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March 29, 2008

Volume 1 & 2/MILES DAVIS (マイルス・デイヴィス)

Miles Davis Volume 1Miles Davis, Vol.1
Miles Davis
Toshiba EMI 2001-07-17

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Miles Davis - Miles Davis, Vol. 1 [試聴]iTunes Music Store - Miles Davis, Vol. 1


 1950年代初頭、ジャズの世界で確固たる人気を確立したMiles Davis(tp.マイルス・デイヴィス)が、BLUE NOTE(ブルーノート)に残した1952年から1954年にかけて行った3回のセッションを2枚のアルバム(『Volume 1』『Volume 2』)にまとめた、Miles Davisがハード・バップ・スタイル確立へ向かう過程と模索、そして熱い名演奏がたっぷりと収録された作品集。
 その人気とは裏腹に、白人ミュージシャン主導のクール・ジャズが主流となりつつあったジャズ・シーン(皮肉なことに黒人のMiles Davis自らが創始者の一人。『Birth of The Cool/クールの誕生』 - 1948年)、そしてドラッグ中毒という問題も抱え、プレイヤーとしての信頼を失いつつもあったMiles Davisの再生を信じたBLUE NOTEのオーナー、Alfred Lion(アルフレッド・ライオン)の期待に応えたMiles Davisがドラッグ中毒を克服しつつ数多くの奇跡的な名演奏を行った、Miles Davis自身の人生にとって大きなターニング・ポイントになったのではないかと思われるアルバムです。
 Miles DavisがBLUE NOTEに残した作品はこの2作のみですが、レーベルのオーナーである前に、一人のジャズ・ファンであったAlfred Lionの存在が無ければ、その後ジャズの帝王として頂点を極めるMiles Davisは無かったのかもしれません。


[Volume 1]
1. Dear Old Stockholm
2. Chance It
3. Donna
4. Woody 'n' You
5. Yesterdays
6. How Deep Is The Ocean
7. Chance It (Alternate Take)
8. Donna (Alternate Take)
9. Woody 'n' You (Alternate Take)
10. Take Off
11. Lazy Susan
12. Leap
13. Well You Needn't
14. Weirdo
15. It Never Entered My Mind

[1952年5月9日録音 - Volume 1 Trk.1-9]
Miles Davis -trumpet (マイルス・デイヴィス)
J.J.Johnson -Trombone (J.J.ジョンソン)
Jackie McLean -alt sax (ジャッキー・マクレーン)
Gil Coggins -piano (ギル・コギンズ)
Oscar Pettiford -bass (オスカー・ペティフォード)
Kenny Clarke -drums (ケニー・クラーク)

[1954年3月6日録音 - Volume 1 Trk.10-15]
Miles Davis -trumpet (マイルス・デイヴィス)
Horace Silver -piano (ホレス・シルバー)
Parcy Heath -bass (パーシー・ヒース)
Art Blakey -drums (アート・ブレイキー)

 発売以来、収録曲順の変更、ボーナス・トラック追加収録、『Volume 1』と『Volume 2』を合わせて2枚組アルバムとして編集されたりと様々な形で発売されていますが(『マイルス・デイヴィス・オールスターズ Vol.1 & Vol.2』他)、現在は当時の録音エンジニア、Rudy Van Gelder(ルディ・ヴァン・ゲルダー)がリマスターを行い、収録曲順を録音年別にまとめた本シリーズが主流のようです。個人的には嘗て聴いていた馴染みのあるものと比べて収録曲順に若干違和感があるものの、リマスターによる音質の向上に加え、各年ごとの演奏をCDプレイヤーの面倒な操作無しに堪能できること、そしてドラッグ渦の中にいながら最初からハード・バップの完成形をしっかりと見据えていたかのようなMiles Davis(tp.マイルス・デイヴィス)の演奏と参加メンバーにハード・バップ・スタイルが徐々に浸透して行く様が感じられることなどから、なかなか気に入ったフォーマットでもあります。

 1952年の大御所J.J.Johnson(tb.J.J.ジョンソン)、Oscar Pettiford(b.オスカー・ペティフォード)、Kenny Clarke(ds.ケニー・クラーク)等との3管での演奏(『Volume 1』収録)。サックスがアルト・サックスのJackie McLeanジャッキー・マクレーン)からテナーのJimmy Heathジミー・ヒース)に代わり、ドラムにArt Blakeyアート・ブレイキー)を迎えた1953年の演奏(『Volume 2』収録)。そしてMiles Davisのワンホーンでの演奏を収めた1954年(『Volume 1』収録)。
 明らかに体調的には不調であったであろう1952年の録音ですら、曲によって好不調の波は感じられるものの"Dear Old Stockholm"、"Yesterdays"など、ドラッグの影響など全く見せない素晴らしい演奏を残しており、魅力的なハーモニーを聴かせる"Kelo"、J.J.Johnson(J.J.ジョンソン)作曲の魅惑の名バラード"Enigma"、Bud Powell(p.バド・パウエル)作曲の"Tempus Fuit"、Jimmy Heathの代表曲"C.T.A."での白熱したプレイ等を収録した1953年録音楽曲。そして1954年、ミュージック・シーンへの完全復活を高らかに告げる"Take Off"、貴重なカップ・ミュートでのバラードの名演"It Never Entered My Mind"、影響は受けつつも音楽的には遂に相見える事の無かった奇才Thelonious Monk(p.セロニアス・モンク)作曲"Well You Needn't"などの名演が収録されており、Miles Davis復活へのドキュメント、ハード・バップ誕生前夜の記録というだけでなく、Miles Davisを聴く上で、(まず1番に聴くべきアルバムを言う訳ではありませんが)何時かは聴いておきたいMiles Davisの残した名盤のひとつ(2枚)と言える内容になっています。個人的には特に『Volume 2』に収録されている1953年の演奏が秀逸ではないかと思います。
 但、"Dear Old Stockholm"、"Woody 'n' You"、"It Never Entered My Mind"等、後に再演される楽曲については、先に後年の再演版を聴いてしまうと、アレンジ面、演奏、グループの統一感など、聴く人の好みにもよりますが、物足りなく感じるケースもあるかもしれません。


Miles Davis Volume 2Miles Davis, Vol. 2
Miles Davis Jimmy Heath
Toshiba EMI 2001-07-17

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Miles Davis - Miles Davis, Vol.2 (RVG Edition) [試聴]iTunes Music Store - Miles Davis, Vol. 2


[Volume 2]
1. Kelo
2. Enigma
3. Ray's Idea
4. Tempus Fuit
5. C.T.A.
6. I Waited For You
7. Kelo (Alternate Take)
8. Enigma (Alternate Take)
9. Ray's Idea (Alternate Take)
10. Tempus Fugit (Alternate Take)
11. C.T.A. (Alternate Take)

[1953年4月20日録音 - Volume 2 Trk.1-11]
Miles Davis -trumpet (マイルス・デイヴィス)
J.J.Johnson -trombone (J.J.ジョンソン)
Jimmy Heath -tenor sax (ジミー・ヒース)
Gil Coggins -piano (ギル・コギンズ)
Parcy Heath -bass (パーシー・ヒース)
Art Blakey -drums (アート・ブレイキー)

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March 21, 2008

Dig/MILES DAVIS featuring SONNY ROLLINS (マイルス・デイヴィス、ソニー・ロリンズ)

Miles Davis DigDig
Miles Davis
Universal Japan 1990-10-25

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Miles Davis - Dig [試聴]iTunes Music Store - Dig


 Charlie Parker(as.チャーリー・パーカー)のバンドに参加以来、徐々に頭角を現してきたMiles Davis(tp.マイルス・デイヴィス)は、Charles Parker、Dizzy Gillespie(tp.ディジー・ガレスピー)、Bud Powell(p.バド・パウエル)等の創り上げた、コード進行に基づいて自由にアドリブを繰り広げるビ・バップ(Be Bop)の命を削るかのような壮絶で過酷な演奏スタイルに限界を感じて、Charles Parkerの元を離れた後に九重奏団を結成。ウエスト・コースト・ジャズの流れを汲むクール・ジャズ(Cool Jazz)という新たなスタイルでアレンジ重視の、ある意味実験的な『Birth of The Coolクールの誕生)』(1948年)を発表。
 そしてその後、Art Blakey(ds.アート・ブレイキー)、Sonny Rollins(ts.ソニー・ロリンズ)、Jackie McLean(as.ジャッキー・マクレーン)等と共に、フレーズをよりメロディアスに洗練させつつ、スター・プレイヤーのアドリブのみがメインだったビバップとは違った、バンド・アンサンブル重視のハード・バップ・スタイル(Hard Bop)の基礎を創り上げたのが1951年に発表された本作『Dig(ディグ)』です。


1. Dig
2. It's Only a Paper Moon
3. Denial
4. Bluing
5. Out of the Blue

Miles Davis -trumpet (マイルス・デイヴィス)
Sonny Rollins -tenor sax (ソニー・ロリンズ)
Jackie McLean -alt sax (ジャッキー・マクレーン)
Walter Bishop -piano (ウォルター・ビショップ)
Tommy Porter -bass (トミー・ポーター)
Art Blakey -drums (アート・ブレイキー)

Charlie Parker & Miles Davis 歴史的な名盤とまでは言えないものの、先人達がジャズを芸術にまで高めたビバップ・スタイルを、若き日の後の巨匠達が新たなハード・バップという新境地に進むべく繰り広げる熱い演奏が魅力的な1枚。
 Miles Davis(tp.マイルス・デイヴィス)主導でハードバップという新たなアイディアを取り入れたアルバムではありますが、実はドラムのArt Blakey(ds.アート・ブレイキー)の果たした役割が非常に大きく感じられるアルバムでもあり、1曲目のタイトル・ナンバー"Dig"での鮮烈な印象もあってか、全体的にArt Blakeyのドラムに牽引され、尚且つ刺激を受けながらMiles Davis(tp.マイルス・デイヴィス)が全体像を創り上げ、それに乗せられてSonny Rollins(ts.ソニー・ロリンズ)、Jackie McLean(as.ジャッキー・マクリーン)等が、新たなジャズの試みを熱く、そして奔放に吹きまくるという、Art Blakeyのドラムがあったからこそ、こういう形に仕上がったと言っても過言では無いアルバムになっています。そう考えるとハード・バップ誕生への過程において、Art Blakeyの貢献度はMiles Davisと並ぶほどの高い価値を持っていたのかもしれません。

Art Blakey 所謂「ジャズ」という言葉を聞いて一般的な音楽ファンが思い浮かべるのが、1940年代から1950年代にかけてのビバップ、ハード・バップ期のジャズ・スタイルではないかと思います。Miles Davis(マイルス・デイヴィス)を聴いてみようと思い立ったマイルス初心者が、よくある名盤紹介的な本を読んで、突然『Birth of The Cool(クールの誕生)』、モード・ジャズ期の『Kind of Blue(カインド・オブ・ブルー)』(1959年)、エレクトリック期の『Bitches Brew(ビッチェズ・ブリュー)』(1969年)などを聴いてしまって投げ出してしまうより、ビバップからハード・バップへの移行期の好盤『Dig』、ハード・バップ・スタイルの完成形ともいえる『Relaxin'リラクシン)』を始めとする"ing4部作"、大手コロンビアと契約して一気にMiles Davisの知名度を高めた『'Round About Midnightラウンド・アバウト・ミッドナイト)』(1957年)あたりから気楽に聴いてみるのも正解のひとつではないかと思います。


Art Blakey (アート・ブレイキー)

A Night at Birdland, Vol.1/バードランドの夜 Vol.1A Night at Birdland, Vol.1
Art Blakey Quintet
Toshiba EMI 2001-07-31

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Art Blakey - A Night At Birdland, Vol.1 [試聴]iTunes Music Store - A Night At Birdland, Vol.1


1. Announcement by Pee Wee Marquette
2. Split Kick
3. Once in a While
4. Quicksilver
5. Night in Tunisia
6. Mayreh

Clifford Brown -trumpet (クリフォード・ブラウン)
Lou Donaldson -alt sax (ルー・ドナルドソン)
Horace Silver -piano (ホレス・シルヴァー)
Curly Russell -bass (カーリー・ラッセル)
Art Blakey -drums (アート・ブレイキー)

 ハード・バップ創世記にMiles Davis(tp.マイルス・デイヴィス)を煽ったと言っても過言では無い素晴らしい演奏を聴かせたArt Blakey(Dr.アート・ブレイキー)が、若きトランペットの新星Clifford Brown(tp.クリフォード・ブラウン)、ピアノのHorace Silver(p.ホレス・シルヴァー)、アルト・サックスのLou Donaldson(as.ルー・ドナルドソン)等を率いて1954年2月21日にジャズ・クラブ 「バードランド」で行ったライブを収録した、ホットでエキサイティングなジャズの楽しさが詰め込まれたハード・バップ誕生を高らかに告げる名盤『A Night at Birdland, Vol.1(バードランドの夜 Vol.1)』。
 Miles Davisは『Dig』(1951年)以降、徐々にクールでソフトなハード・バップ・スタイルへと向かいますが、『Dig』で聴かせたホットなハード・バップを極めたのがこのArt Blakey。強烈なシンバル・ワーク、スネアを豪快に連打する通称"ナイアガラ瀑布"(ばくふ=滝)と呼ばれた十八番のロール奏法、Art Blakeyのファンキーなドラムが快調に飛ばしてバンドを牽引する、躍動感溢れる演奏が満載。ジャズを聴きいてみたいというジャズ初心者に私が一番に勧めるのがこのアルバムです。

Clifford Brown Charlie Parker(as.チャーリー・パーカー)を驚愕させ、トランペッターとしての実力はMiles Davis(tp.マイルス・デイヴィス)を凌ぐとまで言われた、夭折した天才Clifford Brown(本作発表の2年後に交通事故の為、25歳の若さで死去。)のメロディーを美しく歌い上げるような艶やかな音色とホットで流麗なアドリブは必聴。また、実力はあるものの、この後の活動が地味で目立たなかった為、今日では評価されることの少ないLou Donaldsonのサックスもこの日は絶好調。天才Clifford Brownと互角の真っ向勝負で、Charles Parkerが乗り移ったかのような素晴らしい演奏を聴くことが出来ます。
 また、『A Night at Birdland, Vol.1』と共にハード・バップの人気を決定付けたMiles Davisの『Walkin'』(1954年)の2枚のアルバム両方に参加して、特に『A Night at Birdland, Vol.1』では5曲中3曲("Split Kick"、"Quicksilver"、"Mayreh")を提供しているHorace Silver(p.ホレス・シルヴァー)の演奏にも注目。ハード・バップ誕生においてHorace Silverの果した役割が非常に大きかったことが分かります。
(1954年2月21日収録)


A Night at Birdland, Vol.2/バードランドの夜 Vol.2A Night at Birdland, Vol. 2
Art Blakey Quintet
Toshiba EMI 2001-07-31


B00000I8UFMoanin'
Art Blakey & The Jazz Messengers
Parlophone Jazz 1999-03-23

[ジャケット写真をクリックするとリンク先のAmazonで試聴できます。]

1. Moanin'
2. Are You Real
3. Along Came Betty
4. Drum Thunder Suite
5. Blues March
6. Come Rain or Come Shine

Lee Morgan -trumpet (リー・モーガン)
Benny Golson -tennor sax (ベニー・ゴルソン)
Bobby Timmons -piano (ボビー・ティモンズ)
Jymie Merritt -bass (ジミー・メリット)
Art Blakey -drums (アート・ブレイキー)

 Art Blakey(ds.アート・ブレイキー)の代表曲"Moanin'"を含む、Art Blakey & The Jazz Messengers(アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ)の傑作アルバム。1958年に発表され、日本でも大ヒットしてファンキー・ブームを巻き起こしたファンキー・ジャズの名盤です。
 あまりにも有名なイントロから始まる、ジャズの世界でも1,2を争う有名曲"Moanin'"(Bobby Timmons/ボビー・ティモンズ作)。それに続くBenny Golson(ts.ベニー・ゴルソン)作曲の4曲。豪華絢爛なテーマからLee Morgan(tp.リー・モーガン)以下、各メンバーが叙情感豊かなソロで聴かせる"Are You Real"、Benny Golson色全開のクールな"Along Came Betty"、Art Blakeyのパワフルなドラム・ソロを挟みながら、幾つかのモチーフを繋げていく前衛的な構成を持った組曲"Drum Thunder Suite"、Art Blakeyのレパートリーの中では"Moanin'"に次いで有名な行進曲のブレイキー風ジャズ版アレンジ"Blues March"。実はこのBenny Golson作の4曲が本作を名盤たらしめているといっても過言ではない名曲、名演揃い。そしてラストが、これまでの熱い演奏から少しリラックスした演奏でクール・ダウン効果抜群のスタンダード・ナンバー"Come Rain or Come Shine"。"Moanin'"だけが全てのアルバムではなく、多くの聴き所、名曲を収録したハード・バップ・ファン必聴のアルバムの1枚です。
 個人的には、ヒット曲"Moanin'"、"Blues March"ではなく、2曲目の"Are You Real"が本作のベスト・トラック。
 
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