Search


Recent Entries

  1. Foghat Live/FOGHAT (フォガット)
  2. The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars/DAVID BOWIE (デヴィッド・ボウイ)
  3. Live at Leeds/THE WHO (ザ・フー)
  4. The Slider/T.REX (T・レックス)
  5. Master of Reality/BLACK SABBATH (ブラック・サバス)
  6. Never a Dull Moment/ROD STEWART (ロッド・スチュワート)
  7. Fire and Water/FREE (フリー)
  8. A Night at the Opera/QUEEN (クイーン)
  9. Something/Anything? TODD RUNDGREN (トッド・ラングレン)
  10. Live January 1973/URIAH HEEP (ユーライア・ヒープ)
  11. Performance/HUMBLE PIE (ハンブル・パイ)

クレジットカード




クレジット・カードはメインとサブの2枚を持つのが基本。それ以上の枚数を持っていても、年会費だけ払って使う機会がなかったり、各カードのポイントも分散されて無駄になってしまうだけです。
現在、個人的にオススメの組合せは、プライベート、そしてビジネスに、あらゆる場面で使える"三井住友VISAカード"と永久年会費無料の"楽天カード"の組合せです。VISAとJCBの両方が持てるように楽天KCカードはJCBを選んでおくのがベスト!!

February 10, 2008

Foghat Live/FOGHAT (フォガット)

Foghat LiveFoghat Live
Foghat
JVC Victor 1990-10-25

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
Foghat [試聴]iTunes Music Store - FOGHAT


 イギリスのブルース・ロック・バンドSAVOY BROWN(サヴォイ・ブラウン)の元メンバー、Lonsome Dave Peverett(Vo,G.ロンサム・デイヴ・ペヴァレット)、Tony Stevens(B.トニー・スティーヴンズ)、Roger Earl(Dr.ロジャー・アール)に元THE BLACK CAT BONES(ブラック・キャット・ボーンズ)のRod Price(G.ロッド・プライス)を加えて結成された、STATUS QUO(ステイタス・クォー)と並ぶイギリスの2大ハード・ブギー・バンドの一方の雄、"FOGHAT"(フォガット)が1977年に発表した名作ライブ・アルバム。
 人気がピークに達した当時のベスト選曲で、エネルギッシュ、且つハードに、アルバムの冒頭からラストまで怒涛の勢いで疾走するブギー・スタイルのハード・ロックは、ロック・ファンにとって一聴の価値のあるアルバムに仕上がっており、FOGHATの入門編、且つ完結編的内容ともなっています。


1. Fool for the City
2. Home in My Hand
3. I Just Want to Make Love to You
4. Road Fever
5. Honey Hush
6. Slow Ride

Lonsome Dave Peverett :Vo,G (ロンサム・デイヴ・ペヴァレット)
Rod Price :G (ロッド・プライス)
Roger Earl :Dr (ロジャー・アール)
Craig Macgregor :B (クレイグ・マクレガー)

foghat 金太郎飴的なハード・ブギーを聴かせるFOGHAT(フォガット)の、悪く言えば一本調子でB級バンド感いっぱいなサウンド。しかし、そこには嵌れと止められない魅力があり、イギリスのバンドながら、ツイン・ギターをメインにしたサザン・ロック的な泥臭さを持ったアメリカン・ロック・バンドと言っても良いほどの開放的でスケールの大きいロック・サウンドで、70年代中盤にアメリカで短いながらも人気のピークを迎えます。イギリスの2大ハード・ブギー・バンドとして並び称された、同じブルース・ロックを根に持ちながら、あくまでもブリティッシュ・ロックを基調とし、イギリスの国民的バンドにまで上り詰めたSTATUS QUO(ステイタス・クォー)とは対照的なアメリカ志向のバンドです。
 こうしたライブ盤を聴く事によってFOGHATのコンサートの高揚感と楽しさが幾らかでも伝わってはきますが、生のライブを体感して畳み掛けるような大音響のブギのリズムを体に叩き込まれて初めて本当の良さが分かる肉体派のサウンドであり、サウンド的には日本人が好みそうなハード・ロックにも拘らず、全盛期に来日公演が無かったためか、日本では殆ど知名度も人気がないというのは残念。是非ハード・ロック・ファンには一度耳を通しておいて欲しいバンドです。

 「これしかない」とでも言わんばかりのハード・ブギー(実際にコレばっかり)、ポップなメロディーと爽快感の塊のようなサウンドは、正にB級バンドの極みでもあり、一般のロック・ファンにとっては、スタジオ盤の代表作『Fool for the City』(1975年発表)か本作『Foghat Live』(1977年発表)を聴いておけばFOGHATに関してはOK、と言っても過言でもありませんが、そこはやはり奥の深いブリティッシュ・ロックの流れを汲むバンド。このFOGHATも聴き込めば、豪快でシンプルな演奏の根底には、ノリ一発のB級アメリカン・バンドとは一癖も二癖も違う王道ブリティッシュ・ロック・サウンド、そして一流のホワイト・ブルース・バンド出身という確かなテクニックが秘めらた、偉大なるワン・パターン、"one of them"ではないFOGHATならではのオリジナリティとポリシーを持った"only one"の世界を創り上げています。

 代表曲"Fool for the City"、"Slow Ride"。THE YARDBIRDS(ヤードバーズ)が演奏した"Train Kept a rollin'"のリフを中途半端に発展させて最大級にブーストさせたかのような"Honey Hush"(この辺にもB級バンドらしさが漂う)他全6曲。怒涛のハード・ブギーが詰まったストレス発散用、ドライブ中には注意が必要な一家に一枚的アルバムです。


B0000032ATThe Best of Foghat
Foghat
Rhino 1990-10-25


Status Quo LiveLive
Status Quo
Vertigo 2005-04-19


Status Quo [試聴]iTunes Music Store - STATUS QUO


 FOGHAT(フォガット)が『Foghat Live』なら、STATUS QUO(ステイタス・クォー)は『Live』(1977年発表)。『Foghat Live』同様にベスト選曲で、こちらも名盤の誉れ高いライブ・アルバムです。50歩100歩ではあるものの、FOGHATのサウンドに較べると飽きの来ない、ブリティッシュ寄りのハード・ブギー・サウンドが楽しめます。
 但、どうせハード・ブギーを聴くなら個人的には外連味の無い爆走サウンドのFOGHATの方が好みではありますが…。


B000CR8RDIStatus Quo Story
Status Quo
Umvd Import 2006-04-04


| HOME |

March 2, 2007

The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars/DAVID BOWIE (デヴィッド・ボウイ)

B0000AZAUMZiggy Stardust
David Bowie
Virgin Records Us 2003-10-21

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
David Bowie [試聴]iTunes Music Store - DAVID BOWIE


屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群
 Bob Dylan(ボブ・ディラン)の影響を受けた音楽創作活動を行っていたDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)が、パントマイムを始めとする演劇的素養、派手な衣装やメイクで行うパフォーマンスでDavid Bowieより一足先にメジャーな存在となっていたライバル、Marc Bolan & T.REXマーク・ボラン & T・レックス)のグラム・ロックの要素を取り入れ、自らZiggy Stardust(ジギー・スターダスト)という架空のロック・スターに扮し、火星からやってきたロック・スターと彼が率いるThe Spiders from Mars(スパイダー・フロム・マーズ)の栄光と没落を描いたコンセプト・アルバム『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』。
 1972年に発表された本作は斬新なアイディアと共に完成度の高い優れた内容によって話題を呼び、それに伴うツアーでも大幅に演劇的要素を取り入れて無性的なZiggy Stardustを演じ切ったDavid Bowieは一躍Marc Bolanと並ぶグラム・ロックの代表するロック・スターに上り詰め、本作も後のアーティストに多大な影響を与えることとなる1970年代を代表するアルバムとなりました。


1. Five Years
2. Soul Love
3. Moonage Daydream
4. Starman
5. It Ain't Easy
6. Lady Stardust
7. Star
8. Hang On To Yourself
9. Ziggy Stardust
10. Suffragette City
11. Rock & Roll Suicide

Ziggy Stardust & the Spiders from Mars :
David Bowie :vo.デヴィッド・ボウイ
Mick Ronson :g.ミック・ロンソン
Trevor Bolder :b.トレヴァー・ボルダー
Mick Woodmansey :dr.ミック・ウッドマンジー

Spiders from Mars 不朽の名盤『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』の発表により、グラム・ロック・ブームの中でMarc Bolan(マーク・ボラン)と並ぶ2大スターの地位を手に入れたとは言え、実際にはヒット・シングル連発のシングル・アーティストMarc Bolanと比較するとDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)は本作からのシングル・カット"Starman"が全英5位を記録する程度で、Marc Bolanの活躍が余りにも派手だったとは言え、シングル・チャート・アクション的には地味。Marc Bolanがポピュラーな人気を誇ったのとは対照的にDavid Bowieは作品の質の高さからアーティスティックなカルト的人気の高いアルバム・アーティストと言えます。
 また、大きな成功を収めて栄華を極めながらグラム・ロック・ブームの終焉と共に儚く散った、あえて言ってしまうと単なるグラム・ロッカーに過ぎなかったMarc Bolanに対して、当時流行しつつあったグラム・ロックという要素を自己表現の方法のひとつとして取り入れて見事に消化したDavid Bowieのアーティストとしての創造性の部分で根本的に大きな差があり、ブーム後の両者の対応の仕方を見てもそれは明らかです。(決してMarc Bolanが劣っていたと言っているわけではなく、ポップ・スターとして派手に一時代を築いて太く短く生きたMarc Bolanはグラム・ロックしかなかったからこそロック・ミュージックの歴史に残る偉大なアーティストの一人であったと思います。)

David Bowie & Mick Ronson David Bowie(デヴィッド・ボウイ)は『Ziggy Stardust』発表後もZiggy Stardust(ジギー・スターダスト)というキャラクターを演じ続け、次作『Aladdin Sane(アラジン・セイン)』(1973年)では更にハードに、そして耽美でグラマラスなサウンドに発展させて人気を確実なものとします。しかし、グラム・ロック・ブームに陰りが見えるとあっさりとZiggy Stardustというキャラクターを捨ててオーソン・ウェルズの小説『1984』を題材にした『Diamond Dogs(ダイヤモンド・ドッグス)』(1974年・半人半獣のDiamond Dogsというキャラクターを演じる)を最後にグラム・ロックと決別してアメリカに渡り、ソウル、ファンクを取り入れた『Young Americansヤング・アメリカンズ)』(1975年)を発表。John Lennon(ジョン・レノン)作の"Fame"で全米1位を獲得してグラム・ロックには全く関心を見せなかったアメリカのミュージック・シーンでの成功を収めます。引き続きDavid Bowie自身が「プラスチック・ソウル」と呼んだファンク路線で発表した『Station to Station(ステイション・トゥ・ステイション)』(1976年)では全米3位、そして全英でも5位を獲得するというグラム・ロック期以上のビッグ・スターの地位を獲得します。

Heroes Tour しかし、ここまでの流れだと流行に敏感で計算も出来、そしてそれを実現できるだけのアーティストとしての才能と創造力を持った優れたミュージシャンが才能に見合うだけの成功を収めたという話なのですが、ここからがDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)の面白いところ。スターというポジションに嫌気が差したのか、アーティストとして求める方向が変化してしまったのか、それともファンク路線でやるべき事をやり尽くしたと考えたのか、突如としてベルリンに渡り、奇才Brian Eno(ブライアン・イーノ/ROXY MUSIC/ロキシー・ミュージック)をパートナーにRobert Fripp(ロバート・フィリップ/KING CRIMSON/キング・クリムゾン)などのミュージシャンをゲストに迎えてアーティスティックなアルバム群の製作を始めます。(所謂「ベルリン3部作」 - 『Low(ロウ)』『Heroes(ヒーローズ)』『RODGER(ロジャー)』)この時期のDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)は目立ったヒットシングルもなく一般的な認知度も低く低迷期と思われがちですが、David Bowieの創作活動において最も充実した時期であるとする人も多く、特にベルリンの壁を題材にした『Heroesヒーローズ)』(1977年)は『Ziggy Stardust』と並ぶDavid Bowieの傑作アルバムの1つとなっています。
 しかし、アーティスティック路線でDavid Bowieの音楽を確立して、セールス的には恵まれないものの充実した音楽活動を行っていたのにも拘らず、ここでも再びDavid Bowieは新たな方向転換を行い、次に発表したのがポップな要素を多分に含み、ニューウェーブを視野に置いた『Scary Monsters(スケアリー・モンスターズ)』(1980年)。そして、1983年に発表したのがその後のDavid Bowieのイメージを決定付けた当時のヒット・メイカー、Nile Rodgers(ナイル・ロジャース)をプロデューサーに起用した売れ線サウンドの大ヒットアルバム『Let's Danceレッツ・ダンス)』です。ここで突如としてこうした路線変更がどういった理由で行われたのかは分かりませんが、『Let's Dance』ブーム後、既存の楽曲を捨て去り1989年に結成したロック・バンド、TIN MACHINEティン・マシーン)の失敗など、あれだけ時代への対応力のあったDavid Bowieが迷走を始めてしまいます。常に上手く時代の流れを呼んで時代の先端を行き、しかもその都度、質の高い作品を作り上げてしまうことが出来る才能を持ってしまったDavid Bowieが、『Let's Dance』に関しては売れてしまった後で自身の本質とはかけ離れた作品であったことに気付いた心理的な迷いによる『Let's Dance』後の迷走ではないかとも思えますし、そういう意味では、もしかすると嘗てのグラム・ロック時代、アメリカに渡ってのファンク時代、ベルリン3部作などのDavid Bowieの全キャリアにおける度重なる路線変更も、ただ単に売れることを考えていただけではなく、David Bowie自身の実体が無いが故の自分自身を模索する作業ではなかったのかとも思えます。


B00070DK5AStage
David Bowie
Virgin 2005-03-15

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
David Bowie [試聴]iTunes Music Store - DAVID BOWIE


 代表作『Ziggy Stardust(ジギー・スターダスト)』収録曲を始めとするグラム・ロック期のヒット曲の数々、Brian Eno(ブライアン・イーノ)との問題作『Low(ロウ)』、そして『Ziggy Stardust』と並んでDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)の最高傑作に挙げる人の多い『Heroe(ヒーローズ)』収録曲など、1970年代のDavid Bowieの活動を統括したようなベスト選曲の1978年発表のライヴ・アルバム。(1977年、"Heroe"ツアーを収録)
 Carlos Alomar(G.カルロス・アロマー)、Adrian Bewley(G.エイドリアン・ブリュー)、Roger Powell(Key.ロジャーパウエル)等が参加したバンドの演奏も良く、スタジオ盤ほどの緊張感、シリアスさは感じられませんが、間違いなくDavid Bowieのキャリアにおける最高のパフォーマンスを収めた傑作ライブ・アルバムです。


B0000AZAUSLet's Dance
David Bowie
Virgin Records Us 2003-10-21

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
David Bowie [試聴]iTunes Music Store - DAVID BOWIE


 ブロードウェイ版『エレファントマン』への出演、大島渚監督の映画『戦場のメリークリスマス』(1983年)への主演など、音楽活動から意識的に遠ざかっていたDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)がNile Rodgers(ナイル・ロジャース/CHIC/シック)を共同プロデュースに迎えて製作したポップなダンス・チェーン満載の大ヒット・アルバム『Let's Dance(レッツ・ダンス)』。
 David Bowieのセクシーでダンディズム溢れる歌声と時代の寵児Nile Rodgersの作り上げたタイトなリズムは、グラム・ロック~ファンク期~ベルリン3部作(『Low(ロウ)』、『Heroe(ヒーローズ)』、『RODGER(ロジャー)』)に続くDavid Bowieの新たな方向性を決定付けるかに見えましたが、コマーシャリズムに侵された『Let's Dance』路線は大ヒットしたが故にDavid Bowie自身の創作への意欲を奪う結果となった上、それまでも音楽的な変わり身の早かったDavid Bowieではありますが、常に時代の先端を行く創作活動を行っていた事を考えると『Let's Dance』は既に流行していた音楽をDavid Bowieがボウイ風に解釈、消化したサウンド。流行音楽への後追い感も強く、グラム・ロック・ブーム終焉後もDavid Bowieを支持し続けてきたファンに違和感を持たれる事にもなり、幾つもの収録曲をヒット・チャートに送り込んで新たなファン層を広げる大成功したアルバムとなってDavid Bowieをカルト的なスターという存在からメジャーな存在に押し上げた作品とはいえ、『Let's Dance』路線後の活動状況の停滞を考えるとDavid Bowieの音楽キャリアにおいては結果的に大きなマイナスともいえる転換期となったアルバムです。

 このアルバムでDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)を聴き始めた人も多いであろうDavid Bowieを本当の意味でのメジャーにした作品であり、アルバムの出来もNile Rodgers(ナイル・ロジャース)とDavid Bowie自身が"David Bowieというキャラクター"を上手く生かした本当に良く出来た高品質のアルバムですが、個人的には(多くの古くからのファンと同様に)David Bowieが「地球に落ちてきた」的な印象を非常に強く受けてしまったアルバムでもあります。
 それまでのDavid Bowieは、妖しさと怪しさ、そしてクレバーさが同居したDavid Bowieにしか表現できない、ちょっと胡散臭いんだけど、独特の音楽世界を創り上げてきたのではなかったかと思いますが、この作品『Let's Dance』はDavid Bowieじゃなくても、例えば実はこの手のものならBryan Ferry(ブライアン・フェリー/ROXY MUSIC/ロキシー・ミュージック)が歌っていても売れていたんじゃないか、などと不埒なことを考えさせられるところがあって、そういう意味ではプロフェッショナルなソング・ライター・チームが様々なミュージシャンやバンドに優れた楽曲を提供してヒット曲を連発した80年代以降の商業主義的なロックと同質の香りもあり、カリスマ的な魅力を持った孤高の存在だったDavid Bowieを売れることと引き替えに俗っぽい存在へと貶めてしまった作品だったと言えるかも知れません。


B00006J3KTThe Best of Bowie
David Bowie
Emi 2002-11-04

[試聴] The Best of Bowie
David Bowie [試聴]iTunes Music Store - DAVID BOWIE


 David Bowie(デヴィッド・ボウイ)のグラム・ロック期、ソウル・ファンク期、ベルリン3部作、ダンス・ポップ期の全キャリアの中から代表曲ばかりを集めたベスト・アルバム。
 David Bowie入門編としては最適な内容ではありますが、しかしDavid Bowieの音楽性の変化が大きい為、個人的にはDavid Bowieのファンがヒット曲の数々を気軽に聴くためのアルバムではないかと思います。David Bowie初心者の方はグラム・ロック期『Ziggy Stardust(ジギー・スターダスト)』、ソウル&ファンク期『Young Americans(ヤング・アメリカンズ)』、アート・ロック期『Heroe(ヒーローズ)』、1980年代のダンス・ミュージック期『Let's Dance(レッツ・ダンス)』辺りのアルバムから好みに合わせて入るのがお勧めです。


| HOME |

October 7, 2006

Live at Leeds/THE WHO (ザ・フー)

B00005NB0HLive at Leeds - DELUXE Edition
The Who
MCA 2001-09-18

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
ザ・フー - Live at Leeds [試聴]iTunes Music Store - Live at Leeds


 モッズ・ファッションで身を包み、他のバンドを圧倒するライブ演奏力とギターやドラムを破壊するパフォーマンスで1960年代から1970年代にかけて欧米でTHE BEATLESザ・ビートルズ)、THE ROLLING STONESザ・ローリング・ストーンズ)と並ぶ人気を誇り、1982年に一旦解散した後も幾度かの再結成を行い現在もロック界の重鎮として活動を続けるTHE WHO(ザ・フー)が、ライブ・レコーディング前提で1970年にリーズ大学の食堂を利用して少数の観客の前で行った公演を収録したTHE WHOのライブの魅力を全て詰め込んだ歴史的名盤です。


Disc1
1. Heaven & Hell *
2. I Can't Explain *
3. Fortune Teller *
4. Tattoo *
5. Young Man Blues
6. Substitute
7. Happy Jack *
8. I'm A Boy *
9. A Quick One,While He's Away *
10. Summertime Blues
11. Shakin' All Over
12. My Generation
13. Magic Bus

Disc 2
『Tommy』 20songs

Roger Daltrey :vo.ロジャー・ダルトリー
Pete Townshend :g.ピート・タウンゼント
John Entwistle :b.ジョン・エントウィッスル
Keith Moon :dr.キース・ムーン


 イマジネーションとアイディア溢れるギター・ワークを派手なアクションで決めるバンドの頭脳Pete Townshend(g.ピート・タウンゼンド)。ジェイムス・ブラウンの影響が垣間見えるソウルフルな唱法と熱狂的なシャウト、ルックス的にもスター性抜群のRoger Daltrey(vo.ロジャー・ダルトリー)。ディストーションを効かせたベースをリード・ギターのように掻き鳴らすJohn Entwistle(b.ジョン・エントウィッスル)。ハイハットを使わない独特のドラム奏法(マーチング・ドラムに影響を受けたのではないかと思われます)で異常に高いテンションで超絶テクニックを連発しながら、リズム・キープに止まらず、ギター、ベース、ドラムという最小編成での演奏をカバーして余りある、ドラムをまるでメロディー楽器のように操る奇才Keith Moon(dr.キース・ムーン)。
 ロック・ミュージシャンとして優れた才能、個性を備えた4人のメンバーによって1964年に結成されたTHE WHO(ザ・フー)はデビュー・シングル"I Can't Explain"のヒット以来、代表曲の1つであり当時イギリスで流行したモッズの合言葉にもなった"My Generation"などのシングル・ヒットを連発。ライブ演奏のレベルも当時のロック・バンドの中では非常に高く、スタジオ盤以上の圧倒的な迫力を持って演奏されるヒット曲、凄まじく破壊的なパフォーマンス(実際にギター、アンプなどを叩き壊してしまう)にロック・ファンは熱狂。たちまちトップ・バンドへ駆け上がります。

 本作『Live at Leeds(熱狂のライブ)』は、それまでヒット・ソング・グループであったTHE WHOが本格的なコンセプト・アルバム、ロック・オペラ『Tommy(トミー)』(1969年)を発表してアルバム・アーティストとして高い評価を得て、演奏力、創造力共に全盛期にあった時期の演奏を収めたロック史上に残る名作ライブ・アルバムです。
 アルバム発表当時は約40分弱、全6曲がアルバム1枚に凝縮された形で発売されましたが、発売25周年リマスター盤の『Live at Leeds - 25th Edition』でそれまで未発表だった7曲が追加され(上記収録曲の*印)、現在ではロック・オペラ『Tommy(トミー)』の収録曲をほぼ全曲演奏したライブ・テイクがDisc 2として追加された完全版『Live at Leeds - Deluxe Edition』が発売されています。

The BBC SessionsThe BBC Sessions 1965-1973
The Who

 上記『Live at Leeds』はハード・ロック全盛の1970年の発表ということもあり、特に当初収録されていた6曲に関しては(バンド自身もハード・ロック・サウンドに影響を受けて)ハードな面を強調した演奏になっており、当時欧米に較べて評価、人気ともに低く、あまり理解されていなかった日本ではヒットした『Live at Leeds』での演奏によってTHE WHO(ザ・フー)はハード・ロック・バンド的な捉えられ方をしていましたが、実際には2003年になって発表された『The BBC Sessions 1965-1973(BBCセッションズ)』で聴くことの出来る演奏が本来のTHE WHOの音楽といえます。
 現在BBC Sessionsはシリーズ化されて色々なバンドの音源が発掘されて発売されていますが、個人的にはこの『The Who :The BBC Sessions 1965-1973』はLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)の『The BBC Sessions』と並ぶ名盤であり、THE BEATLES(ザ・ビートルズ)などと並び評されるTHE WHOのブリティッシュ・ロック・バンドとしてのポップな面、ビート感、そして独特の捻くれ方など、THE WHOの魅力を余す事無く堪能できるアルバムだと思います。


Tommy (1969)

B000007621Tommy
The Who
Polydor 2000-10-30

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
ザ・フー - Tommy [試聴]iTunes Music Store - Tommy


 Pete Townshend(g.ピート・タウンゼント)のコンセプトを元に作り上げられた壮大なロック・オペラ『Tommy(トミー)』。THE WHO(ザ・フー)を代表する名盤の1つで、その世界観は後にオーケストラでの演奏ヴァージョン、Roger Daltrey(vo.ロジャー・ダルトリー)主演による映画化、そしてミュージカル化など幅広く拡がっていきます。


The Ultimate Collection

B000065UFDThe Ultimate Collection
Who
Mca 2002-06-11

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
ザ・フー - The Who: Ultimate Collection [試聴]iTunes Music Store - The Who: Ultimate Collection


 ヒット・ソング・グループであった初期THE WHO(ザ・フー)の魅力溢れるシングル曲、そして全キャリアにおける代表曲を聴くことの出来るベスト盤。
 こういったコンピレーション盤は、誰もを満足させることは不可能だとしても、選曲的に不満が残るものも多いのですが、この2枚組のCDは選曲の割り切り方がハッキリしており、数あるTHE WHOのベスト盤の中でもTHE WHO入門編としても、長年のファンの方がベスト盤を1枚持っておきたいと考えた時に選ぶCDとしてもお勧めではないかと思います。


Who's Next (1971)

B000002OX7Who's Next
The Who
MCA 1995-11-07

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
ザ・フー - Who's Next [試聴]iTunes Music Store - Who's Next


 Pete Townshend(g.ピート・タウンゼント)自らも語るTHE WHO(ザ・フー)の最高傑作。『Tommy(トミー)』に続く構想として映画化前提で制作に入りながら、余りにもスケールが大きすぎたため未完成に終わった『Lifehouse』の収録予定曲を集めたのが本作『Who's Next(フーズ・ネクスト)』です。パワフルな演奏と新たにシンセサイザーを導入するなど、更に音楽の幅も広がり『Tommy』後の充実期ということもあり各楽曲の完成度は高く、全英1位、全米4位となる大ヒットを記録した名盤です。もし『Lifehouse』が完成していたら遥かに『Tommy』を超える作品になったことは疑うべくも無い程の傑作。
 THE WHOの代表作としては話題性、その後の影響力から『Tommy』があげられることが多いのですが、その時代ならでは評価というものもあり、新たにTHE WHOを聴いてみようと考えている方はライブの傑作『Live at Leeds(熱狂のライブ)』と本作『Who's Next』から聴いた方がTHE WHOの魅力がきちんと伝わるのではないかと思います。

Who's NextWho's Next - DELUXE Edition
The Who


| HOME |

September 30, 2006

The Slider/T.REX (T・レックス)

B000BH4YFEThe Slider
T. Rex
Rhino/WEA 2005-11-08

[日本盤] スライダー/T・レックス

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
ティー・レックス [試聴]iTunes Music Store - T.REX


 1971年に発表した、大ヒット曲"Get It On (Bang A Gong) "を収録する2ndアルバム『Electric Warrior(電気の武者)』でDavid Bowieデヴィッド・ボウイ)と共に1970年代のイギリスにグラム・ロック・ブームを巻き起こしたMarc Bolan(マーク・ボラン)率いるT.REX(T・レックス)が、1970年のシングル"Hot Love"以降、9曲連続トップ・テン・ヒットを飛ばしてポップ・スターとしての人気を極めた1972年に発表した『The Slider(ザ・スライダー)』。
 派手なファッションやメイクなどのきらびやかなイメージとMarc Bolanの持って生まれたスター性、前作で確立したT.REX独特のボラン・ブギーとしか言い様の無いリズム、そしてプロデューサーのTony Visconti(トニー・ヴィスコンティ)によって施された意識的に崩されたアレンジと安っぽい人工的なサウンド。それらの要素が一つになってT.REX独自の音楽世界を作り上げています。また、曲調に合わせて感覚的に付けられた、あまり意味を持たないMarc Bolanによる造語のような楽曲タイトルもユニークです。


1. Metal Guru
2. Mystic Lady
3. Rock On
4. Slider
5. Baby Boomerang
6. Spaceball Ricohet
7. Buick Mackane
8. Telegram Sam
9. Rabbit Fighter
10. Baby Strange
11. Ballrooms of Mars
12. Chariot Choogle
13. Main Man
14. Cadilac
15. Thunderwig

Marc Bolan :vo,g (マーク・ボラン)
Mickey Finn :per (ミッキー・フィン)
Steve Currie :b (スティーブ・カーリー)
Bill Legend :dr (ビル・レジェンド)

T.REX T.REX(T・レックス)は1967年にMarc Bolan(vo,g.マーク・ボラン)がSteve Peregrine Took(per.スティーヴ・トゥック)と組んだ風変わりなフォーク・ソングでイギリスのアンダーグラウンドの音楽シーンで人気を集めたTyrannosaurus Rex(ティラノザウルス・レックス)が前身。1970年にエレクトリック・サウンドを導入して、相棒をMickey Finn(per,b.ミッキー・フィン)に代えると共にバンド名も省略してT.REXに改名。きらびやかでグラマラスなイメージで一躍トップ・スターの仲間入りを果たします。しかし、1972年をピークにグラム・ロック・ブームは徐々に衰退、T.REXの人気も1974年を境に凋落。元々David Bowieデヴィッド・ボウイ)程の音楽的素養も持たず、初期のヒット・シングル以降も音楽的発展を見る事無く、人気絶頂期のみに許されたワン・パターンから脱却することも出来ず、試行錯誤しながらも戦略的に上手く方向転換してスターとして存在し続けることに成功したDavid Bowieとは明暗を分けることとなります。
 その後、1977年にマンチェスターのグラナダTVの音楽番組「MARC」で司会を担当することにより再び注目を集めますが、全6回の放送が終了する前の9月16日に愛人Gloria Jones(グロリア・ジョーンズ)が運転する愛車ミニ・クーパーでの事故により還らぬ人となってしまいます。生前に「30歳の誕生日を迎える前に魔女に導かれ体が粉々になって死ぬ」と語っていた通り、30歳の誕生日を2週間後に控えた死でした。既に収録済みだった「MARC」の最終回はMarc Bolanの没後9月28日放送され、そこにはDavid Bowieとの共演ステージが収録されています。(David Bowieとの演奏終了後、Marc Bolanがステージの縁に躓いて転びそうになってしまうアクシデントもあったようです。)

 スターとしての絶大なる人気、そしてその人生ともに比類なき華やかさを持ちながらも正に太く短く。グラム・ロックのスターを演じていたDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)に対して、Marc Bolan(マーク・ボラン)はその存在自体がグラム・ロックそのものであり、その音楽はMarc Bolanの死後も数年おきに再評価されてT.REX(T・レックス)の名前が表舞台に現れることから分かるように未だに新しさを感じさせ、音楽的な面だけでなくロック・バンドの見せ方などのイメージ戦略的な部分でも後世のロック・ミュージシャンに与えた影響は計り知れません。


Electric Warrior/T.REX 1971

B00008A7QKElectric Warrior
T. Rex
Rhino 2003-02-25

[日本盤] 電気の武者/T・レックス
[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
ティー・レックス [試聴]iTunes Music Store - T.REX


 唯一アメリカでヒットを記録したシングル"Bang a Gong (Get It On) "を収録したの2ndアルバム。『The Slider(スライダー)』と並ぶT.REX(T・レックス)の代表作です。Marc Bolan(vo,g.マーク・ボラン)が自らの音楽性を確立してトップ・バンドへと駆け上がって行く時期の勢いのある演奏が収められています。
 実は記事のトップに掲載するアルバムを『Electric Warrior(電気の武者)』と『The Slider』の何れにするか迷ったのですが、Rigo Starr(リンゴ・スター)によって撮影された写真を使用した『The Slider』のジャケットの方が格好良かったので。。。。(Tony Visconti(トニー・ヴィスコンティ)の撮影によるものという説もあり。)
 一般的には『Electric Warrior』がT.REXの代表作としてあげられることが多いかもしれません。^^♪

1. Mambo Sun
2. Cosmic Dancer
3. Jeepster
4. Monolith
5. Lean Woman Blues
6. Bang a Gong (Get It On)
7. Planet Queen
8. Girl
9. Motivator
10. Life's a Gas
11. Rip Off


B000069V2520th Century Boy: Ultimate Coll (Dig)
Marc Bolan T Rex
Hip-O Records 2002-08-20

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
ティー・レックス [試聴]iTunes Music Store - T.REX


 T.REX(T・レックス)のポップ・スターとしての本質的な部分を考えると、代表作として挙げるべきは『Electric Warrior(電気の武者)』と『The Slider(スライダー)』ではなく、一連のシングル・ヒット曲をまとめて聴くことが可能である上記のようなベスト盤ではないかと思います。


ボーン・トゥ・ブギー/T.レックス [DVD]

B0008JH2U4ボーン・トゥ・ブギー
T.レックス
テイチクエンタテインメント 2005-06-01

 T.REX(T・レックス)はライブ盤も残していますが(ちょっと記憶が定かではありませんが確かMarc Bolanの死後に勝手に発売されたもの)、演奏レベル的に厳しいところがあり、時代の雰囲気(グラム・ロック・ムーブメント)とT.REXの魅力を知るには映像つきで見るのが一番だと思われます。
 上記DVDには1972年にウェンブリーで行ったT.REXのライブ映像などが収録されており、「The Beatles(ザ・ビートルズ)の次はT.REXだ」とばかりにMarc Bolan(マーク・ボラン)と蜜月関係にあった元The BeatlesのRingo Starr(リンゴ・スター)のT.REXへのバック・アップが良く分かる作品にもなっています。

 iTunes Store(Japan)

| HOME |

September 23, 2006

Master of Reality/BLACK SABBATH (ブラック・サバス)

B00022TPT8Master of Reality
Black Sabbath
Sanctuary Midline 2004-05-24

 1970年2月13日の金曜日にデビュー以来、黒魔術をイメージしたダークでヘヴィなサウンドで一躍LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)、DEEP PURPLE(ディープ・パープル)と並ぶブリティッシュ・ハード・ロックを代表するバンドとなったBLACK SABBATH(ブラック・サバス)が1971年に発表した3rdアルバム『Master of Reality(マスター・オブ・リアリティ)』。
 デビューした時点で既にブラック・サバス・サウンドとしか良い様の無いオリジナルなサウンドを持っていたBLACK SABBATHが、まだブルース・ロック、ジャズ・ロックからの影響を残していた1st『Black Sabbath(黒い安息日)』、傑作ヘヴィ・リフの宝庫でサバス・サウンドを確立した代表曲"Paranoid"、"Iron Man"、"War Pigs "を含む2nd『Paranoid(パラノイド)』を発表した後、BLACK SABBATH史上最重量のヘヴィ・サウンドと前2作に比べ更に音楽的幅を拡げたことが分かる楽曲構成、展開で初期BLACK SABBATHの集大成的な作品となった傑作アルバムです。


1. Sweet Leaf
2. After Forever
3. Embryo [Instrumental]
4. Children of the Grave
5. Orchid [Instrumental]
6. Lord of This World
7. Solitude
8. Into the Void

Tony Iommi g.トニー・アイオミ
Ozzy Osbourne vo.オジー・オズボーン
Geezer Butler b.ギーザー・バトラー
Bill Ward d.ビル・ワード


 BLACK SABBATH(ブラック・サバス)というと、Geezer Butler(b.ギーザー・バトラー)のベースも重要な要ではありますが、なんといってもTony Iommi(g.トニー・アイオミ)のヘヴィなリフとデビュー前の一時的なJETHRO TULL(ジェスロ・タル)への参加(The Rolling Stones/ザ・ローリング・ストーンズの主催した『Rock & Roll Circus(ロックン・ロール・サーカス)』(DVD)でその頃の映像を見ることが出来ます。)からも分かるように確かなテクニックに裏打ちされたギター・ワーク、そしてTony Iommiのヘヴィー・リフに乗せて発せられる微妙な音程感で不気味な浮遊感溢れるOzzy Osbourne(vo.オジー・オズボーン)のヴォーカル。この二つの要素が合わさってブラック・サバス・サウンドを作り上げています。このアルバムが後のHR/HMシーンに与えた影響は大きく、METALLICA(メタリカ)のサウンドですらポップに思えてしまう程のヘヴィー・サウンドをこの時代に出していたというのは今聴いても衝撃的ですらあります。
*今ではヘヴィ・ロック・サウンドには当たり前になってしまったダウン・チューニングですが、Tony Iommiの欠落した指の負担の軽減のためにチューニングを下げたらこういう音になって活用し始めたのか、それとも最初からこういう音を狙って始めたのか分かりませんが、いずれにせよ強烈、且つ凶悪なサウンドです。

 パンク&ニューウェイヴの台頭などの音楽シーンの変化による人気の低下やOzzy Osbourne自身のドラッグ癖などの様々な問題からアルバム『NEVER SAY DIE(ネヴァー セイ ダイ)』(1978)を発表後、1979年にOzzy Osbourneはバンドを脱退(解雇?)。
 BLACK SABBATH(ブラック・サバス)は新たにRonnie James Dio(ロニー・ジェイムス・ディオ)とともに様式美とサバス・サウンドを融合させた名盤『Heaven & Hell(ヘブン・アンド・ヘル)』(1980)を発表し、その後のBLACK SABBATHの方向性を決定付けるニュー・サバス・サウンドを確立しますが、Ronnie James Dioとの組み合わせもロニー側とサバス側との音楽的な意見の相違などから2作目『Mob Rules(悪魔の掟)』(1981)で早くも失速し、スタジオ盤2作、ライブ盤『Live Evil』を残したのみでRonnie James Dioは脱退してしまいます。
 その後は、かつてのライバルだったDEEP PURPLE人脈のIan Gillan(イアン・ギラン)、Glenn Hughes(グレン・ヒューズ、元々はTony Iommi/トニー・アイオミのソロ・アルバムになる予定だった。)、無名ながらも素晴らしい歌唱力を誇るTony Martin(vo.トニー・マーティン)等とヴォーカリストを代えながら幾つかの名曲、名盤は発表するものの人気面ではかつての輝きは取り戻せす、BLACK SABBATH脱退後もサバス時代のダークで不気味なイメージを増幅させつつサウンド自体はシンプルでキャッチーなヘヴィー・メタル・サウンドを展開、才能ある若手ギタリスト(Randy Rhoads/ランディー・ローズ、Jake E. Lee/ジェイク・E・リー etc.)を次々と発掘して1980年代のLAメタルブーム等に乗ることにも成功して永らくヘヴィメタル界の帝王として君臨することになるOzzy Osbourne(vo.オジー・オズボーン)と明暗を分ける結果となっています。
BLACK SABBATH(ブラック・サバス)は1997年にオリジナル・メンバーで再結成を果たしていますが、新作アルバムを聴くことが出来ないのは残念なところです。


B0000DII8SBlack Box: The Complete Original Black Sabbath 1970-1978
Black Sabbath
Rhino 2004-04-27

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonでOzzy Osbourne時代の楽曲がほぼ全曲試聴できます。]
 初期BLACK SABBATHのリマスター盤8枚組BOXセット。(紙ジャケ仕様)

B0002XMF4OHeaven & Hell
Black Sabbath
Sanctuary Midline 2004-10-25

 Ozzy Osbourne(Vo.オジー・オズボーン)脱退後、元RAINBOW(レインボウ)のRonnie James Dio(ロニー・ジェイムス・ディオ)をヴォーカルに迎え、Ronnie James Dioがバンドに持ち込んだメロディアスな様式美とBLACK SABBATH(ブラック・サバス)独特のドゥームな世界を融合させて新生BLACK SABBATHサウンドを作り上げたHMの名盤。(1980年発表)

■関連記事→ Live Evil/BLACK SABBATH (ブラック・サバス)


B00002599ITYR
Black Sabbath
Emi 2002-08-26

 リズム・セクションにCozy Powell(d.コージー・パウエル)とNeil Murray(b.ニール・マーレイ)を迎えたTony Martin(vo.トニー・マーティン)在籍時の最高傑作。名曲揃いの本作はBLACK SABBATH名義の全アルバムの中でも少なくともベスト5に入る作品ではないかと思います。
 BLACK SABBATH(ブラック・サバス)に参加した期間は、(新作発表の無い)オリジナル・メンバーでの1997年の再結成後を除くと歴代ヴォーカリストの中では最長。それまでに参加した大物ヴォーカリスト達の存在で影の薄い印象があるTony Martinですが、Ronnie James Dio(ロニー・ジェイムス・ディオ)にも劣らないほどの実力を持つ正統派ハード・ロック・シンガーであり、優れたソング・ライターであるのは間違いの無い事実。もう少し評価されても良いのではないかと思いますが、Tony Iommi(g.トニー・アイオミ)=BLACK SABBATHであるとはいえ、既にバンド・メンバーにしてもサウンド的にも一般的にBLACK SABBATHとしてイメージされる音とはかけ離れたバンドになっており、セールス的な戦略であるとはいえBLACK SABBATH名義である必要があるのか?といった時期でもあり、そういった部分でもかなり損をしているのではないかと思われます。また、Ozzy Osbourne(オジー・オズボーン)、Ronnie James Dio(ロニー・ジェイムス・ディオ)という二人のヴォーカリストの復帰、再脱退に振り回され、この時も『TYR』という名盤を作り上げて次の作品が期待されながらもRonnie James Dioの復帰によりバンドを離れざるを得なかったのはあまりにも不運な出来事でした。(1990年発表)

■歴代ヴォーカリストの一覧はコチラの記事に掲載しています。
Live Evil/BLACK SABBATH (ブラック・サバス)


B000063DFTBlizzard of Ozz
Ozzy Osbourne
Sony 2002-04-02

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]

 1979年にBLACK SABBATH(ブラック・サバス)を脱退したOzzy Osbourne(オジー・オズボーン)が故Randy Rhoads(g.ランディー・ローズ)とともに作り上げた1stソロ・アルバム。(1980年・邦題『ブリザード・オブ・オズ - 血塗られた英雄伝説』)


| HOME |

June 14, 2005

Never a Dull Moment/ROD STEWART (ロッド・スチュワート)

B00000612QNever a Dull Moment
Rod Stewart


[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
Reason to Believe: The Complete Mercury Recordings [試聴]iTunes Music Store : Reason to Believe: The Complete Mercury Recordings (Box Set)


 名曲"Maggie May"を含む前作『Every Picture Tells a Story』(1971年)の大ヒットによりソロ・アーティストとしてのポジションを確立したRod Stewart(ロッド・スチュワート)が、1972年に発表したソロ通算4作目のアルバム。前作に続きゴールド・ディスクを獲得しています。
 レコーディングにはFACES(フェイセズ)のメンバーも参加。"You Wear It Well"、Jimi Hendrixジミ・ヘンドリックス)のカヴァー"Angel"、Sam Cooke(サム・クック)の名曲"Twistin' The Night Away"他収録。


1.True Blue
2.Lost Paraguayos
3.Mama, You Been on My Mind
4.Italian Girls
5.Angel
6.Interludings
7.You Wear It Well
8.I'd Rather Go Blind
9.Twistin' the Night Away

ROD%20STEWART.jpg この時期のRod Stewart(ロッド・スチュワート)はFACES(フェイセズ)のメンバーとしての活動とソロでの活動を並行して行っており、FACES、ソロのレコーディングをそれぞれ行い、ライブはFACESで行うという変則的な状況でした。これはFACESがワーナーと契約していたのにもかかわらず、Rod Stewartのソロ契約をマーキュリーと契約していることから起こった現象でしたが、Rod Stewart、FACESのメンバーともにあまり気にしていた様子もなく、FACESのライブでもRod Stewartのソロ・アルバムからの曲を演奏していますし、Rod Stewartのソロ・アルバムのレコーディングにもFACESのメンバーが頻繁に参加しています。"Every Picture Tells a Story"のようにRod StewartとRon Wood(G.ロン・ウッド/FACES)が共作した曲などもあり、サウンド的にも、特にRon Woodは、Ron Woodならではのギター・サウンドを数多くの曲で聴かせており、聴く側からしてもRod Stewartのソロ名義、FACES名義のどちらで発表されても違和感がなく、メンバー自身もどちらの名義のレコーディングなのか、ということに関係なく純粋に演奏、レコーディングを楽しんでいたのではないかとも思われます。
 Rod Stewart自身も、しゃがれた声でセクシーに、時にワイルドに、そしてソウルフルに歌うスタイルを既に確立しており、FACESとソロのアルバムいずれにも数々の名唱を残しています。

real%20good%20time.jpg Rod Stewart(ロッド・スチュワート)はFACES(フェイセズ)以前に参加していたJEFF BECK GROUP(ジェフ・ベック・グループ)で、"あのJeff Beck"のギターと充分に張り合い、その歌唱力、テクニックを評価され、ロック史上に残る名ヴォーカリストへの道を歩み始めます。その後同じくJEFF BECK GROUPで本来のギターではなくベースを務めていたRon Wood(ロン・ウッド)とともにSteve Marriott(Vo,G.スティーブ・マリオット)がHUMBLE PIE(ハンブル・パイ)結成の為に脱退したSMALL FACES(スモール・フェイセス)に参加し、バンドはそれを機会にバンド名からSMALLを外し「FACES」と改名します。
*その後デビューしたLED ZEPPELINレッド・ツェッペリン)に対し、Jeff BeckとRod StewartのギターとヴォーカルのバトルのようなJEFF BECK GROUPの演奏スタイルを真似たものだとしてJeff BeckがJimmy Page(G.ジミー・ペイジ/LED ZEPPELIN)を非難。二人の不仲の原因の1つになったようです。

B000002KDW このアルバム『Never a Dull Moment』が発表された時期、FACES(フェイセズ)はヒット曲"Stay With Me"を含む名盤『Nod Is As Good As a Wink』を発売したのと同時期でRod Stewart(ロッド・スチュワート)の卓越したヴォーカル、Ron Wood(ロン・ウッド)の味のあるギター・プレイとルーズなスライド・ギター、Ronnie Lane(B,Vo.ロニー・レイン)のブンブンうなるベース、Ian Mclagan(Kbd.イアン・マクレガン)のハモンド・オルガンとルーズなローリング・ピアノ、Kenny Jones(Dr.ケニー・ジョーンズ)のドタバタとしたドラムが上手く絡みあった、正にFACESの全盛期。Rod Stewartのソロ『Never a Dull Moment』にもその勢いが持ち込まれているのではないかと思います。(1曲目の"True Blue"の録音メンバーはFACESそのままですし、"Twistin' the Night Away"もFACESのライブでは定番、大量の紙ふぶきが舞う中、ラスト・ナンバーとして演奏されています。)


ROD%20STEWART.2.jpg しかし、上手く行っていたかのように思われていたFACES(フェイセズ)との関係もRod Stewart(ロッド・スチュワート)のソロ契約がマーキュリーから(FACESと同じ)ワーナーに移ったことから微妙な状況になっていきます。"Maggie May"のヒット以降、着実に人気を得てきたRod Stewartをソロ・アーティストとして全面的に売り出すためか、ワーナーはFACESをRod Stewartのバック・バンド的な扱いにしたかったかのような節もあり、そんな状況に嫌気がさしたSMALL FACES(スモール・フェイセス)時代から多くの佳曲、名曲を作り、味のあるヴォーカルを聴かせていたベースのRonnie Lane(ロニー・レーン)が脱退。バンドは後任ベーシストとして山内テツを迎えるも、今度はRon Wood(ロン・ウッド)がMick Taylor(G.ミック・テイラー)の抜けたTHE ROLLING STONESザ・ローリング・ストーンズ)のツアーににサポート・ギタリストとして参加。Rod Stewartのソロ・キャリアへの野心も当然あり、遂にはFACESから脱退(バンドは後にRon WoodがTHE ROLLING STONESに正式に加入して解散)、Rod Stewartはソロ・アーティストとしての活動に専念することになります。
 ソロでのRod Stewartはその後も"Tonight The Night""You're In My Heart""Da Ya Think I'm Sexy"など、次々にヒット曲を飛ばしながらFACES時代の"酔いどれロック・バンド"のイメージから、"派手で華やかなイメージ"へと変わっていき、ロック・ファンだけでなく一般の音楽ファンにも絶大な人気を誇るヴォーカリストとなっていきます。


B000002KKUGreatest Hits
Rod Stewart
Warner Bros. 1990-10-25

B0001Z2R96Five Guys Walk into a Bar...
Faces
Warner Bros./Rhino 2004-07-20

B0000C9VP8ビデオグラフィー 1969-1974
ロッド・スチュワート&ザ・フェイセズ
ビデオアーツ・ミュージック 2005-10-02

| HOME |

May 12, 2005

Fire and Water/FREE (フリー)

B000002G9SFire and Water
Free


[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]
Fire and Water [試聴]iTunes Music Store


 Simon Kirke(D.サイモン・カーク)、個性派Andy Fraser(B.アンディー・フレイザー)の横ノリのリズムを土台に、Paul Kossoff(G.ポール・コゾフ)の引き裂くようなレスポール・サウンド、そして圧倒的な力量を持つPaul Rodgers(ポール・ロジャース)のヴォーカルで作り上げた、FREE(フリー)のブリティッシュ・ブルーズ・ロックの名盤。(1970年・3作目)
 全英チャート2位、全米チャート4位の"All Right Now"を収録。


1.Fire and Water
2.Oh I Wept
3.Remember
4.Heavy Load
5.Mr. Big
6.Don't Say You Love Me
7.All Right Now

UK盤、日本盤 Bonus Tracks
8.Oh I Wept [Alternate Vocal Take]
9.Fire and Water [New Stereo Mix]
10.Fire and Water [BBC Session]
11.All Right Now [BBC Session]
12.All Right Now [Single Version]
13.All Right Now [First Version]
Fire and Water [FROM UK][IMPORT]

Paul Rodgers :Vo (ポール・ロジャース)
Paul Kossoff :G (ポール・コゾフ)
Andy Fraser :B (アンディー:フレイザー)
Simon Kirke :Dr (サイモン・カーク)

 このアルバムを録音した時点でFREE(フリー)のメンバーは全員20歳前後。Andy Fraser(アンディー・フレイザー)にいたってはFREEに参加したのが16歳の時、しかもそれ以前はJohn Mayall(ジョン・メイオール)のバンドにいたというから驚きです。作曲能力にも優れ、そのベースも個性的。FREE独特の重くて深いリズムもAndy Fraserに因るところがが大です。
 シンプル且つシンプルな音でシンプルなブルーズロックを演奏するバンドのため、重厚な音の壁を作り上げるようなハード・ロックを聴きなれた耳では「スカスカ」な演奏、という印象をもたれる方も多いかもしれませんが、その音の空間の間、緊張感などが楽しめるようになると、FREEの良さが染み込むように分かってくると思います。

Kossoff.jpg Paul Kossoff(ポール・コゾフ)のギターの特徴としてよく言われるのは、Eric Clapton(エリック・クラプトン)も感心したという“細かく速いビブラート”、そして“泣き叫ぶようなギター”。“泣き”といっても代表選手であるCarlos Santana(カルロス・サンタナ)のそれとはまた違った、Santanaよりブルース色が強く、どちらかと言えばドライな印象のあるPaul Kossoff独特のスタイルです。
 ただし、個人的にはその"泣き”が本領発揮されてPaul Kossoffの演奏技術においてピークを迎えるのはFREEというバンドの絶頂期ではなく、FREEが一時的に再結成を果たした『Free At Last』辺りからではないかと思います。(レズリー・スピーカーの使用も大きい。)しかし、その頃にはPaul Kossoffは既にドラッグの影響により体調を崩しつつあり、次作『Heartbreaker』製作中にFREE(フリー)を脱退。その後自らのバンド"BACK STREET CRAWLER"(バック・ストリート・クローラー)を結成するものの(1作目は良かったんですが)2作目で失速、そして遂にはPaul Kossoff自身もドラッグの後遺症により帰らぬ人となってしまいます。幾つかの名演を残してはいますが、ギター・テクニック的にも熟成してPaul Kossoffのギター・スタイルの完成を得ながら、しかし既に充分な音楽活動が行える状態ではなくなっていたという、Paul Kossoff本人だけでなくロック・ファンにとっても残念なドラッグでの死だったと思います。

FREE解散後、Paul Rodgers(vo.ポール・ロジャース)、Simon Kirke(Dr.サイモン・カーク)は元MOTT THE HOOPLE(モット・ザ・フープル)のMick Ralphs(G.ミック・ラルフス)等と"BAD COMPANY"(バッド・カンパニー)を結成することになります。


Free Live (1971)
 FREEが一度目の解散をした後に発表されたライブアルバム。トラブルによりPaul Kossoff(ポール・コゾフ)のギターの音が出なくなったり、音を外していたり、というのもそのまま入っていますが、そんなことがほとんど気にならないほどの熱気溢れる演奏です。個人的にはこのアルバムを一番良く聴いてました。何年か前にCDで買い直したら、ボーナス・トラックとして"All Right Now""Mr.Big"の収録日違いのライブ演奏なども入っていたんですが、特にPaul Kossoffのギターのバッキングが違っていて、FREEもライブ演奏を重ねて曲を熟成させて行くバンドだったというのが良く分かり、そういう部分での聴き較べも興味深かったです。ちなみに収録された"All Right Now"は1970年1月録音、ボーナストラックは1970年9月録音(こちらの方がスタジオ録音版に近い演奏です)。"Mr.Big"はその逆。そして、その2曲を収録したスタジオ盤『Fire and Water』は2つの収録日の間の6月発売です。
*ボーナス・トラック収録はUK盤、日本盤。US盤には入っていないようです。(2005年4月現在)

B00005Y46O
Free Live [UK Bonus Tracks]
Free

Tons of Sobs [UK Bonus Tracks] Highway [UK Bonus Tracks] Fire and Water