2010年06月01日
Let's Dance/DAVID BOWIE (デヴィッド・ボウイ)
![]() | Let's Dance [ENHANCED CD] David Bowie Virgin 1999-08-26 |
[試聴]iTunes Music Store - DAVID BOWIE
ブロードウェイ版『エレファントマン』への出演、大島渚監督の映画『戦場のメリークリスマス
』(1983年)への主演など、音楽活動から意識的に遠ざかっていたDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)がNile Rodgers(ナイル・ロジャース/CHIC/シック)を共同プロデュースに迎えて製作したポップなダンス・チェーン満載の大ヒット・アルバム『Let's Dance(レッツ・ダンス)』(1983年)。
1. Modern Love
2. China Girl
3. Let's Dance
4. Without You
5. Ricochet
6. Criminal World
7. Cat People (Putting out Fire)
8. Shake It
David Bowieのセクシーでダンディズム溢れる歌声と時代の寵児Nile Rodgersの作り上げたタイトなリズムは、グラム・ロック(『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars』他)~ファンク期~ベルリン3部作(『Low(ロウ)』、『Heroe(ヒーローズ)』、『RODGER(ロジャー)』)に続くDavid Bowieの新たな方向性を決定付けるかに見えましたが、コマーシャリズムに侵された『Let's Dance』路線は大ヒットしたが故にDavid Bowie自身の創作への意欲を奪う結果となった上、それまでも音楽的な変わり身の早かったDavid Bowieではありますが、常に時代の先端を行く創作活動を行っていた事を考えると『Let's Dance』は既に流行していた音楽をDavid Bowieがボウイ風に解釈、消化したサウンド。流行音楽への後追い感も強く、グラム・ロック・ブーム終焉後もDavid Bowieを支持し続けてきたファンに違和感を持たれる事にもなり、幾つもの収録曲をヒット・チャートに送り込んで新たなファン層を広げる大成功したアルバムとなってDavid Bowieをカルト的なスターという存在からメジャーな存在に押し上げた作品とはいえ、『Let's Dance』路線後の活動状況の停滞を考えるとDavid Bowieの音楽キャリアにおいては結果的に大きなマイナスともいえる転換期となったアルバムです。
このアルバムでDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)を聴き始めた人も多いであろうDavid Bowieを本当の意味でのメジャーにした作品であり、アルバムの出来もNile Rodgers(ナイル・ロジャース)とDavid Bowie自身が"David Bowieというキャラクター"を上手く生かした本当に良く出来た高品質のアルバムですが、個人的には(多くの古くからのファンと同様に)David Bowieが「地球に落ちてきた」的な印象を非常に強く受けてしまったアルバムでもあります。
それまでのDavid Bowieは、妖しさと怪しさ、そしてクレバーさが同居したDavid Bowieにしか表現できない、ちょっと胡散臭いんだけど、独特の音楽世界を創り上げてきたのではなかったかと思いますが、この作品『Let's Dance』はDavid Bowieじゃなくても、例えば実はこの手のものならBryan Ferry(ブライアン・フェリー/ROXY MUSIC/ロキシー・ミュージック)が歌っていても売れていたんじゃないか、などと不埒なことを考えさせられるところがあって、そういう意味ではプロフェッショナルなソング・ライター・チームが様々なミュージシャンやバンドに優れた楽曲を提供してヒット曲を連発した80年代以降の商業主義的なロックと同質の香りもあり、カリスマ的な魅力を持った孤高の存在だったDavid Bowieを売れることと引き替えに俗っぽい存在へと貶めてしまった作品だったと言えるかも知れません。
![]() | Let's Dance [ENHANCED CD] David Bowie Virgin 1999-08-26 |
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![]() | The Rise And Fall Of Ziggy Stardust (EMI) [ENHANCED CD] David Bowie Virgin 1999-08-26 |
■関連記事→ The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars/DAVID BOWIE
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- by axis_009
- at 12:17
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しかし、John Sykes(ジョン・サイクス)はアルバム発表前に辞めてしまいPVなどは(ほとんど録音に参加していない)ヘビメタ・オールスターズ、昔で言えばスーパー・グループといった陣容になり、ツアーもこのメンバーで行います。これは個人的な想像なんですが、前々作あたりからバンドメンバーも流動的で固定できず、やっとJohn Sykesを引き入れて作り上げた『サーペンス・アルバス』も自らの病気やトラブルでなかなか発表できないし、そうしているうちにJohn Sykesは辞めてしまうし(解雇?)、でDavid Coverdale(デイヴィッド・カヴァーデイル)は「こうなったとことん派手に遣ってやる(もしくは、売れてやる)」と自棄になってしまったとしか思えません(笑)。



さすがに個性派Todd Rundgren(トッド・ラングレン)のプロデュースということでTodd Rundgren色も強く、ある意味XTCを素材にしてTodd Rundgrenが仕上げたTodd Rundgrenのアルバムでは無いかと思える部分も多々あります。しかし、アルバム製作中にAndy Partrige(アンディー・パートリッジ)とTodd Rundgrenが対立したとはいえ、XTC自身のその後の音楽に少なからず影響を与えていることは後のアルバムを聴くと間違い無いことだと思います。

