Search


since 2005.03.13

2007年03月29日

Exit...Stage Left/RUSH (ラッシュ)

B000001ESRExit...Stage Left
Rush
Mercury 1997-07-01

 各メンバーの持つ非常に高度な演奏技術と緻密に練り上げられた密度の高いアレンジでトリオ編成とは思えない表現力と重量感のあるサウンドを聴かせるカナダのプログレッシブ・ハード・ロック・バンド"RUSH(ラッシュ)"が、それまでの大作組曲主義的な作風からポップでキャッチーなメロディーを持つコンパクトな作風へと路線変更して製作した『Permanent Waves』(1980年)、名盤『Moving Pictures』(1981年)という2作のヒット・アルバム発表後に行ったRUSHの人気絶頂時のツアーを収録したライブ・アルバムの傑作『Exit...Stage Left(邦題:神話大全)』。(1981年発表)
 1974年のデビューから1981年までのRUSHの歴史を統括するかのような内容で、初期の名盤『2112』(1976年)などの流れを汲む大作志向期の名残、『Permanent Waves』以降のポップ路線など、RUSHの魅力を余す事無くパッケージしたベスト・アルバム的選曲になっています。


1. Spirit of Radio
2. Red Barchetta
3. YYZ
4. Passage to Bangkok *
5. Closer to the Heart
6. Beneath, Between & Behind
7. Jacob's Ladder
8. Broon's Bane
9. Trees
10. Xanadu
11. Freewill
12. Tom Sawyer
13. Villa Strangiato

*"Passage to Bangkok" オリジナル盤未収録

Geddy Lee :b,kbd,vo.ゲディー・リー
Alex Lifeson :g.アレックス・ライフソン
Neil Peart :dr,per.ニール・パート


Rush_1981 ヴォーカルを担当しながらテクニカルに動き回るベース・ラインを弾き、同時にフット・ペダルによるキーボード演奏すらもこなしてしまうマルチ・プレイヤーGeddy Lee(b,kbd,vo.ゲディー・リー、キーボード・プレイヤーとしても優れた能力を持っています)。デビュー当時のLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)から影響を受けたへビィ・リフ主体の演奏から作を重ねるごとに様々なプレイ・スタイルを吸収・消化してバンドの演奏に彩を与え、Lerxst Soundと呼ばれる重厚なオリジナル・サウンドを創り上げたAlex Lifeson(g.アレックス・ライフソン)。作詞を担当してSF的なものから哲学的な要素などRUSH(ラッシュ)のアルバム・コンセプト作りに重要な役割を担い、プレイヤーとしても所狭しと並べられたドラム・セットを高度なテクニックで縦横無尽に叩きまくるNeil Peart(dr,per.ニール・パート)。

Rush 1979 この3人が作り出す音楽は、高度なテクニックを余すところなく楽曲に注ぎ込んだ複雑な楽曲構成を持つとともに、Neil Peartの創造した詩世界をメンバー3人によって音像化して独特のRUSHワールドを展開し、しかも優れたメロディー・センスによってテクニックのひけらかしには決して終わらないという絶妙なバランスを持っています。
 また、このバンドの凄いところはライブにおける楽曲の完璧な再現。RUSHファンには有名なエピソードとして、Geddy Lee(ゲディー・リー)が観たLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)のライブで「"Stairway to Heaven(天国への階段)"のギター・ソロをJimmy Page(ジミー・ペイジ)がスタジオ盤通りに弾かなくてガッカリしたので、自分たちは出来るだけスタジオ盤の演奏をライブでも忠実に再現することを目指した。」というのがあります。普通のバンドならライブ演奏を考慮したスタジオ盤の製作という方向に行ってしまうことが多いのですが、RUSHの場合はスタジオ録音では妥協する事無く楽曲を創り上げ、その後ライブで再現できるように練習、及び機材による工夫を徹底して行う、という方法を取っています。80年代後半以降はテクノロジー(シンセサイザー、サンプリング・マシン、シーケンサー等)の進歩などにより少しずつライブでのスタジオ盤の再現は楽になってきているとは思われますが(それでも充分に凄い演奏です)、本作『Exit...Stage Left』を発表した当時はまだそれ程でもなく(例えばシンセサイザーは違った音色を同時に出すためには複数のシンセサイザーが必要。1台のシンセサイザーで同時に出せる音数にも制限があったり、1台のシーケンサーで可能な制御能力も現在とは比べ物にならないほど低く、複数のシーケンサーを同時に使うにしても同期の問題など、様々な制限があった。)、キーボード専任のプレイヤーのいないRUSHは、サポート・メンバーを入れる事無く、各メンバーが複数の楽器を同時に演奏するという驚くべき方法(ライブ・ビデオなどで確認すると、特にGeddy Leeなどは正に曲芸的なライブ・パフォーマンス)でスタジオ盤を再現しています。

Neil Peart 欧米でのカリスマ・バンド的な人気に較べると日本では過小評価されて一般的な知名度も低いのですが、決して小難しくマニアックなバンドではなく、簡単に言うと"プログレ風味の格好良いハード・ロックを演奏するバンド"です。本来なら日本でも受け入れられやすい音楽ではないかと思うのですが、最も商業的に成功した『Moving Pictures』(1981年)発表後、一時期日本でもプロモーションに力が入れられたものの、現在では一部のハード・ロック、プログレ・ファン、自ら楽器を演奏するミュージシャン等以外には忘れ去られているようなところもあり、当時は日本に情報の入り難かったカナダのバンドであることと、"ハード・ロックはギター・ヒーローを擁するバンドでないと人気が出ない"というギタリスト至上主義的な日本のミュージック・シーンを象徴するかのような存在になってしまっています。(それに加えて多くのアマチュア・バンドがコピーして演奏するにはバンド編成や機材的な部分での問題、演奏テクニック的にも難しかった、と言うのも大きな原因ではないかと思います。)


B000FDFOX0Replay X3 (4pc) (Rmst Ac3 Dol Dts Box)
Rush
2006-06-13

 RUSH(ラッシュ)が1980年代に発表した3つのライブ・ビデオ『Exit Stage Left』(1981)、『Grace Under Pressure』(1984)、『A Show of Hands』(1987-88)をまとめたDVDボックス・セット。各メンバーの圧倒的なテクニックとGeddy Lee(B,kbd,Vocal.ゲディー・リー)の驚異的なマルチ・プレイヤー振りで緻密に構成されたスタジオ録音盤を3人のメンバーだけで再現するRUSHのライブ・ステージの全貌を見ることが出来ます。


B000001ESPMoving Pictures
Rush
Universal 1997-06-03

 LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)フォロワーのハード・ロック・バンドとしてデビューし、その後プログレッシブな大作志向を経て1980年代にポップでキャッチーな楽曲と変拍子などを多用したテクニカルでプログレッシブな演奏を上手く共存させ、RUSH(ラッシュ)ならではのオリジナル・サウンドを確立した1981年発表の代表作。
 シンセサイザーをフューチャーしてスリリングな展開を見せる代表曲"Tom Sawyer"、Neil Peart(dr,per.ニール・パート)の凄まじいドラム・プレイが聴けるインスト曲"YYZ"、シングル・ヒットした"Limelight"。かつての大作志向の流れを汲む組曲"The Camera Eye"、他収録。


B000001ESF2112
Rush
MERCURY 1997-05-06

 ハード・ロック&プログレッシブ志向の初期RUSH(ラッシュ)の代表作。『2112(西暦2112年)』への評価により、それまでの"ツェッペリン・フォロワーのひとつ"程度の酷評しかなかったRUSHが一躍一流バンドの仲間入りを果たした記念碑的アルバム。(1976年発表)
 ハード・ロック・ファン、プログレ・ファン、共に必聴の20分を超える壮大な大作組曲"2112 Overture/The Temples of Syrinx"を収録。(レコードでは)B面収録の5曲も佳作ぞろい。故にRUSHの最高傑作に上げる人も多い作品です。


B000001FQSChronicles
Rush
Polydor 1990-09-01

 1974年のデビュー作『Rush』から1989年『Presto』までの代表曲を満遍なく並べたRUSH(ラッシュ)のベスト・アルバム。


B000002JPAImages and Words
Dream Theater
Warner 1992-02-01

 RUSH(ラッシュ)から多大なる影響を受けたハード・ロックとプログレッシブ・ロックの融合とサウンド空間を上手く生かしたサウンドでデビューした、並みのへビィーメタル・バンドには太刀打ち出来ない程の高度なテクニックとへビィー・サウンドを聴かせるプログレッシブ・メタル・バンド"DREAM THEATER"(ドリーム・シアター)の最高傑作。(2ndアルバム・1992年発表)
 アルバムのオープニングを飾るヘビィーメタル・ナンバー"Pull Me Under"、哀愁漂うヘビィーメタル・バラードの名曲"Another Day"、テクニカルで複雑な構成とメロディアスでキャッチーな部分が同居するDREAM THEATERの象徴的サウンド"Take the Time"、プログレ・メタルの最高峰"Metropolis, Pt. 1: The Miracle and the Sleeper"他収録。


| HOME |

2007年03月20日

The Song Remains The Same: Soundtrack From The Led Zeppelin Film/LED ZEPPELIN (レッド・ツェッペリン)

B000002I3DThe Song Remains The Same: Soundtrack From The Led Zeppelin Film
Led Zeppelin
WEA International 1990-10-25

Led Zeppelin[試聴]iTunes Music Store "Led Zeppelin"


 1973年の全米ツアーのライブを撮影した劇場用映画『The Song Remains the Same』(狂熱のライヴ・1976年公開)のサウンドトラックとしてLED ZEPPELINレッド・ツェッペリン)活動中に唯一発表された公式ライブ・アルバム。しかし、サウンドトラックと言っても映画とは収録曲や曲順、そして別テイクの収録といった差異があり、単純に映画の音源を収録したというよりはライブ音源を利用してJimmy Page(ジミー・ペイジ)が新たに1つの作品として製作したアルバムといったほうが正しいかもしれません。
 1973年7月27日、28日、29日にMadison Square Garden(マディソン・スクェア・ガーデン)で行われたコンサートの各テイクを編集して収録されています。


1. Rock 'n' roll
2. Celebration day
3. Song remains the same
4. Rain song
5. Dazed and confused
6. No quarter
7. Stairway to Heaven
8. Moby Dick
9. Whole lotta love

Jimmy Page: guitar (ジミー・ペイジ)
Robert Plant: vocals (ロバート・プラント)
John Paul Jones: bass (ジョン・ポール・ジョーンズ)
John 'Bonzo' Bonham: drums (ジョン・ボーナム)

Led Zeppelin 1973 発表当時は唯一の公式ライブという貴重な存在で、LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)のライヴを聴きたい時の選択肢は(公式には)本作しかありませんでした。2003年に『The Song Remains The Same: Soundtrack From The Led Zeppelin Film/永遠の詩(狂熱のライヴ)』以上にハイ・テンションで高い演奏レベル、そしてなんと言ってもRobert Plant(Vo.ロバート・プラント)の全盛期のヴォーカルを聴く事が出来る1972年のライブを収録した『How the West Was Won伝説のライヴ)』(2003年)が発表された現在となっては本作の存在価値も薄れてしまっていますが、『How the West Was Won』を収録した1972年以降に発売された、メロトロンの導入でプログレッシブ・ロック色が強く、John Paul Jones(ジョン・ポール・ジョーンズ)のバンド内での活躍が目立つアルバム『Houses Of The Holy聖なる館)』(1973年)収録曲のライブ・ヴァージョンを聴く事が出来ること。名曲"Stairway to Heaven"(天国への階段)の出来も良く、ライヴ・ヴァージョンの決定版ともいえる内容を持っていることなどから、決して疎かには出来ないアルバムです。
 全体的に本作でのLED ZEPPELINの演奏は可も不可もなし、LED ZEPPELINのライヴとしては平凡なものと言わざるを得ませんが、下手な海賊盤に手を出すよりはきちんと編集を施された公式盤ということで音質的にも内容的にも無難。

 現在(2007年)LED ZEPPELINの公式ライブ音源は、1969年と1971年にイギリスBBCのラジオ放映用に収録された、初期ツェッペリンのブルーズ色が色濃く残る時期の『BBC Sessions』(1997年発表)、ロック・バンドとして絶頂期を迎えた時期の1972年『How the West Was Won』(2003年発表)、そして1973年のライブを収録した本作『The Song Remains The Same』(1976年)の3作が発表されていますが、可能であれば1975年以降の後期ツェッペリンの公式ライヴ音源も欲しいところ。しかし、この時期の演奏としては、有名な海賊盤の名盤("Destroyer"、"Listen to This Eddie"等)が幾つかあるとは言え、1975年以降はバンドの演奏レベルが著しく落ちてしまう時期でもあり(特にJimmy Page)、音源的に良い物が残っていない等の理由で実現は難しいのかもしれません。何とかJimmy Page(ジミー・ペイジ)お得意の音源発掘作業&編集で後期ツェッペリンのライブ総集編的な公式ライヴでも出してくれないかと長年待望しているのですが。。。。

 スタジオ盤では緻密な音作りをするLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)のライブならではの勢いに任せた荒削りな演奏が魅力。代表曲"Rock And Roll"、"Stairway To Heaven"、"Whole Lotta Love"に加え、『Houses Of The Holy』収録曲で後期ツェッペリンのライヴでのオープニングを飾ることの多かった"Song remains the same"、"Rain song"、John Paul Jones(ジョン・ポール・ジョーンズ)の弾くメロトロンが幻想的な"No quarter"他収録。


B000FFP2BCレッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ [DVD]
レッド・ツェッペリン
ワーナー・ホーム・ビデオ 2006-06-02

 1973年のMadison Square Garden(マディソン・スクェア・ガーデン)でのライブを中心に、各メンバーJimmy Page(ジミー・ペイジ)、Robert Plant(ロバート・プラント)、John Paul Jones(ジョン・ポール・ジョーンズ)、John Bonham(ジョン・ボーナム)のイメージ映像などを挿入した劇場用映画。サウンドトラックと同様、1972年以降来日公演のなかったLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)のコンサートの全貌を垣間見ることが出来ることと、『LED ZEPPLIN DVD』(2003年)が発売されるまでは唯一の貴重な公式映像であり、発表当時は各地の名画座やフィルム・コンサート等で頻繁に上映された人気プログラムでした。
 単なるコンサートの記録映画ではなく、映画冒頭や曲間などに「5人目のツェッペリン」と呼ばれた有名マネージャ-、Peter Grant(ピーター・グラント)や各メンバーのイメージ映像とプライベート映像が挿入された映像作品として製作されています。しかし、各メンバーがそれぞれ出演したイメージ映像については稚拙な演技に加えて、曲の途中で挿入される映像部分が余りにも長すぎるためメンバーの自己満足としか言えず、1~2度観れば飽きてしまうイメージ映像をカットして演奏シーンのみで構成して欲しかったというのがツェッペリン・ファンの本音かもしれません。(1984年に初ビデオ化)

 サウンド・トラックには収録されなかった"Black Dog"、"Since I've Been Loving you"も収録されています。


[2007/09/20 追記]

B000VWYNNWThe Song Remains the Same
[Original recording remastered]

Led Zeppelin
WEA International 2007-11-20

Led Zeppelin[試聴]iTunes Music Store "Led Zeppelin"


 LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)の公式アルバムの殆どが1990年発表の4枚組ベスト盤『Led Zeppelin』発表時にリマスターされていたのにも拘らず、これまで唯一手がつけられずにいた『The Song Remains The Same: Soundtrack From The Led Zeppelin Film(永遠の詩/狂熱のライヴ』のリマスター盤が遂に発売。オリジナル盤収録曲に加えて、"Black Dog"(ブラック・ドッグ)、"Over the Hills and Far Away"(丘のむこうに)、"Misty mountain hop"(ミスティ・マウンテン・ホップ)、"Since I've been loving you"(貴方を愛しつづけて)、"Ocean"(オーシャン)、"Heartbreaker"(ハートブレイカー)の6曲を追加。ほぼ当時のセットリスト通りの完全版に近い形となりました。(2007年11月21日発売)
*"Ocean"はアンコール曲ですが、CD収録時間の関係からか、Disc1の最後に収録されています。


B000W6H26M【5,000セット限定生産】レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ リミテッド コレクターズ・エディション
ジョン・ボーナム.ジョン・ポール・ジョーンズ. ロバート・プラント.ジミー・ペイジ.ピーター・グラント. ピーター・クリフトン
ワーナー・ホーム・ビデオ 2007-11-21

 1976年に公開された劇場用映画『レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ』のデジタルリマスター版。(2007年11月21日発売)
 これまで未発表だったライブ映像"Celebration day"(祭典の日)、"Misty mountain hop"(ミスティ・マウンテン・ホップ)、"Over the Hills and Far Away"(丘のむこうに)、"Ocean"(オーシャン)の5曲に加えてメンバーのインタビューなどの特典映像を収録。
*2枚組DVDとヴィンテージTシャツ、ロビーカード(7枚)、オリジナル・プレミア招待状(復刻)、オリジナル・ツアー・スケジュール、プレスキット・フォトをセットにしたコレクターズ・エディション。


B000W6H26Cレッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ スペシャル・エディション(2枚組)
ジョン・ボーナム.ジョン・ポール・ジョーンズ. ロバート・プラント.ジミー・ペイジ.ピーター・グラント. ピーター・クリフトン
ワーナー・ホーム・ビデオ 2007-11-21

関連記事 - Led Zeppelin 記事一覧

| HOME |

2007年03月02日

The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars/DAVID BOWIE (デヴィッド・ボウイ)

B0000AZAUMZiggy Stardust
David Bowie
Virgin Records Us 2003-10-21

David Bowie [試聴]iTunes Music Store - DAVID BOWIE


屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群
 Bob Dylan(ボブ・ディラン)の影響を受けた音楽創作活動を行っていたDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)が、パントマイムを始めとする演劇的素養、派手な衣装やメイクで行うパフォーマンスでDavid Bowieより一足先にメジャーな存在となっていたライバル、Marc Bolan & T.REXマーク・ボラン & T・レックス)のグラム・ロックの要素を取り入れ、自らZiggy Stardust(ジギー・スターダスト)という架空のロック・スターに扮し、火星からやってきたロック・スターと彼が率いるThe Spiders from Mars(スパイダー・フロム・マーズ)の栄光と没落を描いたコンセプト・アルバム『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』。
 1972年に発表された本作は斬新なアイディアと共に完成度の高い優れた内容によって話題を呼び、それに伴うツアーでも大幅に演劇的要素を取り入れて無性的なZiggy Stardustを演じ切ったDavid Bowieは一躍Marc Bolanと並ぶグラム・ロックの代表するロック・スターに上り詰め、本作も後のアーティストに多大な影響を与えることとなる1970年代を代表するアルバムとなりました。


1. Five Years
2. Soul Love
3. Moonage Daydream
4. Starman
5. It Ain't Easy
6. Lady Stardust
7. Star
8. Hang On To Yourself
9. Ziggy Stardust
10. Suffragette City
11. Rock & Roll Suicide

Ziggy Stardust & the Spiders from Mars :
David Bowie :vo.デヴィッド・ボウイ
Mick Ronson :g.ミック・ロンソン
Trevor Bolder :b.トレヴァー・ボルダー
Mick Woodmansey :dr.ミック・ウッドマンジー

Spiders from Mars 不朽の名盤『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』の発表により、グラム・ロック・ブームの中でMarc Bolan(マーク・ボラン)と並ぶ2大スターの地位を手に入れたとは言え、実際にはヒット・シングル連発のシングル・アーティストMarc Bolanと比較するとDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)は本作からのシングル・カット"Starman"が全英5位を記録する程度で、Marc Bolanの活躍が余りにも派手だったとは言え、シングル・チャート・アクション的には地味。Marc Bolanがポピュラーな人気を誇ったのとは対照的にDavid Bowieは作品の質の高さからアーティスティックなカルト的人気の高いアルバム・アーティストと言えます。
 また、大きな成功を収めて栄華を極めながらグラム・ロック・ブームの終焉と共に儚く散った、あえて言ってしまうと単なるグラム・ロッカーに過ぎなかったMarc Bolanに対して、当時流行しつつあったグラム・ロックという要素を自己表現の方法のひとつとして取り入れて見事に消化したDavid Bowieのアーティストとしての創造性の部分で根本的に大きな差があり、ブーム後の両者の対応の仕方を見てもそれは明らかです。(決してMarc Bolanが劣っていたと言っているわけではなく、ポップ・スターとして派手に一時代を築いて太く短く生きたMarc Bolanはグラム・ロックしかなかったからこそロック・ミュージックの歴史に残る偉大なアーティストの一人であったと思います。)

David Bowie & Mick Ronson David Bowie(デヴィッド・ボウイ)は『Ziggy Stardust』発表後もZiggy Stardust(ジギー・スターダスト)というキャラクターを演じ続け、次作『Aladdin Sane(アラジン・セイン)』(1973年)では更にハードに、そして耽美でグラマラスなサウンドに発展させて人気を確実なものとします。しかし、グラム・ロック・ブームに陰りが見えるとあっさりとZiggy Stardustというキャラクターを捨ててオーソン・ウェルズの小説『1984』を題材にした『Diamond Dogs(ダイヤモンド・ドッグス)』(1974年・半人半獣のDiamond Dogsというキャラクターを演じる)を最後にグラム・ロックと決別してアメリカに渡り、ソウル、ファンクを取り入れた『Young Americansヤング・アメリカンズ)』(1975年)を発表。John Lennon(ジョン・レノン)作の"Fame"で全米1位を獲得してグラム・ロックには全く関心を見せなかったアメリカのミュージック・シーンでの成功を収めます。引き続きDavid Bowie自身が「プラスチック・ソウル」と呼んだファンク路線で発表した『Station to Station(ステイション・トゥ・ステイション)』(1976年)では全米3位、そして全英でも5位を獲得するというグラム・ロック期以上のビッグ・スターの地位を獲得します。

Heroes Tour しかし、ここまでの流れだと流行に敏感で計算も出来、そしてそれを実現できるだけのアーティストとしての才能と創造力を持った優れたミュージシャンが才能に見合うだけの成功を収めたという話なのですが、ここからがDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)の面白いところ。スターというポジションに嫌気が差したのか、アーティストとして求める方向が変化してしまったのか、それともファンク路線でやるべき事をやり尽くしたと考えたのか、突如としてベルリンに渡り、奇才Brian Eno(ブライアン・イーノ/ROXY MUSIC/ロキシー・ミュージック)をパートナーにRobert Fripp(ロバート・フィリップ/KING CRIMSON/キング・クリムゾン)などのミュージシャンをゲストに迎えてアーティスティックなアルバム群の製作を始めます。(所謂「ベルリン3部作」 - 『Low(ロウ)』『Heroes(ヒーローズ)』『RODGER(ロジャー)』)この時期のDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)は目立ったヒットシングルもなく一般的な認知度も低く低迷期と思われがちですが、David Bowieの創作活動において最も充実した時期であるとする人も多く、特にベルリンの壁を題材にした『Heroesヒーローズ)』(1977年)は『Ziggy Stardust』と並ぶDavid Bowieの傑作アルバムの1つとなっています。
 しかし、アーティスティック路線でDavid Bowieの音楽を確立して、セールス的には恵まれないものの充実した音楽活動を行っていたのにも拘らず、ここでも再びDavid Bowieは新たな方向転換を行い、次に発表したのがポップな要素を多分に含み、ニューウェーブを視野に置いた『Scary Monsters(スケアリー・モンスターズ)』(1980年)。そして、1983年に発表したのがその後のDavid Bowieのイメージを決定付けた当時のヒット・メイカー、Nile Rodgers(ナイル・ロジャース)をプロデューサーに起用した売れ線サウンドの大ヒットアルバム『Let's Dance(レッツ・ダンス)』です。ここで突如としてこうした路線変更がどういった理由で行われたのかは分かりませんが、『Let's Dance』ブーム後、既存の楽曲を捨て去り1989年に結成したロック・バンド、TIN MACHINEティン・マシーン)の失敗など、あれだけ時代への対応力のあったDavid Bowieが迷走を始めてしまいます。常に上手く時代の流れを呼んで時代の先端を行き、しかもその都度、質の高い作品を作り上げてしまうことが出来る才能を持ってしまったDavid Bowieが、『Let's Dance』に関しては売れてしまった後で自身の本質とはかけ離れた作品であったことに気付いた心理的な迷いによる『Let's Dance』後の迷走ではないかとも思えますし、そういう意味では、もしかすると嘗てのグラム・ロック時代、アメリカに渡ってのファンク時代、ベルリン3部作などのDavid Bowieの全キャリアにおける度重なる路線変更も、ただ単に売れることを考えていただけではなく、David Bowie自身の実体が無いが故の自分自身を模索する作業ではなかったのかとも思えます。


B0009F9O0IStage
David Bowie
Virgin 2005-09-14

David Bowie [試聴]iTunes Music Store - DAVID BOWIE


 代表作『Ziggy Stardust(ジギー・スターダスト)』収録曲を始めとするグラム・ロック期のヒット曲の数々、Brian Eno(ブライアン・イーノ)との問題作『Low(ロウ)』、そして『Ziggy Stardust』と並んでDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)の最高傑作に挙げる人の多い『Heroe(ヒーローズ)』収録曲など、1970年代のDavid Bowieの活動を統括したようなベスト選曲の1978年発表のライヴ・アルバム。(1977年、"Heroe"ツアーを収録)
 Carlos Alomar(G.カルロス・アロマー)、Adrian Bewley(G.エイドリアン・ブリュー)、Roger Powell(Key.ロジャーパウエル)等が参加したバンドの演奏も良く、スタジオ盤ほどの緊張感、シリアスさは感じられませんが、間違いなくDavid Bowieのキャリアにおける最高のパフォーマンスを収めた傑作ライブ・アルバムです。


B00006J3KTThe Best of Bowie
David Bowie
Emi 2002-11-04

David Bowie [試聴]iTunes Music Store - DAVID BOWIE


 David Bowie(デヴィッド・ボウイ)のグラム・ロック期、ソウル・ファンク期、ベルリン3部作、ダンス・ポップ期の全キャリアの中から代表曲ばかりを集めたベスト・アルバム。
 David Bowie入門編としては最適な内容ではありますが、しかしDavid Bowieの音楽性の変化が大きい為、個人的にはDavid Bowieのファンがヒット曲の数々を気軽に聴くためのアルバムではないかと思います。David Bowie初心者の方はグラム・ロック期『Ziggy Stardust(ジギー・スターダスト)』、ソウル&ファンク期『Young Americans(ヤング・アメリカンズ)』、アート・ロック期『Heroe(ヒーローズ)』、1980年代のダンス・ミュージック期『Let's Dance(レッツ・ダンス)』辺りのアルバムから好みに合わせて入るのがお勧めです。

■関連記事→ Let's Dance/DAVID BOWIE


| HOME |

2007年03月01日

Coda/LED ZEPPELIN (レッド・ツェッペリン)

B000002JSRCoda
Led Zeppelin
WEA International 1994-08-16

Led Zeppelin[試聴]iTunes Music Store "Led Zeppelin"


 John Bonham(Dr.ジョン・ボーナム)の急逝により1980年12月4日に解散したLED ZEPPELINレッド・ツェッペリン)が解散から2年後の1982年に発表した未発表曲などを集めた編集盤。
 録音時期がバラバラなのにも拘らず、アルバム全体を通して統一感を持たせた編集は見事。また、アルバム収録から洩れた楽曲を集めたとは言えLED ZEPPELINの場合は没曲ではなく、アルバムのイメージに合うかどうかという判断基準により収録曲を決定しているため、『Coda(最終楽章)』収録曲は他のアルバム収録曲に較べて決してクオリティーが劣るものはありません。実質的にはLED ZEPPELINのラスト・アルバムは『In Through the Out Door(イン・スルー・ジ・アウト・ドア)』という事になりますが、『In Through the Out Door』の延長線上のサウンドを聴く事は出来ないものの、本作は単なるアウトテイクの寄せ集め的なものではなく、現在においては『Coda』をラスト・アルバムという位置付けに置いても良いほどの充実度を持ったアルバムに仕上がっています。


1. We're Gonna Groove (Royal Albert Hall-1970/01/09 *guitar parts overdubbed)
2. Poor Tom (Album『Led Zeppelin III』未収録曲)
3. I Can't Quit You Baby (Royal Albert Hall-1970/01/09)
4. Walter's Walk (Album『Houses Of The Holy』未収録曲)
5. Ozone Baby (Album『In Through the Out Door』未収録曲)
6. Darlene (Album『In Through the Out Door』未収録曲)
7. Bonzo's Montreaux (1976 John Bonham drum instrumental with electronic effects added by Jimmy Page)
8. Wearing And Tearing (Album『In Through the Out Door』未収録曲)

Jimmy Page: guitar ジミー・ペイジ
Robert Plant: vocals ロバート・プラント
John Paul Jones: bass ジョン・ポール・ジョーンズ
John 'Bonzo' Bonham: drums ジョン・ボーナム

 『Coda(最終楽章)』の製作、発売に関してはLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)が主催するスワンソング・レコード(1983年に活動を停止)がアトランティック・レコードとレーベル設立時に交わした「LED ZEPPELIN名義のアルバムを5枚リリースする」という契約を履行するためにJimmy Page(G.ジミー・ペイジ)が未発表曲を中心に編集作業を行い、最終的にRobert Plant(Vo.ロバート・プラント)、John Paul Jones(B,Key.ジョン・ポール・ジョーンズ)の協力を得て完成させています。
 解散後でプロモーション・ツアーを行えないものの、各種媒体による大々的なプロモーションによりビルボードのアルバム・チャートで6位、イギリスのチャートでは4位を記録。
*アルバムは1982年の前半には完成していたようですが、同時期にRobert Plantの初ソロ・アルバム『Pictures at Eleven11時の肖像)』(1982年)の発売が予定されていたため、発売時期が重ならないように配慮されて半年程度間隔を空けた1982年11月に発売されています。

 初期LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)のライブでオープニング曲として頻繁に演奏された"We're Gonna Groove"。1972年頃のライブでもDazed and Confusedの中間部分でリフ部分が既に披露されていた"Walter's Walk"。JimmyPage(G.ジミー・ペイジ)自身が気に入っている演奏、とインタビューで語った1st収録の"I Can't Quint Baby"のリハーサル・テイク(ライブ・テイクと言う説もあり)。JimmyPageとJohn Bonham(Dr.ジョン・ボーナム)がモントルーのスタジオで行った実験的なドラム・サウンド"Bonzo's Montreux"他収録。

関連記事 - Led Zeppelin 記事一覧


| HOME |

Recent Entries

  1. Exit...Stage Left/RUSH (ラッシュ)
  2. The Song Remains The Same: Soundtrack From The Led Zeppelin Film/LED ZEPPELIN (レッド・ツェッペリン)
  3. The Rise And Fall Of Ziggy Stardust and The Spiders from Mars/DAVID BOWIE (デヴィッド・ボウイ)
  4. Coda/LED ZEPPELIN (レッド・ツェッペリン)

PR


120×90