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2010年04月27日

Fragile/YES (イエス)

B00007KWHPFragile
Yes
Rhino 2003-02-03

 新たなメンバーにキーボードのRick Wakeman(リック・ウェイクマン)を加えてテクニック、表現力を大幅に強化したYES(イエス)が1971年に発表した4th Album『Fragile(こわれもの)』。次作『Close to the Edge(危機)』(1972年)と並ぶYESの代表作。
 前作の『The Yes Album(サード・アルバム)』(1971年)では、キーボードのTony Kaye(トニー・ケイ)がバンドの目指す音楽と自らの音楽の資質があまりにも違うため、楽曲を完成させるためにキーボード・パートを埋めていっただけ、というような殆ど見せ場の無い地味なプレイに終始していましたが、本作ではテクニック、アイディア、シンセサイザーや新たなテクノロジーへの適応能力など、大きな可能性を持ったRick Wakemanという、当時のYESにとってまたとない人材を得ることによってバンドの音楽の水準を一気に高めることに成功した完成度の高いアルバムです。


1. Roundabout
2. Cans and Brahms
3. We Have Heaven
4. South Side of the Sky
5. Five Per Cent of Nothing
6. Long Distance Runaround
7. Fish (Schindleria Praematurus)
8. Mood for a Day
9. Heart of the Sunrise

Jon Anderson - Vo.ジョン・アンダーソン
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Bill Bruford - Dr.ビル・ブルフォード
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ
Rick Wakeman - Key.リック・ウェイクマン

 収録曲はシングル・ヒットにもなった"Roundabout"と"South Side of the Sky"、"Long Distance Runaround"、"Heart of the Sunrise"の4曲に、Rick Wakemanのソロ、前作に続いて本作でも披露されたSteve Howe(G.スティーブ・ハウ)のアコースティック・ギターによるスパニッシュ風ソロ・ギター、Jon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)、Chris Squire(B.クリス・スクワイア)、Bill Bruford(Dr.ビル・ブラッフォード)の前衛的なソロ作品がそれぞれ各1曲ずつという全9曲。各メンバーのソロ作品5曲がメインの4曲の間に程よいアクセントとしてバランスよく収録されています。(小品ながらソロ作品5曲も聴き応えあり。)

 この時期のYES(イエス)の凄いところは、ギター、ベース、ドラム、キーボードと楽器演奏者4人が自らのプレイを派手に主張したいメンバーばかりになったのにも拘らず(Jon Anderson/Vo.ジョン・アンダーソンは壮大な音の流れの中で美しくポップなメロディーを気持ちよく歌えれば満足だったのではないか)、それ故の緊張感の上で崩壊することなく絶妙なバランスを保ち、全体的に見るとまとまっているという奇跡的な演奏を行っているところ。実際、各楽器別に聴いてみるとどの楽器も壮絶なプレイを繰り広げていることが分かります。
 余談ですが、Rick Wakemanの加入によりSteve Howeが突出して前に出ることが減り、Steve Howeのリズム感の悪さが若干でも緩和されて聴こえるところも、同じメロディー&コード楽器のキーボードにSteve Howeと張り合えるRick Wakemanが加入した効能。個人的にはSteve Howeのずれ方は味というところまで昇華されていると思うのですが、聴く人によっては高度なテクニックを持ちながらも「ヘタウマ」と表現されてしまう原因のひとつでもあります。
(実はRick Wakeman自体もあまりリズム感は良くない。ライブなどではドラマーのBill Brufordは制約が多くてかなり苦労したのではないか?Chris Squirも色々煩そうだし。後に、プレイする上でより自由度が高く、プログレ界ではイエスより格上と評されるKING CRIMSON/キング・クリムゾンに行ったのはそのせいだったりして。)



B00007KWHNThe Yes Album
Yes
Rhino/Elektra 2003-01-27

B00007LTI9Close to the Edge
Yes
WEA Japan 2003-08-25

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2010年04月25日

The Yes Album/YES (イエス)

B00007KWHNThe Yes Album
Yes
Rhino/Elektra 2003-01-27

 デビューから2作目まで、後の大型バンドへの要素は垣間見せつつも、アート・ロック、サイケデリックな作品で、どちらかと言えばポップ・グループといった感の強かったYES(イエス)から、バンドの方向性に合わなくなってきたギタリストのPeter Banks(ピーター・バンクス)が脱退し、よりシンフォニックなサウンドを目指すようになっていくバンドの要求に応えるだけでなく、その後のバンドの楽曲制作においても大きな存在となるSteve Howe(スティーヴ・ハウ)が新たに加入。哲学的、あるいは独特な世界観を持った楽曲をテクニカルで壮大な演奏で構成し、Jon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)のハイトーンヴォーカルが奏でるポップ且つ美しいメロディー・ラインを乗せるというバンドの狙いが見事に昇華された、後の代表作『Fragile(こわれもの)』(1971年)、『Close to the Edge(危機)』(1972年)への序章、『The Yes Album(サード・アルバム)』(1971年発表)。


1. Yours Is No Disgrace
2. Clap
3. Starship Trooper
4. I've Seen All Good People
5. Venture
6. Perpetual Change

Jon Anderson - Vo.ジョン・アンダーソン
Chris Squire - B.クリス・スクワイア
Bill Bruford - Dr.ビル・ブルフォード
Tony Kaye - Key.トニー・ケイ
Steve Howe - G.スティーブ・ハウ

 ロックギターの範疇に収まらない様々なジャンルの音楽、奏法を駆使しバンドにカラフルな彩を与える事に成功したSteve Howe(スティーヴ・ハウ)のギターを加えることによってバンドの表現力は大幅に広がり、本作から導入された組曲形式の大作(とは言っても後の『Close to the Edge』、『Tales from Topographic Oceans/海洋地形学の物語』に収録された楽曲のように20分近いものはない)もリスナーを飽きさせずに最後までしっかり聞かせる密度の高い内容に仕上げられており、アルバム・タイトルからも感じられるように新生YESのデビューアルバムともいえるアルバムです。
 Jon Anderson(Vo.ジョン・アンダーソン)がハイトーンで奏でるポップなメロディーライン。ルート音に拘らないコード感を重視したベースラインでバンドを牽引するChris Squire(B.クリス・スクワイア)。或る時は重厚かつダイナミックに、或る時は疾走感溢れるプレイでバンドに彩を加えるキーボード(本作ではTony Kaye -トニー・ケイ、次作からはRick Wakeman - リック・ウェイクマンに交代)。チューニングのピッチが高いスネアの独特のサウンドで緻密でテクニカルなリズムを刻むBill Bruford(Dr.ビル・ブラッフォード)。多彩なギタープレイを聴かせる
Steve Howe(G.スティーブ・ハウ)。YESならではの世界観のある楽曲群とその後のバンドのスタイルが荒削りながらもほぼ完成しており、一般的には代表作といわれる『Fragile』、『Close to the Edge』に較べると知名度的には低いアルバムですが、収録曲の半分以上がYESのライブの定番曲となっているだけあって楽曲の出来も良く、演奏面でもYESの美味しい部分の要素が凝縮されている事などから代表作2作と並ぶ名盤ではないかと思います。また、適度にポップ、ロック寄りな楽曲群は、後のYESの難解な部分は殆ど無く(聴き込むと色々詰め込んではありますが)、プログレ・ファン以外のリスナーにも聞きやすく、YES及びプログレ初心者には代表作2作ではなく、この『The Yes Album』から聴いた方が良いかもしれない、と思ったりもします。(好みによっては『Going to the One(究極)』も良いかも。)

 ライブでの定番曲"Yours Is No Disgrace"、"Starship Trooper"、"I've Seen All Good People"、"Perpetual Change"、新加入ギタリストSteve Howeが挨拶代わりにアコースティック・ギターでの超絶テクニックを披露する"Clap"、このアルバムを最後にバンドを脱退するTony Kaye(Key.トニー・ケイ)のピアノをフューチャーした"Venture"収録。



B00007KWHPFragile
Yes
Rhino 2003-02-03

B00007LTI9Close to the Edge
Yes
WEA Japan 2003-08-25

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