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2007年11月25日

Truth/THE JEFF BECK GROUP (ジェフ・ベック・グループ)

B000I0QKDSTruth
Jeff Beck
Sony 2006-10-10

 1966年にTHE YARDBIRDS(ヤードバーズ)を脱退したJeff Beckジェフ・ベック)が、プロデュース契約を結んだMickie Most(ミッキー・モスト)の意向によるポップス路線でソロ・シングル"Hi Ho Silver Lining"を大ヒットさせた後、本来自らが表現したかった音楽の実現のため、念入りなメンバー探しを行って英国ロック・シーンのアンダーグラウンドから発掘した"世界最高の白人ソウル・シンガー"Rod Stewart(Vo.ロッド・スチュワート)、そして後にTHE FACES(フェイセズ)、THE ROLLING STONES(ローリング・ストーンズ)に参加することになるギタリストRon Wood(B.ロン・ウッド)等と共に結成した第1期THE JEFF BECK GROUP(ジェフ・ベック・グループ)が1968年に発表したデビュー・アルバム。


1. Shapes of Things
2. Let Me Love You
3. Morning Dew
4. You Shook Me
5. Ol' Man River
6. Greensleeves
7. Rock My Plimsoul
8. Beck's Bolero
9. Blues de Luxe
10. I Ain't Superstitious

Jeff Beck :G (ジェフ・ベック)
Rod Stewart :Vo (ロッド・スチュワート)
Ron Wood :B (ロン・ウッド)
Mick Waller :Dr (ミック・ウォーラー)

*Aynsley Dunber :Dr (エインズレー・ダンバー)
*Nicky Hopkins :Key (ニッキー・ホプキンス)
*John Paul Jones :Key,B (ジョン・ポール・ジョーンズ)
*Jimmy Page :G (ジミー・ペイジ)- Beck's Bolero
*Keith Moon :Dr (キース・ムーン)- Beck's Bolero

Jeff Beck Group 1967 Jeff Beck(ジェフ・ベック)が在籍したTHE YARDBIRDS(ヤードバーズ)のヴォーカリストKeith Relf(キース・レルフ)は60年代ロックの中において決して下手なヴォーカリストと言う訳ではありませんでしたが、1960年代末から1970年代に向けてロック・ミュージックのあり方が変化し、大会場での公演に伴う音響機材や技術の向上、アンプの大出力化、そしてサウンド的にもメタリックにヘヴィ化して行く中、声量の無いKeith Relfではあまりにも弱く、進化し続けるJeff Beckの音楽にとっては徐々に不満の原因のひとつとなっていたようですが(Jeff Beckのギターに太刀打ちできないKeith Relfが苛立って、コンサート中にギター・アンプのヴォリュームを下げた、などという逸話もあるようです)、Jeff Beckのギターに対抗しうるRod Stewart(Vo.ロッド・スチュワート)を手に入れたことによって思う存分ギターを弾くことが可能となり、ダイナミックに変化していった当時の音楽シーンの中でJeff Beckの創造性を余す事無く発揮する舞台を作ることに成功。Jeff Beckのヘヴィー且つトリッキーでエキセントリックなギターに対して敢然と立ち向かうRod Stewartとバトルのようなスリリングな掛け合いなど、本作『Truth』の音楽には未整理ながら単なるブルース・ロックからの更なる発展へのアイディアやロック・ミュージックの新たな可能性の断片が散りばめられており、70年代ハード・ロックの基本となるスタイルを産み出すことにも成功しています。
*Jeff BeckのTHE YARDBIRDSの脱退については、長いツアーに耐え切れなかったことに加え、メンバー間の確執、気紛れで我侭、そしてバンド・プロデュース能力のセンスにかけたJeff Beckの性格的な問題が大きく、そのことは後のTHE JEFF BECK GROUPが成功を収められなかった原因にもなっています。

Jeff Beck Group 1969年のLED ZEPPELINレッド・ツェッペリン)デビュー時にJeff Beck(ジェフ・ベック)が「自分が創り上げた音楽を盗んだ」として、プロ・デビュー前から交友関係があり仲も良かったJimmy Page(G.ジミー・ペイジ)と一時期絶縁状態となりますが、実際本アルバムには後にLED ZEPPELINを結成するJimmy Page、John Paul Jones(Key,B.ジョン・ポール・ジョーンズ)がアレンジャー、及びプレイヤーとして参加しており、本作制作に関わりながらJimmy Pageがその後のバンド結成構想を練り上げて行く上で、LED ZEPPELINのプロト・タイプとまでは言えないものの、大きなインスピレーションを得ていたのは間違いの無いところではないかと思われます。但、LED ZEPPELINの1stにも収録された"You Shook Me"のあまりにも酷似したアレンジは流石にJeff Beckを怒らせても仕方が無く、その上自らが弾くギターと同様にエキセントリックな性格のJeff Beckが、プロデュース能力に優れるJimmy Pageの率いるLED ZEPPELINのTHE JEFF BECK GROUP(ジェフ・ベック・グループ)以上の成功に対して苛立った結果としての発言ということも強く感じられます。
 また、本作に収録された"Beck's Bolero"は、Jeff Beckのソロでのヒット曲"Hi Ho Silver Lining"のB面として発表済みでしたが、参加メンバーは豪華の一言で、ギターにJeff BeckとJimmy Page、ベースにJohn Paul Jones、キーボードはNicky Hopkins(ニッキー・ホプキンス)、そしてドラムには当時既にトップ・バンドとなっていたTHE WHO(ザ・フー)のKeith Moon(キース・ムーン)。楽曲的には良い出来とは言えなかったものの、好感触を得たメンバーはSteve Winwood(Vo,Key.スティーヴ・ウインウッド)、Keith Moonと同様にTHE WHOからの脱退を考えていたJohn Entwistle(B.ジョン・エントウィッスル)を加えて新たなバンド結成を考えますが、THE WHOのツアー開始、各メンバーのマネージメント契約などの問題等であっさりと挫折しています。しかし、そのバンドにつけられる予定だった名前が"LED ZEPPELIN"であり、Jimmy PageがYARDBIRDS解散後に新たにRobert Plant(Vo.ロバート・プラント)、John Paul Jones(B.ジョン・ポール・ジョーンズ)、John Bonham(Dr.ジョン・ボーナム)というメンバーで結成したNEW YARDBIRDSの正式なバンド名として流用しています。こうして考えるとJeff Beckの「パクッた」という発言は言い過ぎにしても因縁のある二つのバンドであり、これらのことを念頭において『Truth』(1968年)と『Led Zeppelin I』(1969年)を聴き比べてみるのも面白いかもしれません。

*便宜上、第1期JEFF BECK GROUP(ジェフ・ベック・グループ)と表記していますが、実際にはアルバム発売当時はツアー、アルバム共に"JEFF BECK"のみのクレジットで活動しています。


Led ZeppelinLed Zeppelin
Led Zeppelin
Atlantic 1994-07-21

 →Led Zeppelin I


Truth & Beck-Olaトゥルース&ベック・オラ
ジェフ・ベック・グループ
EMIミュージック・ジャパン 1999-09-29

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