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2007年12月03日

Cosa Nostra Beck-Ola/THE JEFF BECK GROUP (ジェフ・ベック・グループ)

B000I0QKDIBeck-Ola
The Jeff Beck Group
Toshiba EMI 2006-10-10

 "世紀のスーパー・ヴォーカリスト"、Rod Stewart(Vo.ロッド・スチュワート)を擁したJeff Beck(ジェフ・ベック)率いる第1期THE JEFF BECK GROUP(ジェフ・ベック・グループ)の2ndアルバムにして最終作。(1969年発表)
 音楽プロデューサーMickie Most(ミッキー・モスト)の意向であるポップス路線の影響下から脱し切れていなかった前作『Truth』(1968年)では、収録曲も良く言えばバラエティーに富む内容になってしまっていましたが、本作『Beck-Ola』は、ある意味原石のままだった前作でのアイディアを更に磨き上げ、1968年に解散したCREAMクリーム)の成功、革命的ともいえるJimi Hendrixジミ・ヘンドリックス)の音楽、そして本作発表(1969年6月)より約半年前に発表されたLED ZEPPELINレッド・ツェッペリン)の1stアルバム『Led Zeppelin』(1969年1月)を意識しながらJeff Beckが創り上げたであろう、ブルース・ロックのひとつの到達点であり、ハード・ロック創生期に輝く名盤です。


1. All Shook Up
2. Spanish Boots
3. Girl from Mill Valley
4. Jailhouse Rock
5. Plynth (Water Down the Drain)
6. Hangman's Knee
7. Rice Pudding

Jeff Beck :G (ジェフ・ベック)
Rod Stewart :Vo (ロッド・スチュワート)
Ron Wood :B (ロン・ウッド)
Nicky Hopkins :Key (ニッキー・ホプキンス)
Tony Newman :Dr (トニー・ニューマン)

Jeff Beck Group 1967 THE JEFF BECK GROUP(ジェフ・ベック・グループ)というと、個人的にはどうしてもLED ZEPPELINレッド・ツェッペリン)との比較になってしまうのですが、共に1970年代以降のロック・バンドに多大な影響を与える功績を残しながら、何故現在において知名度、人気、そして商業的な成功と言った面で、これほどまでに差がついてしまったのか。それまでのロック・ミュージック、ブルース・ロックからの脱皮を果たした『Beck-Ola』、『Led Zeppelin』『Led Zeppelin II』という名盤を発表し、ヴォーカルとギターのスリリングな掛け合いをメインにダイナミックな演奏を聞かせるという方法的には似通っているものの、Jeff Beck(ジェフ・ベック)のブルーズの枠を飛び出したソウルフルで、どちらかと言うとアメリカンなサウンド、そしてLED ZEPPELINのあくまでもブルーズを基調としながらトラッド等(1st、2ndにおいてはJimmy Page/ジミー・ペイジの資質に因る所が多い)、英国の伝統的な音楽といった、如何にも英国のバンドらしいサウンドを発展させるという根本的な部分での方向性も違い、上手くいけば1970年代を代表する2大ロック・バンドとして棲み分けも充分可能で、本来なら両雄並び立った可能性もあったのではないかと思われます。
 しかし、プレイヤーとしては優れた能力とアイディアを持つものの、残念ながらJeff Beckのバンド運営能力、プロデュース能力の低さ、Jeff Beck自身の作曲能力の無さ、そしてなんと言っても気まぐれで我侭な性格が稀代のロック・バンド、THE JEFF BECK GROUPをその実力、功績に見合わない存在へと徐々に貶めてしまいます。『Beck-Ola』という充実したアルバムを発表したとはいえ、バンドの実情は度重なるドラマーの交代、本職のベーシストからも評価された(本来ギタリストである)Ron Wood(B.ロン・ウッド)の気紛れとしかいえない解雇、再雇用など、名プレイヤーNicky Hopkins(Key.ニッキー・ホプキンス)を正式メンバーに加えることに成功したにも拘らず(『Beck-Ola』発表後まもなく脱退)、Rod Stewart(Vo.ロッド・スチュワート)以外のメンバーは流動的。これでは安定した活動は望むべくも無く、ロック・バンドの成功がアメリカでの成功を意味し、数多のロック・バンドが過酷なアメリカン・ツアーを繰り返した当時においては致命的。その上、コンサートのギャラがメンバーに支払われない事もあり、音楽面以外でのJeff Beckを中心としたメンバー間の確執も多々あったことから成功どころかバンドの存続すら危ぶまれる状況もあったようです。ギャラの未払いなどというトラブルはJeff Beckというよりマネージメント・サイドの問題ではありますが、一連の問題はJeff Beckの傍若無人ともいえるバンド運営から起因しているのは間違いの無いところ。そして、思い通りに進まない自らのバンド運営とLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)の圧倒的な成功を目の辺りにしたJeff Beckはショックと苛立ちからアメリカン・ツアー中にバンド解散を宣言して帰国、出演が決まっていた『Woodstock Music and Art Festival(ウッドストック・フェスティヴァル)』もキャンセルしてしまいます。

Vanilla Fudge その後、Rod Stewartを呼び戻してVANILLA FUDGE(ヴァニラ・ファッジ)の強力なリズム隊、Tim Bogert(ティム・ボガート)、Carmine Appice(Dr.カーマイン・アピス)を加えてTHE JEFF BECK GROUPの立て直しを図るも流石にRod Stewartがバンドに戻ることも無く、Rod StewartとRon WoodはJeff Beckのもとを去り、Steve Marriott(V0,G.スティーブ・マリオット)がHUMBLE PIEハンブル・パイ)結成のために抜けたTHE SMALL FACES(スモール・フェイセズ)へ参加。LED ZEPPELIN云々以前に、多くの可能性を秘めた実力派メンバーと優れた音楽性を持つスーパー・グループを手にしながら、ビッグ・スターへの道を自ら絶ってしまうという結末を迎えてしまいます。(その後Jeff Beckの自動車事故により、Tim BogertとCarmine Appiceとのバンド結成自体も頓挫。) 

*個人的にはアルバム2枚で解散してしまう第1期THE JEFF BECK GROUP(ジェフ・ベック・グループ)が、もしその後も存続していたとしてもJeff Beckのワンマン・バンドでありながら、プロデュース能力の低さ、Jeff Beck自身に作曲能力が殆ど無いことなどから、Jimmy Pageの豊富なアイディアに加え、その他のメンバーも作を重ねるにつれて創造力を発揮させていったLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)の様な発展性は、ワンマン・バンドが故に無かったのではないかとも思いますが、あまりにも魅力的な第1期THE JEFF BECK GROUPの音楽をもう少し残しておいて欲しかったと思います。


Truth & Beck-Olaトゥルース&ベック・オラ
ジェフ・ベック・グループ
EMIミュージック・ジャパン 1999-09-29

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comments

axis_009さん、はじめまして。
どうぷと申します。

このアルバム、録音状態の悪さから来る勢いがあってかっこいいですね。この後に続く「ラフアンドレディ」「オレンジアルバム」も更にファンキーさが増していて、ジェフとコージーの絡みも最高です。コージーのこの時期は最近ではあまり語られることはありませんが...。

当方もしがないブログを運営しております。アクセスしていただければ幸いです。また、リンクを貼らせていただく事は可能でしょうか。よろしくお願いいたします。

どうぷさん、こんにちは。
コージー・パウエル等と組んだ第二期ジェフ・ベック・グループも良いですね。ロッド・スチュワートと組んだ第1期に較べると音楽性もイメージ的にも地味ですが、個人的には第2期の方が好きなんですよ。

>>リンクを貼らせていただく事は可能
コチラからもリンク貼っておきますね。よろしくお願いします。

  • axis_009@管理人
  • 2007年12月05日 10:24


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