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2010年06月24日

Clifford Brown & Max Roach/CLIFFORD BROWN MAX RORCH QUINTET (クリフォード・ブラウン & マックス・ローチ)

B00008KKT9クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ+2
ブラウン=ローチ・クインテット
ユニバーサル ミュージック クラシック 2003-04-23

Clifford Brown & The Max Roach Quintet - Clifford Brown & Max Roach (1954-1955) [試聴]iTunes Music Store - Clifford Brown & Max Roach


1. Delilah
2. Parisian Thoroughfare
3. Daahoud
4. Joy Spring
5. Jordu
6. Blues Walk
7. What Am I Here For?

Clifford Brown -trumpet (クリフォード・ブラウン)
Harold Land -tenor sax (ハロルド・ランド)
Richie Powell -piano (リッチー・パウエル)
George Morrow -bass (ジョージ・モロウ)
Max Roach -drums (マックス・ローチ)

Clifford Brown & Max Roach 1950年代前半のMiles Davis(マイルス・デイヴィス)低迷期に突如として登場した天才トランペッター、Clifford Brownクリフォード・ブラウン)とCharlie Parker(as.チャーリー・パーカー)の時代から活躍するドラマー、Max Roach(マックス・ローチ)が結成した双頭ハード・バップ・コンボ。Clifford Brownが夭逝して活動期間が短かった為か、一般的な知名度はMiles Davisのクインテット、Art Blakey(ds.アート・ブレイキー)のThe Jazz Messengers(ジャズ・メッセンジャーズ)、John Lewis(p.ジョン・ルイス)とMilt Jackson(Vib.ミルト・ジャクソン)のThe Modern Jazz Quartet(モダン・ジャズ・カルテット/MJQ)などに較べると低いものの、ジャズ・ファンには御馴染みの1950年代を代表する名コンボのひとつです。

Clifford Brown and Max Roach Quintet 残念なことに本作『Clifford Brown & Max Roach』(1954-1955)録音後の1956年に25歳の若さで交通事故により亡くなってしまいますが、高度なテクニックと次から次へと溢れ出る魅力的で輝くようなメロディー・ライン、トランペットを吹くことについては間違いなくMiles Davisの上をいったClifford Brownと豊富な経験と正確無比なドラミングで演奏を支えながら、その中に多様なアイディアを詰め込んだMax Roachが残した傑作。テナー・サックスのHarold Land(ハロルド・ランド)の貢献度も高い。
 Miles Davisが『Dig』(1951年)で行った様なホットでハードなハード・バップ・スタイルを推し進め、大きく開花させたArt Blakey(ds.アート・ブレイキー)の『A Night at Birdland, Vol.1』(バードランドの夜)と共にハード・バップ時代到来を告げたアルバムと言っても過言では無い、ハード・バップ誕生期の名盤です。
(1954年8月2日、3日、6日・1955年2月24日、25日録音)



B00008KKT9クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ+2
ブラウン=ローチ・クインテット
ユニバーサル ミュージック クラシック 2003-04-23


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2010年06月16日

Seconds Out/GENESIS (ジェネシス)

B000002J29Seconds Out
Genesis
Virgin 1994-11-29

 GENESIS(ジェネシス)が1977年に発表した傑作ライブ・アルバム『Seconds Out(眩惑のスーパー・ライヴ)』。
 プログレッシブ・ロックとポップ・ミュージック、そして当時多様な音楽を吸収してジャズ・ロックから更に進化しつつあったフュージョンの要素までも取り込み、それらを見事に昇華してGENESISが創り上げた、ライブ盤でありながら、スタジオ盤も含めたGENESISの最高傑作であり、プログレッシブ・ロックを代表する名盤です。


Disc 1
1. Squonk
2. Carpet Crawl
3. Robbery, Assault and Battery
4. Afterglow
5. Firth of Fifth
6. I Know What I Like
7. Lamb Dies Down on Broadway
8. Musical Box (Closing Section)

Disc 2
1. Supper's Ready
2. The Cinema Show
3. Dance on a Volcano
4. Los Endos

Phil Collins - Vo,Dr,Per.フィル・コリンズ
Tony Banks - Key.トニー・バンクス
Steve Hackett - G.スティーブ・ハケット
Mike Rutherford - B.マイク・ラザフォード

Chester Thompson - Dr.チェスター・トンプソン
Bill Bruford - Dr.ビル・ブラッフォード *"The Cinema Show"

 自らがヴォーカルを担当してからの楽曲はもちろん、Peter Gabriel(ピーター・ガブリエル)時代の楽曲も新たな解釈で、よりポップに丁寧に歌い上げるPhil Collins(Vo,dr,Per.フィル・コリンズ)。上質でポップなメロディー・ラインを惜しげもなく次々と繰り出すキーボードのTony Banks(Key.トニー・バンクス)。的確且つ個性的なベース・ラインでバンドを支えるMike Rutherford(B.マイク・ラザフォード)。スペーシーで印象的なフレーズで楽曲を彩るギタリストのSteve Hackett(G.スティーブ・ハケット)。テクニカルにタイトなリズムを刻み、時にパワフルに楽曲を盛り上げるサポート・ドラマーの名手Chester Thompson(Dr.チェスター・トンプソン)、そしてインスト・パートでのPhil Collinsとのツインドラムのダイナミックな演奏。スタジオ盤での作り込まれた緻密な演奏とは違ったライブならではの華やかでドライブ感のある演奏は各楽曲に新たな魅力を与えています。
 収録曲も傑作揃いのPeter Gabriel期『Nursery Cryme(ナーサリー・クライム/怪奇骨董音楽箱)』(1971年)、『Foxtrot(フォックストロット)』(1972年)、『Selling England By The Pound(月影の騎士)』(1973年)、『The Lamb Lies Down On Broadway(眩惑のブロードウェイ)』(1974年)、Peter Gabrielの脱退によりバンド存続を危ぶむ声をPhil Collinsをメイン・ヴォーカルに据えて創り上げた新たなサウンドで吹き飛ばした2枚の名盤『A Trick of the Tail(トリック・オブ・ザ・テイル)』『Wind & Wuthering(静寂の嵐)』(共に1976年)からのベスト選曲。その上演奏も文句なしとくれば、もう何も言う事はありません。

 GENESISのコンサートへの期待感と興奮の中で始まる"Squonk"から、Tony BanksとSteve Hackettが奏でるテーマ・メロディーをPhil CollinsとChester Thompsonのツイン・ドラムが圧倒的な迫力で盛り上げるラストの"Dance on a Volcano"-"Los Endos"までの全てが聴き所。特に楽曲の出来の良さ、インスト・パートでのTony Banksの全プレイ(キーボード・サウンドが好きな方は必聴。)、Phil CollinsとChester Thompsonのツインドラムのエキサイティング、且つドラマティックな演奏の格好良さはプログレッシブ・ロック・ファンだけのモノにしておくのは勿体無い内容です。
 また、70年代をリアル・タイムで過ごしたロック・ファンの方には御馴染みの超名盤ライブ・アルバムとはいえ、80年代に入ってからソロで大ブレイクを果たしたPhil Collinsの印象が強すぎて、現在ではそれ以前のアルバムということもあって注目度も低く、顧みられることの少ないアルバムになっていますが、ロック&ポップス、そしてフュージョン系の音楽ファンの方には是非一度は聴いておいて欲しい名盤の一枚です。

 1982年に発表された『Three Sides Live(スリー・サイド・ライヴ)』のUK盤には『Seconds Out(眩惑のスーパー・ライヴ)』収録曲と同時期に録音されていた"It/Watcher of the Skies"(Steve Hackett/G.スティーブ・ハケット在籍中のライヴ音源。ドラムはBill Bruford/ビル・ブルフォード。)が収録されており(現在のCDはUK盤、US盤、日本盤等の殆どが"It/Watcher of the Skies"に加え"One for the Vine"、"The Fountain of Salmacis"の未発表ライヴ3曲が収録されたヴァージョンになっているようです)、この曲が本作に収録されていたら『Seconds Out』の名盤度が更に大幅に上がるだろうと思われるほどの名演。何故この"It/Watcher of the Skies"が収録から洩れたのか不思議なのですが、出来ることなら"It/Watcher of the Skies"と未発表のライブ音源を何曲か加えて3枚組みの完全盤で出して欲しかった、と当時は思いながら(現在はiTunesなどでプレイリストを作っていますが)120分のカセット・テープに録音して自家製完全盤として聴いていました。
 ちなみに『Three Sides Live』に収録されている(LPフォーマットだとC面に収録されていた)"In the Cage Medley : The Cinema Show/Slippermen"から"Afterglow"への流れも秀逸で、楽曲の構成、表現力共にロック史上に残る素晴らしい名演。GENESISが遂にGENESIS流プログレッシブ・ロックを極めたと思わせる、この2曲のためだけに『Three Sides Live』を購入しても惜しくない程の感動的な演奏が収録されています。

B000024EXZThree Sides Live
Genesis
Virgin 1994-10-24

Three Sides Live : Personnel
Phil Collins - Vo,Dr.フィル・コリンズ
Tony Banks - Key.トニー・バンクス
Mike Rutherford - B.マイク・ラザフォード

Daryl Stuermer - G.ダリル・ステューマー
Chester Thompson - Dr.チェスター・トンプソン
Steve Hackett - G.スティーブ・ハケット *"It/Watcher of the Skies"
Bill Bruford - Dr.ビル・ブラッフォード *"It/Watcher of the Skies"


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B000002J29Seconds Out
Genesis
Virgin 1994-11-29


Three Sides Live
In The Cage Medley : Part 1

In The Cage Medley : Part 2 - Afterglow

B000024EXZThree Sides Live
Genesis
Virgin 1994-10-24


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2010年06月11日

Crusade/JOHN MAYALL & The BLUESBREAKERS (ジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズ/ミック・テイラー)

B000RHKARYCrusade
John Mayall & the Bluesbreakers
UMVD 2007-08-07

 John Mayall & The Bluesbreakers(ジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズ)が1967年に発表した、後にTHE ROLLING STONES(ザ・ローリング・ストーンズ)のギタリストとなるMick Taylor(G.ミック・テイラー)在籍中のアルバム。The Bluesbreakersの1960年代の作品というとEric Clapton(G.エリック・クラプトン)参加の『Bluesbreakers with Eric Clapton』(1966)やPeter Green(G.ピーター・グリーン)が参加した『A Hard Road』(1967)の方が話題になることが多いのですが、Peter Greenの後任としてMick Taylorが参加した本作『Crusade』(1967)もかなりの名盤です。


1. Oh Pretty Woman
2. Stand Back Baby
3. My Time After a While
4. Snowy Wood
5. Man of Stone
6. Tears in My Eyes
7. Driving Sideways
8. Death of J.B. Lenoir
9. I Can't Quit You Baby
10. Streamline
11. Me and My Woman
12. Checkin' Up on My Baby

 個人的には当時若干18歳のMick Taylor(G.ミック・テイラー)が弾く、粘りのあるEric Clapton(G.エリック・クラプトン)直系のブルーズ・フィーリング溢れるギターとJohn McVie(B.ジョン・マクヴィー)、Keef Hartley(Ds.キーフ・ハートレィ)等の好プレイ、そして新たに加えられたホーン・セクション、Chris Mercer(b.sax)、Rip Kant(t.sax)によって重厚なサウンドとなった本作は、John Mayall & The Bluesbreakersの傑作のひとつではないかと思います。また、Eric Clapton在籍中のThe Bluesbreakersが好きな人は本作も必ず気に入る筈ですので、『The Bluesbreakers with Eric Clapton』だけ聴いて本作『Crusade』を未聴という方がいたら、かなり勿体無い話。機会があったら是非聴いて頂きたいアルバムです。
(ジャズの要素を取り入れ、後のジャズ・ロックへの橋渡し的なサウンドを持った次作『Bare Wires』(1968)も、一般的には中途半端という評価はあるものの、個人的には好きなアルバムです。)

 しかし現在日本ではEric Clapton、Peter Green在籍中のアルバムに比べてMick Taylor在籍中のJohn Mayall & The Bluesbreakersのアルバム、またTHE ROLLING STONES(ザ・ローリング・ストーンズ)脱退後のMick Taylorの音楽活動への注目度は低く、Mick Taylor在籍時に来日公演が無かった為のMick Taylor期のTHE ROLLING STONESの日本での認識の低さ(THE ROLLING STONESがライヴ・バンドとして一番優れていた時期はMick Taylor在籍期だと思います。)、及びそれ故の日本でのMick Taylorの知名度の低さ、過小評価に繋がっているのが非常に残念です。



B000RHKARYCrusade
John Mayall & the Bluesbreakers
UMVD 2007-08-07


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2010年06月06日

Drama/YES (イエス)

B003A9FMVAドラマ
イエス
ワーナーミュージック・ジャパン 2010-05-26

 新作製作に向けてのセッション中にバンドでの活動に限界を感じたJon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)とRick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン)が脱退。バンド存続の道を模索する残されたメンバーは、ニュー・ウェーブへの対応、マンネリの打破、バンドの創作能力の底上げ、という一石三鳥を狙ったのかどうかは分かりませんが、抜けたヴォーカルとキーボードの穴埋めに、80年代の音楽シーンに多大な影響を与えることになるMTVが生んだポップ・スターThe Buggles(バグルス)を大胆にも吸収合併。
 シングル"Video Killed The Radio Star(ラジオ・スターの悲劇)"を大ヒットさせていたニュー・ウェーブの旗手とオールド・ウェーブの代表格との合体は当時の音楽シーンにおいて衝撃的とも言えるニュースでしたが、出来上がってきた本作『Drama』(1980年発表)はThe BugglesのTrevor Horn(Vo.トレヴァー・ホーン)、Geoffrey Downes(Key.ジェフ・ダウンズ)の二人が元々YESの熱烈なファンであったため、YESらしさを尊重しながら、The Buggles組の新しい音楽性もバランスよく取り入れる事にも成功した完成度の高い充実した内容。Jon Anderson不在という軽視されがちな時期に発表されたアルバムですが、間違いなくYESを代表する傑作アルバムのひとつです。


1. Machine Messiah
2. White Car
3. Does It Really Happen?
4. Into the Lens
5. Run Through the Light
6. Tempus Fugit

Trevor Horn - Vo.トレヴァー・ホーン *The Buggles
Geoffrey Downes - Key.ジェフ・ダウンズ *The Buggles
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ
Alan White - Dr.アラン・ホワイト

 この人のプロデュース、編集作業がなければ名盤『Close to the Edge(危機)』を始めとする名作群は完成し得なかったのではないかと言われたプロデューサーのEddie Offord(エディ・オフォード)、YES(イエス)の音世界を表現する上で欠かせない要素だった印象的なジャケットを手掛けていたRoger Dean(ロジャー・ディーン)というYES黄金期を支えた重要な人材が2作振りに再集結。Chris Squire(B.クリス・スクワイア)がJon Anderson(ジョン・アンダーソン)がいなくてもYESは続けられると意地を見せた力作に仕上がっています。
 懸念されたヴォーカリストの交代も新加入のTrevor Horn(Vo.トレヴァー・ホーン)がYESのイメージを壊さないようにJon Andersonを意識した歌い方をしていることや、Chris Squireのコーラスとベースが入ると不思議とYESサウンドになる事などから意外と違和感なくYESのサウンドに溶け込んでおり、同じく新加入のGeoffrey Downes(Key.ジェフ・ダウンズ)もRick Wakeman(Key.リック・ウェイクマン)やPatrick Moraz(Key.パトリック・モラーツ)のようなテクニカルで派手なスター・プレイヤーではないものの、YESへのニュー・ウェーブ・サウンドの導入、楽曲を印象付ける効果的なフレーズ、楽曲に合わせた的確なサウンド作りなど、アルバム制作に多大な貢献をしています。80年代のASIAへの布石ともいえるアイディアやサウンドが垣間見えるのも面白いところ。

 収録曲も、(オープニングはBLACK SABBATH/ブラック・サバスを思わせるような重たいギターリフから始まりますが)従来の楽曲からの延長線上にあるサウンドにThe Buggles(バグルス)風味を加えた"Machine Messiah"、反対にThe Bugglesが持ち込んだ楽曲をYESサウンドで料理した"Into the Lens"(後にThe Bugglesが2ndアルバムで"I Am A Camera"としてリメイクしていますが、出来はコチラの方が数段上)、ニュー・ウェーブ的なサウンドをYESがしっかりと昇華し、アグレッシブなサウンドに仕上げた、YESからニュー・ウェーブ勢への回答ともいえる名曲"Tempus Fugit"など、捨て曲無しと言っても良いほどの名曲、佳作揃い。
 The Buggles組が持ち込んだ、もしくは参加してから作られた曲には(その後もバンドが継続していれば)YESの新たな魅力となりえたサウンドが提示され、それまでのYESでは聴けなかった面白さがあり、旧YES組が用意していた曲も残された3人のメンバーによる力作ばかりで、演奏面に関しても、これまでの制約が取り払われたかのような自由奔放なプレイが繰り広げられており、特にChris SquireとAlan White(Dr.アラン・ホワイト)のリズム隊のコンビネーションは過去最強。過去のYESのサウンドへの拘りを捨てられれば、充分高評価に値する作品になっています。前2作で少なからず感じられたマンネリ感も完全に払拭され、個人的には、少なくとも『Going for the One(究極)』(1977年)、『Tormato』(1978年)に引けを取らない作品に仕上がっているのではないかと思います。(必ずアルバムに何曲か収録されていたJon Anderson趣味のファンタジーな楽曲が本作には1曲も入っていないのも新鮮、且つ好印象。)

 しかし、なかなかの好盤に仕上がり、セールス的にもそこそこ成果を残し、その後のYESの活動への大きな可能性を秘めたアルバムでしたが、後のJon Andersonの復帰によって、本作『Drama』発売時のツアー以降、本作収録曲がライブで演奏されることが無くなったことに加え、YES作品の中で唯一Jon Anderson不在のアルバムということから『Tormato』以上に軽視され、各楽曲、アルバム・トータルでの完成度の高さの割りに、その内容にそぐわない評価しか与えられない不遇のアルバムになってしまったのは残念な限り。
 また、重要なメンバーの交代などからYESと呼ぶには抵抗がある人が多かったと思われ、当然ながら旧YESファンからの批判は強く、元々スタジオでの作業をメインと考えてライブを行わないユニットだったThe Bugglesの、特にTrevor Hornのライブ・パフォーマンスの悪さなどからツアーは失敗に終わり、メンバーはバンド継続の意欲を失い、本作で新たな時代へのサウンド作りに成功しながらも、遂にバンドは自然消滅してしまうことになります。

 この後Trevor Horn(Vo.トレヴァー・ホーン)はプロデュース業に専念して80年代に再始動した(Jon Anderson曰く)90125 YESFrankie Goes To Hollywood(フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド)や自身のプロジェクトThe Art of Noise(アート・オブ・ノイズ)などの数多くのヒット曲を手掛けて一時代を築き、Steve Howe(G.スティーブ・ハウ)とGeoffrey Downes(Key.ジェフ・ダウンズ)は80年代を代表するロック・バンドとなったASIA結成へと向かい、Chris Squire(B.クリス・スクワイア)とAlan White(Dr.アラン・ホワイト)はドラマーのJohn Bonham(ジョン・ボーナム)を失ったLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)のJimmy Page(G.ジミー・ペイジ)等とのバンド結成(XYZ/ex YES ZEP)へ向けてのセッションと挫折(マネージメントの問題とRobert Plant/ロバート・プラントがOKを出さなかったことが原因のようです)等の紆余曲折を経て、ギタリストTrevor Rabin(トレヴァー・ラビン)を迎えての新バンドCINEMA結成とアルバム制作、そしてプロデューサーのTrevor Hornからのアドバイス、及びレーベルからの要請によるJon Anderson(ジョン・アンダーソン)の復帰によりYES再始動という道を辿ることとなります。
 こうした流れを考えると、この時期のバンドの路線、メンバーが、「90125 YES」と「ASIA」という80年代に一世を風靡して大ヒットを連発した産業ロック、3分間プログレ・バンドに繋がっていくことを考えれば、重要なアルバムでもあり、発表当時より後年徐々に評価が高まっていったアルバムでもあります。


■Video Killed The Radio Star(ラジオ・スターの悲劇)

B000J2358Sラジオ・スターの悲劇+3
バグルズ
USMジャパン 2006-12-20



B003A9FMVAドラマ
イエス
ワーナーミュージック・ジャパン 2010-05-26


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2010年06月05日

Cool Struttin'/SONNY CLARK (ソニー・クラーク)

Cool Struttin'Cool Struttin'
Sonny Clark
Blue Note 1999-04-20

Sonny Clark [試聴]iTunes Music Store - Sonny Clark


 本国アメリカのジャズ・シーンでの無名振りに較べると日本での人気が異常なほど高かった日本人好みのジャズ・ピアニスト、Sonny Clark(p.ソニー・クラーク)がハード・バップが熟成して絶頂期を迎えた1958年に発表した最高傑作。印象的なジャケットと合わせて、日本のジャズ・ファンなら誰もが知っている超有名盤です。


1. Cool Struttin'
2. Blue Minor
3. Sippin' At Bells
4. Deep Night

Sonny Clark -piano (ソニー・クラーク)
Arthur Stewart Farmer -trumpet (アート・ファーマー)
Jackie McLean -alt sax (ジャッキー・マクレーン)
Paul Chambers -bass (ポール・チェンバース)
Philly Joe Jones -Drums (フィリー・ジョー・ジョーンズ)

 フロントに実力派、Arthur Farmer(tp.アート・ファーマー)、Jackie McLean(as.ジャッキー・マクレーン)の2管、リズム・セクションにはThe Miles Davis Quintet(マイルス・デイヴィス・クインテット)の最強のリズム・セクションとして名を馳せ、多くのセッションに呼ばれる人気ミュージシャンとなっていたPaul Chambers(b.ポール・チェンバース)、Philly Joe Jones(ds.フィリー・ジョー・ジョーンズ)を迎えた豪華クインテット編成。

 スロー・ブルースの名セッション、Sonny Clarkの代表曲のひとつ"Cool Struttin'"。Sonny Clarkが優れた作曲家であったことを知らしめると共にJackie McLeanの泣きの名演で聴かせるブルージーな名曲"Blue Minor"。Sonny ClarkのBud Powell(p.バド・パウエル)からの影響を感じさせつつ、軽快に疾走するビ・バップ・スタイルの演奏"Sippin' At Bells"。そしてラストに収録された、Sonny Clarkが奏でる哀愁溢れるテーマが心地良い"Deep Night"。ファンキーなフロント2管とダイナミックなリズム・セクションをSonny Clarkがクールにコントロールして創り上げた、全4曲40分弱に詰め込まれたSonny Clarkの美学の結晶。(現在はボーナス・トラックとして2曲追加されています。)


Cool Struttin'Cool Struttin'
Sonny Clark
Blue Note 1999-04-20

Sonny Clark [試聴]iTunes Music Store - Sonny Clark


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2010年06月01日

Let's Dance/DAVID BOWIE (デヴィッド・ボウイ)

B00001OH7ZLet's Dance [ENHANCED CD]
David Bowie
Virgin 1999-08-26

David Bowie [試聴]iTunes Music Store - DAVID BOWIE


 ブロードウェイ版『エレファントマン』への出演、大島渚監督の映画『戦場のメリークリスマス』(1983年)への主演など、音楽活動から意識的に遠ざかっていたDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)がNile Rodgers(ナイル・ロジャース/CHIC/シック)を共同プロデュースに迎えて製作したポップなダンス・チェーン満載の大ヒット・アルバム『Let's Dance(レッツ・ダンス)』(1983年)。


1. Modern Love
2. China Girl
3. Let's Dance
4. Without You
5. Ricochet
6. Criminal World
7. Cat People (Putting out Fire)
8. Shake It

 David Bowieのセクシーでダンディズム溢れる歌声と時代の寵児Nile Rodgersの作り上げたタイトなリズムは、グラム・ロック(『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars』他)~ファンク期~ベルリン3部作(『Low(ロウ)』、『Heroe(ヒーローズ)』、『RODGER(ロジャー)』)に続くDavid Bowieの新たな方向性を決定付けるかに見えましたが、コマーシャリズムに侵された『Let's Dance』路線は大ヒットしたが故にDavid Bowie自身の創作への意欲を奪う結果となった上、それまでも音楽的な変わり身の早かったDavid Bowieではありますが、常に時代の先端を行く創作活動を行っていた事を考えると『Let's Dance』は既に流行していた音楽をDavid Bowieがボウイ風に解釈、消化したサウンド。流行音楽への後追い感も強く、グラム・ロック・ブーム終焉後もDavid Bowieを支持し続けてきたファンに違和感を持たれる事にもなり、幾つもの収録曲をヒット・チャートに送り込んで新たなファン層を広げる大成功したアルバムとなってDavid Bowieをカルト的なスターという存在からメジャーな存在に押し上げた作品とはいえ、『Let's Dance』路線後の活動状況の停滞を考えるとDavid Bowieの音楽キャリアにおいては結果的に大きなマイナスともいえる転換期となったアルバムです。

 このアルバムでDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)を聴き始めた人も多いであろうDavid Bowieを本当の意味でのメジャーにした作品であり、アルバムの出来もNile Rodgers(ナイル・ロジャース)とDavid Bowie自身が"David Bowieというキャラクター"を上手く生かした本当に良く出来た高品質のアルバムですが、個人的には(多くの古くからのファンと同様に)David Bowieが「地球に落ちてきた」的な印象を非常に強く受けてしまったアルバムでもあります。
 それまでのDavid Bowieは、妖しさと怪しさ、そしてクレバーさが同居したDavid Bowieにしか表現できない、ちょっと胡散臭いんだけど、独特の音楽世界を創り上げてきたのではなかったかと思いますが、この作品『Let's Dance』はDavid Bowieじゃなくても、例えば実はこの手のものならBryan Ferry(ブライアン・フェリー/ROXY MUSIC/ロキシー・ミュージック)が歌っていても売れていたんじゃないか、などと不埒なことを考えさせられるところがあって、そういう意味ではプロフェッショナルなソング・ライター・チームが様々なミュージシャンやバンドに優れた楽曲を提供してヒット曲を連発した80年代以降の商業主義的なロックと同質の香りもあり、カリスマ的な魅力を持った孤高の存在だったDavid Bowieを売れることと引き替えに俗っぽい存在へと貶めてしまった作品だったと言えるかも知れません。


B00001OH7ZLet's Dance [ENHANCED CD]
David Bowie
Virgin 1999-08-26


B00001OH7VHeroes
David Bowie
Virgin 1999-08-26

B00001OH7PThe Rise And Fall Of Ziggy Stardust (EMI) [ENHANCED CD]
David Bowie
Virgin 1999-08-26


■関連記事→ The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars/DAVID BOWIE


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