ドリーム・シアター初聞きしまいした・・・・沈没でした。
テクニックがありすぎるのも問題かもしれませんね。披露したくなっちゃうだろうし。^^;
イエスなんかはテクニックもありつつ、それを楽曲の表現に生かしている、という風に感じるんですけど、ドリーム・シアターの場合は表現云々以前に、まずテクニックありき、と感じされられる部分の比率が多い、という印象があります。
とはいえ、1990年代以降では(2ndに限りですが)好きなバンドの1つです。